優の勝ち組日記
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パラレルワールド2023 完結編⑤

3月10日早朝


さぁ今日も夕方からのバイトに備えて


もうひと眠りしますか


んー


やっぱこの生活最高だな


当時は当時で色々悩みとか、葛藤もあったけど、

今は思い出せない。


のほほんと生きてたなぁ


そして夜。。


店長「よーし、作業終わったら飲み行くぞー」

そうだ、あの日も確か呑みに行き

健康ランドに泊まったんだった


楽しかったな


宴も進むが、頭の中は明日の事でいっぱいだった。


社員「どーしたー?酒が進んでねぇぞ」

優「あっ、はい。飲みマース」


なんだかんだ楽しく酒を飲み健康ランドへ


あの日みたいにゆっくりはしてられん。

でもとりあえず昼前までは寝るか


懐かしの健康ランドで眠りに着いた。


目が覚めると12時前だった、風呂入って急いで帰らなきゃ。


そして


家に着く頃には14時を過ぎていた。


優「ただいまー」


優母「あれ?どーしたのこんな時間に珍しい、休み?」


優「うん、休みだけどなんとなく帰ってきた」


優母「へー、ホント珍しい」


そわそわする。


刻一刻と時は過ぎていく。


そして遂に


カチっ、


時計の針は14時46分を指した。





??


カチっ、針は47分を指した。


??



??




カチっ、15時になった。


どーいう事だ、何も起きない


テレビを付けるが何か起きた様子もなく


通常運転だ


あの大地震は来なかったのだ。もちろん津波もない。


ただ、俺がケイコに大嘘をついただけで、終わったのだ。


すると


ケータイがけたたましく鳴り響いた。


そして着信表示は


そう


ケイコしかいない。


恐る恐る電話を取る


優「ごめーん」


ケイコ「…優、いまどこ?すぐ来て、お母さんが!」


何やらとんでもなく慌てている。


ケイコ「早く、早く、」


優「ちょっと待て、落ち着け、どーした?」


ケイコ「なんかいきなり倒れて、意識がないの」


優「はっ?とりあえずすぐ向かうから、電話切ったら救急車即効呼んで、あー、いいや。俺が電話する」


電話を切って119番に電話する。


優「救急です、はい、友達の母が倒れて意識がありません。」


電話しながら、団地の階段を駆け下り、目の前のケイコの家に突入する


オペレーター「救助要請者はそこにいますか?」


優「はい、今目の前にいます。どーしたらいいですか?」


スピーカーにした電話越しに指示に従う


その間もケイコは必死に呼んでいる。


ケイコ「お母さん、お母さん、目開けてよ!」


隊員到着まで動かすなと言われ、何も出来ずに立ち尽くし、ただ呼び掛けるしか出来なかったが


あっという間に隊員が到着した。


隊員「意識レベルが大幅に下がっていて、大変危険な状態です。すぐに搬送します。」


ケイコ「お願いします。どうかお母さんを助けてください。」


隊員「全力を尽くします」


おばちゃんを乗せた救急車にケイコも俺も乗り込んだ。


病院に到着後緊急で手術が行われた、待合室で待つこと2時間、ドクターが手術室から出てきた。


ケイコ「先生。お母さんは?」


先生「脳出血でしたが、倒れてすぐの搬送だった為、命に別状はありません。幸い程度も軽い為、麻痺なども残らずしばらくの入院で済むはずです。」


ケイコ「良かったぁぁ、ありがとうございます。」


看護師「家に帰って入院の支度を済ませて入院病棟までお越しください。」


手術チームが去っていく。


優「本当に良かった、助かって良かった」


二人共安心して、泣いていた。


ケイコ「優ありがとね。」


優「俺は何もしてないよ」


ケイコ「今日は家に居ろって言ったから」


優「違うよ、本当は…」


言いかけてやめた。


もういいや、あの地震が起きなかった事、ケイコのお母さんが助かった事。

あれは本当じゃない方が良かったんだ。


こんな世界線があってもいいだろ?



これ以上なにかを言うのは野暮だ


ケイコ「でもやっぱり嘘だったね(笑)」

ケイコはまだ泣いていたがやっと笑った。


優「んー。ごめん。」


ケイコ「ありがとう、とりあえず1回帰らなきゃだわ」


優「そだな、つっても俺ら救急車乗って来たから、車ないね」


ケイコ「タクシーで駅まで行こ」


駅に着くと電車はあと30分以上も来ないことを知った。

こんな時でも腹は減る。


優「立ち食いそばでも食べて待とうぜ、俺払うよ」

ケイコ「えっ?」


歩いてたケイコの足は階段の一番上で止まった。


数段先に降りてしまった俺は振り返り


優「ごめん、腹減ってないか、つかそんな気分にならないよね」


ケイコは立ち止まっている。


優「どした?」



ケイコ「…」




ケイコ「優、やっぱり帰りなよ」


優「だから電車まだ来ないんだって。」


ケイコ「違う!未来!」


優「えっ?」

突然過ぎて意味がわからない。


ケイコ「ずっと、くだらない事言ってんなーって思ってたけど、今のは笑えないよ」


優「なに?なんかマズイの言った?そば嫌いだっけ?」


ケイコ「…」


優「??」


そば食いたくなくて怒ったか?


ケイコ「あたし、そばアレルギーなんだ。

小学校の時にそば食べて本当に死にそうになって、そん時優は「あー俺ももう二度とそば食わん、そもそも生まれた時からそば大っ嫌いなんだ」とか訳わからん事言い出して、そっから今まで冗談でもそばの事も死にそうになった事も話題にも出さなかった」


優「そんな事があったのか…」


ケイコ「やっとわかった、全部本当なんだろうなって。あたしの知ってる優じゃなかった。もちろんそば食べようって悪気がなかったことくらいわかるけど」


優「なんか。ごめんなさい。」


ケイコ「よし!いくぞー」


駆け足でケイコが階段を下る


優「えっ?ちょっと、待った」


すっと唇が触れ合った。





次で多分最後です。


パラレルワールド2023 完結編④

ばぁちゃん家を後にした俺は、ひとまず家に帰り作戦を練ることにした。


残された時間は今日入れてあと7日


ケイコとキスすれば戻れるって言ってたけど、


その前に死ぬな(笑)


100パー信じてもらえないだろうが正直に事情を話してみるか…


ん?

待った、ケイコに話して大丈夫なのか?


ばぁちゃん「この事は他の人に言うなよ」


当事者はいいのか?

しっかり聞いとけば良かった。。


まぁ考えていても仕方がない。


俺はケータイを手に取り、ケイコに電話することにした



プルルルル


プルルルル



ガチャ


ケイコ「もしもし、優どした?」


優「んー、ちっと話あるんだけど、今夜空いてる?」


ケイコ「なにー?告白か?」


優「ちげーよ!バイト終わってからだから、夜中だけど大丈夫?」


ケイコ「夜中かー、まぁいいよー。寝てたら起こして」


優「ありがとう、家帰ったら連絡する。」


ケイコ「つか、気になるから今言えば?」


優「会って話したい」


ケイコ「なおのこと気になるわ、まぁじゃ夜ね」


とりあえず約束を取り付け、夕方からのバイトまで寝る事に。


そして社員になった今だからわかるが、この頃の俺、生活ゆとりやな


18時から0時のバイトって…休みやん(笑)

子供達の世話もなく、家の事もなにもない。

給料も使い放題。天国ですね。


だけど、帰りたい。


家族に、娘達に会いたい。


社員「なんか、今日動きキレっキレだね。どーした?」

ふん、この頃の仕事内容なんか目を閉じても出来る(嘘)


そしてこの人は後々、不祥事で退職する。


知ってるからな、俺は。


優「いやーなんか今日調子いいんすよね。」

睡眠もバッチリだしな。




仕事をちゃっちゃか終わらせ帰路につく。


家に着く10分程前にケイコから着信が入る。


ケイコ「まだー、もう眠いんですけどー」


優「ごめ、そろっか着く」


ケイコ「支度すんのダルくなったから、ウチ来なよ」


ん?この時間に女の家はマズいだろ


優「えっ?さすがに迷惑でしょ。」


ケイコ「はっ?いまさら何言ってんの?

カギ開けとくから着いたら上がってきて」


いつもこんな感じなのか…


優「お、おう。わかった」



とりあえず着いたけども、入りづれー


ガチャ、「お邪魔しまーす」


バタバタ


???「優くーん!!来るって聞いてたから起きてた(笑)ゆっくりしてきなー、居間で話す?」

北山さんだ、こんなキャラだったっけ?


優「あ、こんばんは。」


2階から声がする


ケイコ「お母さん、もう寝て。そこで引き止めないでー」


ケイコママ「いいじゃないね、久しぶりなんだから(笑)じゃお母さんとお父さんによろしくねー」


優「そうですね、伝えておきます」


ケイコママ「優くんよそよそしく、敬語なんか使っちゃって。まぁおばちゃんとはまた今度話ましょ」


階段を上がり3部屋あったが、入口に「keiko」とプレートがあったのですんなりわかった。


優「入るよー」


ケイコ「んー」


初めて入った部屋はどことなく懐かしい感じがした、本棚にはワンピースがおそらく全巻と棚の上にはボクシングのベルトを巻いた写真が飾ってある。


スウェット姿のケイコが口を開く

ケイコ「なんでキョロキョロしてんの?初めて入った設定?」

いや設定とかじゃなく初めてなんだが


ケイコ「話ってなにー?」


俺は迷った、ここで正直に話してそこで存在が終了の可能性もありうるからだ。


当たって砕けろ作戦開始。


優「あのさ、、、」


ケイコ「ん?」


優「キスさせて」


ケイコ「???ごめ、よく聞こえなかった?なに?」


優「キスさせて」


ドカっ!


軽目のグーパンが俺の肩に入る


ケイコ「何言ってんの殴るよ?」

いやもう殴られた。。



優「だから、キスを」


ドカッ!ドカッ!

言いかけて強目のグーパンが飛んで来た。。

やっぱ無理だ、本当のことを話してみるか


優「つかさ、、」

ケイコ「なに?」

さすがに怒ってらっしゃる。


優「俺死んだんだ、」

ケイコ「いや、まだ殺してないケド」


優「本当は別の世界で過ごしてたんだ」


ケイコ「ちょっと意味がよくわからない」

優「訳あって12年後の2023年から来たんだけど」

ケイコ「まぁとりあえず聞くよ…」


半分呆れてる…そりゃそうだ。


俺は今日までの事の説明を続けた。


優「…っていう訳なんだ」


ケイコ「で、オチは?」


優「だからキスさせてほしい」


ケイコは呆れ果てている。


ケイコ「65点っつーとこだね」


優「なにが?」


ケイコ「脚本の出来だよ。次はもっと面白いの用意してきてよ」


優「いやだから、、」


ケイコ「ねぇ?ホントに頭打った?自分がなに言ってるかわかる?みんなに言うよー」


優「待った、待った、それだけはマズい。他の人に知られたら消滅するんだって」


ケイコ「なんなのその設定?じゃあなんか信じられる決定的ななにかを話してよ」


そんなものはない。


いや、ちょっと待て。

今は3月10日に日付が変わったばかりだ、


そう。3月11日がやってくるのだ


誰にも止められない。


あの日が


優「明日、つーかこの時間なら明後日か?

11日の14時46分に経験した事も無い、大地震が来る」


ケイコ「はっ?今度は予言者設定?ダムスか?」


優「いや。これは本当。あの災害を俺の証明になんか使いたくないけど、本当なんだ。」


俺は続けた


優「地震の後に、とんでもなく大きな津波が来て、たくさんの人達が犠牲になってしまった。」


地震の詳細を話す。


ケイコ「作り話にしては設定が細かいな、原発とか興味あったっけ?

つかその話が本当だったとしたら、今から助けに行けばいいじゃん。24時間以上あるんだから、何万人も亡くなるなんてありえないよ」


優「考えてみろ、こんな間近な人すら疑う話だよ?いきなり知らん奴が現れて「明日地震が来ますよー、津波も来るから絶対に逃げてくださーい。」なんて言ったところで仕事や学校を投げ出して避難すると思う?頭おかしな奴が来たくらいにしか思われないだろ」


ケイコ「確かに!じゃどーすんの?」


優「とりあえず11日の14時~15時は家にいてください。」


ケイコ「あたしも仕事あるんですけど、」


優「もし嘘だったら、裸で駅まで歩いてやる」


ケイコ「それただの変質者(笑)」


優「実際、山梨はそこまで大変な事にならない。ただ、どこで何が起こるかわからない明日のその時間は家に居てほしい。」


ケイコ「んーーー、もう。わかったよ。今回だけだからね」


優「キスは?」


ケイコ「それはしない。」



本当は絶対に起きて欲しくないんだ、あれのせいでどれだけの命が奪われたか


失ったものが、多すぎて、得たものは何もない。


あれこそが、いまだに夢だと信じたいんだ。


優「じゃ、そろっか帰るわ。頼んだよ。」


ケイコ「はーい。」


やはりどことなく機嫌は悪い。


パラレルワールド2023 完結編③

なんの確証もないが、困ったので

ばあちゃん家に行くことに・・・


つーか2023年だと

ばあちゃん死んでたわ


先週も来ているが、記憶が甦った今は

なんか緊張する。。。


「こんちわー」


ばあちゃん生きてるー


全部、全部、

後回しにした。


俺はばあちゃんに抱きついた。


泣いた。ひたすら泣いた。

会いたかった。

声が聞きたかった。

ずっと会いたかった人が目の前にいる。


夢でもなんで良かった。

ただただ泣き続けた。


30分程泣き続けたあと

ばあちゃんが口を開いた。


『おまん、えらい遅かったじゃんか』


???

???


涙が止まらない俺に話を続けた。


要約すると……


・やっぱり俺はあの日死んだらしい

・ばあちゃんが意図的に俺を助けたらしい

・寿命を待たずに死んだ人は1回だけ現世に影響する力を出せるとの事

・ここは夢ではなく、俺の住んでた世界の平行線の過去、つまり【パラレルワールド】

・元々この世界線にいたはずの俺の体に魂だけ憑依した状態

・天国でも地獄でもなく魂の一時保管みたいな事に今はなっている。

・ただ、この時間軸に飛んだのはばあちゃんの意図した事ではなく、1年程待ってたみたい。

・俺がいつ来るかもわからんくて、会う度に『困った事があったら・・・』と言ってたようだ。


更に天国ルールは意外と厳しいらしく

・他の人にバレたら、ばあちゃんはそれ以上関わる事が出来なくなる

・一定の時間経過で、

いまの俺の意識は消滅する。

・それ以降は元々のこの世界の俺になる。

・現世に戻る方法は1つだけ。

・現世に存在しない人と口づけを交わす事。

・現世に戻るのは飛ばされた2秒前。


色々と信じられない事だらけだが、俺しか知らない現世の話をされた時点で全て繋がった。

信じるしかない。


優「一定の時間が来たら俺の意識が消滅するってどーゆこと?」


ば「ここに来た日から49日が期間だよ、それ以降はわからない。ただこの世界の優くんはそれまで通りの生活を送るだけ」


優「2023年の俺は?」

ば「わからない」


現世に存在しない人物ってのは心当たりがありすぎる。間違いなくケイコだ!


優「ケイコが重要ってこと?」

ば「多分そう。その人と口付けを交わすことは可能かい?」


この間のボクシングを思い出す。


優「多分無理だ」


ば「まぁ、でもそれしかないからね。頑張りな。ところでこっちにはいつ来たで?」


優「1月の25日くらいだと思う。」


ば「大変だ、今日が3月8日だからあと9日しかないよ。15日が期限だよ」


そんなやり取りを交わしつつ、今夜はばあちゃん家に泊まる事にした。


その夜ばあちゃんの手料理を食べながら

2人で色んな話をした


・あの事故の日の事

・事故のあとの事

・俺の家族の話

・俺の子供の頃の事

・母親の子供の頃の事


・天国の話

・俺がお墓の前で泣いてた日のこと

・娘達をお墓に連れてった日のこと

・最近はお墓にだれも来なくなったこと

・ひいばあちゃんは、あっちで志村けんに

会って大喜びしたこと


散々語り明かし


最後にばあちゃんは言った。

「おまん、この話は明日はするじゃないぞ」

「心配すんな、直にもとの世界に帰れる」


翌朝。


目が覚めると、ばあちゃんは朝ごはんの支度をしていた


「優くんいつから来てただ?メシ食ってけ」


???


色々悟った。


昨日のばあちゃんとは違うばあちゃんだと


涙をこらえながら朝食をいただき

「また来るよ」

一言伝えて帰りの車を走らせた。


ばあちゃん、ありがとう。


さぁ帰ろう。

元の世界に・・・




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