こんにちは!! 

日常で使える心理学の知識をお届けしているアート好きの臨床心理士、歌うセラピストです!!

 

このブログでは、「心理学」×「日常」をテーマに、明日から使える情報を掲載しています。

 

また、「心理学ソング」や趣味のイラストも時々載せていくので、楽しく読んでいただけたら幸いです♪

 
 
先日、日常生活に関係ありそう、且つカッコいい心理学の専門用語について記事に書いてみようと思い立った。
 
そして、前回の記事ではとりあえず思いついた専門用語を5つ挙げてみた。
 
それは、
 
①集団力動
②セルフ・エクスポージャー
③オペラント条件づけ
④認知的不協和理論
⑤自己一致
 
の5つ。前回のブログで書いたのは、①の「集団力動」について。
 
コメントをくれた方がいて、とても嬉しかったです(*^^*)
 
今回は、②の「セルフ・エクスポージャー」について思いを巡らせてみたい。
 
 
心理学には色々な学派があるけど、その中で3大学派と言われるのが、精神分析・行動主義・人間性心理学の3つ。
 
 
今回紹介する「セルフ・エクスポージャー」は、行動主義学派から生まれた用語。
 
行動主義学派とは、「人の心を知る為には、人の心を研究対象とすべきではない」と考えた人たちのことだと僕は理解している。
 
なぜなら、心は見えないから。見えないものを研究対象にしても、主観的な「意見」から抜け出すことができない。
 
心理学は科学を目指しているのだから、心ではなく「行動」を研究の対象にしようとしたわけ。
 
「Aさんは優しい人だ」という事を証明したいとする。
 
その根拠として、「Aさんの心はいつも暖かいから」と言っても、そんなのAさんにしか分からないことでしょ?
それは科学ではなくて、「主観」だ。
 
行動主義学派の人々が「Aさんは優しい人だ」ということを証明する為にすることは、きっとただ1つ。
 
「Aさんの親切な」行動を記録すること。
 
Aさんは、1日に〜回、電車でお年寄りに席を譲ってあげた。また、1日に〜回、「ありがとう」と他者に言った。その数は、成人女性1000人が1日に席を譲ったり、ありがとうと言う数の平均を有意に上回っていた。だから、Aさんは優しい。
 
と結論づける。
 
こういう行動主義の考え方について、「なんだか冷たい。人の心は数字では測れないでしょ?」
 
と思う人もいるかもしれない。だから、人間性心理学派は、行動主義を批判する形で広まった。
 
でも僕は、主観ではなく、データで人の心を解明しようとする行動主義の姿勢に人間理解への「誠実さ」を感じた。
 
それに、人を感動させる音楽だって、突き詰めて考えていくと数字の世界に通じるでしょ?
データと芸術も、相容れないものではない気がする。
 
 
そんな行動主義学派から派生していった心理療法の1つに、「認知行動療法」がある。
 
実際、この認知行動療法は、多くの心理的な問題、例えば、「うつ病」「不安障害」「強迫性障害」「パニック障害」の治療に貢献している。
 
今日紹介する「セルフ・エクスポージャー」は、認知行動療法の中で用いられる技法の1つ。
 
実際は「セルフ・エクスポージャー」ではなく、単に「エクスポージャー」と言うことの方が多いと思う。教科書にも、単に「エクスポージャー」と書いてあった。専門家を通さなくても、自分自身でも出来る、ということを強調するために、僕はあえて「セルフ・エクスポージャー」と記載した。
 
「エクスポージャー」を和訳すると、「暴露」あるいは「暴露療法」になる。
 
何を何に暴露するのか。
 
決して、公衆で裸を暴露するわけじゃないよ。笑
 
 
「自分を、不安を感じる状況に暴露する」
 
これがエクスポージャー(暴露療法)だと、僕は理解している。
 
例えば、
 
人前でスピーチすることに不安を感じる人は、人前に自分を暴露する。
 
潔癖性で少しでも汚ないものを触れない人は、汚ないものに自分を暴露する(つまり、汚ないものを触ってみる)。
 
すると、人間には「不安を感じ続けることができない」という原則があるから、不安を感じる状況に自分をさらし続ければ、徐々に不安が消えていく。
 
上記の事が生活と全く関係ないことであれば、そもそも治療をする必要はない。
 
でも、学校の発表会が嫌で嫌で仕方なくて不登校になってしまったり、不潔への恐怖心が強すぎて、外出することすらままならなくなるようであれば、治療の必要性がありそうでしょ?
 
それくらいのレベルまで悩んでいる場合は専門家に相談する必要があるから、「セルフ・エクスポージャー」とは言わずに、精神科や心療内科を訪問してみるのも1つだと思う。
 
 
今日僕が考えたいのは、自分で克服することができるレベルの不安への対処について。
 
例えば、
 
・恥ずかしがり屋で、人の目を見て話せない。
 
・異性と話すのがちょっと緊張する。
 
・怖くて夜、1人で電気を消して寝れない。
 
など。
 
これらは、「セルフ・エクスポージャー」でも何とかなるかもしれない。
 
僕が思う大事なことは、少しずつ暴露すること。
 
「怖くて夜、1人で電気を消して寝れない」
 
であれば、こんな感じで段階分けする。
 
①電気を消して、「何人かで」寝る。
②電気を点けて、「1人で」寝る。
③電気を消し、テレビを点けて、1人で寝る。
④電気を消し、スタンドを点けて、1人で寝る。
⑤電気を消し、豆電球を点けて、1人で寝る。
⑥部屋を真っ暗にして、音楽をかけて1人で寝る。
⑦部屋を真っ暗にして、1人で寝る。
 
僕は子どもの頃おばけが怖くて、布団にくるまって恐怖に怯えていたことがあった。でも、ある日気づいた。布団から両手両足を出して、大の字になって寝ると、かえって恐怖がおさまることに。
 
また、ジェットコースターに乗る時にうずくまるような姿勢で乗るとかえって恐怖心が増すのに、両手を挙げて乗ると、逆に怖くなくなる。
 
そんな感じの経験、ないですか?
 
それも今思えば、エクスポージャーの原理だったように思える。
 
 
 
今日はとても長くなってしまった>_<
 
でも、これを読んで、何かの参考にしてくれる人がいたら嬉しいです(^O^)/