行動療法各論を引き続き学習します。

 

 

 

1、系統的脱感作法

2、主張訓練

3、情動提示法

4、行動強化法

5、行動消去法

6、バイオフィードバック

7、認知行動療法

 

今日は3、情動提示法、4、行動強化法、5、行動消去法を学習します。

 

 

 

 3、情動提示法

 

情動提示ほう(Affective Cueing)は、心理療法やカウンセリングで使用される技法の一つで、クライアントの感情や情動に注意を向け、それを適切に認識・表現するよう促す方法を指します。

 

この技法は、特に感情の抑圧や未解決の感情的問題が原因で生じる心理的困難を扱う際に有効とされています。

 

 

 

 情動提示法の基本概念

1、情動への焦点

・情動提示法では、クライアントの感情や情動に焦点を当てます。

・クライアントが自分の感情を言語化したり、認識することを促すことで、感情処理の改善をはかります。

 

2、感情の重要性

・感情はクライアントの経験や行動、思考に影響を与える中心的な要素と捉えられます。

・適切に認識されない感情は、心理的な問題や身体的な不調を引き起こすことがあります。

 

3、セラピストの役割

・セラピストはクライアントが特定の感情を表現しやすくなるように、「情動の手がかり」を提供します。「今、どんな気持ちが湧いていますか?」「その時、どのような感情があったのでしょうか」

 

 

 

 情動フラッディング法(Emotional Flooding Method)

情動フラッディング法は心理療法の一つで、特定の状況や刺激に対する強い感情、特に不安や恐怖を短時間で軽減することを目的とします。この方法は、クライアントをその強い感情や恐怖を引き起こす刺激に一気に晒すことで、情動を短期間に解放または馴化させる方法です。

 

・基本概念

1、一気に感情と向き合わせる

・クライアントが回避してきた感情や体験、状況に短時間で集中して向き合せ、不安や恐怖を減らします。

・一気に感情や体験に浸ることが特徴です。

 

2、馴化の原理

・長時間、強い感情にさらされ続けることで、次第にその感情の強度が減少する減少;馴化を利用します。

 

3、回避行動の排除

・クライアントが恐怖や不安を感じた時に回避行動を取らないように促し、感情が自然に落ち着くまでその状況に留まらせます。

 

4、感情の解放

・抑圧された感情や未解決の情動が解放されることで、心理的な負担が軽減されると考えられています。

 

 

手順

1、準備

・クライアントの同意を得る

フラッディング法は非常に強い感情を引き起こす可能性があるため、クライアントが治療法を十分に理解し、同意することが必要です。

・不安や恐怖のトリガーを特定する

クライアントが回避している感情や状況をリストアップし、治療のターゲットを絞ります。

 

2、感情や刺激への直接曝露

・クライアントを恐怖や不安を引き起こす状況や記憶に一気に曝露します。

・曝露中回避行動を取らず、不安や恐怖が消えるまでその場にとどまります。

 

3、不安のピークを超える

非常に強い不快を感じますが、回避行動を取らないことで、感情が次第に落ち着きます。

 

途中で回避行動を取ると、不快の感情が強化され、「やっぱりダメなんだ」と思うことになります。

 

4、感情の統合

・クライアントは、不安や恐怖が必ずしも長続きせず、自然に消失することを学びます。

・治療後、不安の減少や状況に対する新しい視点を振り返ります。

 

 

 

 

 

 4、行動強化法

行動強化法はオペラント条件づけの正の強化に基づき、報酬が与えられるからある行動が形成され強化されていく方法です。

 

 

 

 トークン・エコノミー法

トークン・エコノミー法(Token Economy Method)は、報酬システムを活用して望ましい行動を強化する行動療法の一つです。この方法では、クライアントが適切な反応をするたびに仮の報酬;トークンをもらい、一定の数量に達したところで欲しがっている品物や活動と引き換える方法です。

 

 

・トークン・エコノミー法の対象

1、子ども

・トークン・エコノミー法は子どもの教育や行動管理に効果的です。

 

2、特別な支援を必要とする子ども

・自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如・多動症(ADHD)、学習障害(LD)などの発達障害がある子どもに適用されることも多くあります。

 

3、精神障害や行動障害のある人

・精神疾患の治療や行動管理にも効果的です。

・強迫性障害、;不安を引き起こす行動を抑え、適応的な行動を強化

・統合失調症;規則的な生活や社会的スキルの向上を促進

・薬物依存;依存行動の抑制と健康的な行動の強化

・パーソナリティ障害;特定の行動パターンの変容

 

 

・トークン・エコノミーほうが適さない場合1、目標行動が曖昧な場合・望ましい行動を具体的に定義できない場合、トークンの付与が不明確になる
2、トークンに興味を持てない対象・報酬に魅力を感じない場合、動機付けが得られない
3、自主性が求められる状況・長期的な行動変容を目指す場合、内的動機付けへの移行が必要

 

 

 

 

 シェイピング

1、目的にする行動に近い、より簡単な行動を強化する

2、それが学習できたら、次のより目的に近い行動を強化する

 

 

 

 

 

 

 5、行動消去法

消去とは反応の頻度や強化を弱める操作をいいます。

 

 

 

 除外学習法

除外学習法は不適応行動に随伴する報酬を除外することで、その行動を消去する学習法です。

 

 

 

 

 処罰学習法

不適応反応等が罰などの負の強化因子をもたらし、その反応を抑制する方法

 

嫌悪刺激

・電気嫌悪条件付け

・化学嫌悪条件付け

・視覚嫌悪条件づけ

・イメージ嫌悪条件づけ

 

 

 

 

 

 拮抗反応法

すでに形成されている条件反応を消滅させるための、条件反応と同時に起こり得ない、つまり拮抗する新しい条件反応を形成する方法。

 

 

・ハビット・リバーサル

神経性習癖の治療にあたり、これを両立し得ない拮抗反応を与えて、症状を阻害する。

 

重要点

1、習癖と拮抗する動作であること

2、数分間持続すること

3、拮抗動作に関与する筋肉を緊張させることで、強い周囲を生むこと

4、周囲から見て注意をひかず、日常の動作を妨害することなく簡単にできること

5、習癖動作の拮抗筋を強めることができること

 

 

・神経性習癖とは爪を噛む、皮膚をむしる、抜毛症、などの行為です。

 

抜毛症の改善

1、意識訓練

・髪の毛抜く時の動作やきっかけ、勉強中、退屈といったものを特定する

2、競合行動の導入

・手が髪に向かいそうな時、代わりに両手を膝の上で組む、ストレスボールを握るなどする

3、フィードバック

日常的に行うことなので、目立ってしまうようなら他の方法を検討する

 

 

 

 

 

行動療法各論2の感想まとめ

 

私は行動消去法をやっていました。お酒がやめられなくて、嫌酒薬を飲んでいた時期がありました。

心療内科の先生が、「1回嫌酒薬を飲んだ日にお酒を少し飲んでみるといいよ」といい、素直に飲んでみたら死ぬんかなと思うほどの動悸と吐き気に襲われました。それからは嫌酒薬を飲んでお酒を飲まないことが増えました。先生の術中にはまり、処罰学習法を実践していました。その効果は絶大です。

今ではお酒がなくてもいい日が増えました。

 

こう思うと、行動療法は効果覿面なものが多いのかなと思いました。

 

情動フラッディング法はインパクトのある方法です。私はカエルが苦手ですが、これも情動フラッディング法で改善するかもしれません。しかしやろうとは思いません。