熊本地震

崩れ落ちた熊本城

見慣れたはずの街並みや店舗は壊れ、明かりは消えていた。

本宅や親きょうだいは皆無事だったが、精神的なダメージは計り知れない。

日常を奪われ、今も不便で苦しい避難生活を続ける人々、破壊された民家がテレビの画面に映し出されるたびにどこか現実のものと思えない感じがしていたが、実際に現地で崩れた建物を見ると、胸が重苦しくなった。

阿蘇に続く道はミルクロード一本のみ。

鉄道や道も寸断され、かつての雄々しい阿蘇の自然は静かに息をひそめていた。

今まで感じたことが無かった故郷への想いが、ひしひしと込み上げて、涙が出た。

故郷でテレビから流れる、「火の国旅情」の歌詞を眺め、曲を思い出すうちに懐かしさと故郷への思いが溢れだし、自分はやはり熊本の人間なんだということを思い知る。







この数年間、本宅を飛び出し、若い学生時代に住んだこの街に焦がれ、都会の便利さに充足感を満たす日々を過ごしていた。私はなんのために夫と離れ住みここにいるのか?

私は何をしているのだろう・・・。