2018年6月23日(土)になんば白鯨で行われた「第57回のサイコ・フォールズ」の模様をお伝えしていきます。

 

この日は地震からまだ一週間が経過していないにも関わらず大盛況!!

 

こうして足を運んで下さるお客様がいらっしゃるからこそ、サイコ・フォールズは4年半以上も休まずに続けられています。

 

本当にありがたい限りです!

 

さてライブ冒頭でいきなり袖のリボンが解けてしまうというハプニングに見舞われた桜子。

 

すぐに客席へ下りて、お客様に「おリボン、結んでいただけますか?」とお願い!

この距離の近さは当イベントならではかも!?

 

鮎川ヒロアキがカウンセラー芸人の立場から、様々な事象を斬る鮎は思う

今回取り扱うテーマはピン芸人です。

 

「あれ、私のこと?」と立ち上がる桜子もピン芸人。

なぎさというコンビで20年活動している鮎川は、これまでにピン芸人として活動をしたことがありません。

 

R-1に一度だけ出場したことがあったのですが、そのときに改めて「ピン芸は難しい…」と感じたそうです。

 

コンビ芸人と比較して総体的に変わり者が多いとされるピン芸人。

 

その原因を鮎川が分析しました。

・過剰な完璧主義

・極めて強いこだわりを持つ

・協調性があまりない

など要素を挙げていきます。

 

今回、鮎川が特に語りたいと思ったがカルマの強いピン芸人。

カルマとは業(ごう)や宿命、因果応報の法則といった意味を持ちます。

 

鮎川の分類では桜子は完璧にカルマ型に入るのだとか。

 

スマホを片手に持つ鮎川。実は桜子と同量のカルマを持つと思しきある人物に電話をかけてみることに。

 

電話のお相手は山が動く寺岡氏。

地元猟友会さんと山が動くというコンビで数年間、活動。現在はコンビ活動を休止し、ピンで舞台に立っています。

 

スペースの都合上、記すことはできませんが、鮎川と寺岡氏の間で非常に興味深いやりとりが行われました。

 

そんな寺岡氏の魂と業の詰まった催し「山が動くソロライブ11~寺岡の落語~」に興味がある方は下記のリンクをご覧くださいませ。

http://www.theater-seven.com/2018/ev_180715.html

 

電話の内容を聞き

 

「ひゃっほ~♪さすがはカルマを背負ってるぅ!!」とテンションの上がる桜子♪

 

鮎川は、桜子の中にかつての自分を見るといいます。若手時代は「自分以上の芸人など存在しない!」といった気概を持つ人が多くいるものです。しかし芸歴を重ねるうちにそういった思いはだんだん薄れていきます。

 

しかし桜子はキャリアをどれだけ重ねようとも、一向に熱い思いが衰えません。いつまでもNSCを卒業したばかりの若手のような心境なのです。

 

いつしか上手く折り合いがつけられるようになった鮎川からすれば、カルマタイプのピン芸人は憧れの対象。自分にないものを持っています。

 

勢いづいた鮎川の褒めは止まりません!

「アーティスト」「クリエイティブな才能豊か」いわれ、「やめて~」と絶叫し恥ずかしがる桜子の姿に客席からは大きな笑いが起こっていました。

 

さて後半のテーマトークは

生きていると様々なタイミングがあります。

 

タイミングには良いものとそうでないものが存在します。その見定めが後の人生に大きな影響を及ぼします。

 

今回、鮎川が紹介したのはホットポテト理論

エリックバーンの弟子であるファニタ・イングリッシュが提唱したものです。

 

集団内では必ずといっていいほど、序列が出来上がります。揚げたてのアツアツなホットポテトは手に持ってられないので、すぐに誰かへ渡したい。

 

そのときに目をつけられやすい被害者がいます。

 

彼ら彼女らは支配者から「こいつなら歯向かわないから、酷い目にあわせてやろう」と目をつけられやすいタイプ。

 

いじめっこといじめられっこの関係ですね。

 

いじめる側は歪んだ自己愛を持っており、自分が支配したり攻撃しやすそうな人を選ぶ能力に長けています。

 

一方、いじめられる側の一部には、泣き寝入り型万能感というものを持っている人がいます。

 

「どんな理不尽なことが続いても、我慢していればいつかは報われることがあるだろう」という考えになぜか捉われます。しかしこういった思考には根拠がありません。

 

不幸にもこうした人達が出会うと、凹凸がかみ合い離れられなくなります。

 

いじめている側はコントロールが効かなくなり際限なくいじめ続ける。いじめられている側は、いじめる人間から離れようとせずに耐え続ける。

 

誰も得しない状況ができあがります。

 

桜子もかつてある人間の標的にされて攻撃され続け、逃げるタイミングを逃しました。

 

同じことを繰り返さないために、今では「危ない!」と感知したらすぐに離れる習慣がついています。

 

このときに

・空気を読む

・相手の気持ちを考える

・嫌われるのを避ける

 

などと考えるのはNG!

 

そうした配慮はタイミングを逸することにつながります。

鮎川は支援者目線で語りました。

 

彼の妻は長年、精神疾患を患っています。衝動的な性格もあり、いつどういう行動に出るのかが読めません。

 

鮎川はある時期から「もう自分のタイミングはないな」と腹を決めました。妻のタイミングが彼のタイミングになる、といった変化が起こったのです。

 

これだけ聞くと大変に感じる人が多いでしょう。

 

しかし鮎川は妻の生い立ちを聞くにつれ、ある思いに捉われます。

 

彼の妻は自分の好きなタイミングで生きられる環境ではなかった。そういった抑圧の影響もあって、鮎川のタイミングを結果的に奪うようになったのです。

 

全てには因果があるのですね。

 

そんな妻が一年ほど前に出産しました。生まれたての赤ちゃんは目が離せません。

 

子供が妻のタイミングを奪い始めたことで、今度は鮎川のタイミングが生まれ始めました。

 

家族が増えると関係性が変わり、各々のタイミングも変化するのですね。

 

今回は様々なタイミングについて語りました。やはり自分に無理のないタイミングで暮らせることが、心身の健康につながります。

 

次回のサイコ・フォールズは7月21日(土)の19時から、なんば白鯨で行われます。

 

第58回のサイコ・フォールズではどんな内容が語られるのでしょう?

 

次回もぜひよろしくお願いいたします!

 

                                        写真・文 高田豪