PSYCHO村上の全然新しくなゐ話

PSYCHO村上の全然新しくなゐ話

発売より時間が経過したアルバム、シングル、DVD、楽曲等にスポットを当て、当時のアーティストを取り巻く環境や、時代背景、今だから見えてくる当時の様子などを交え、作品を再検証。

神飢狼  立川バベル 2025.11.24

ヘヴィ・メタル・バンドの形態をした、劇団、楽団、そしてエンターテイメント集団。ステージの回数を重ねる毎に、神飢狼は独自の個性を確立し、その色合いをますます強くしている。

 

神飢狼のクエスト(ライヴ)は、1本見るだけでもヘヴィ・メタルのショウとして完成されているが、演奏と劇が融合したパフォーマンスが繰り広げられるため、毎回見ることによってストーリーがより明確に楽しめるのだ。

 

例えて言うなら、クエストはドラマの「第〇話」、映画の「パート〇」といったところだろう。立川バベルで開催された今回のクエストは、年内最後のステージ。物語の続きが、ここで披露される事となった。

 

今回のステージにおいて、神飢狼はオープニング・アクトとして出演。イヴェントのトップ・バッターとして17時から出演している。ただ、開演前から既に神飢狼の世界観が場内に構築されていた事を特筆せねばなるまい。

 

通常ライヴハウスでは転換などの待ち時間に、場内BGMが流される。本公演では16時55分頃になると、クエストの開始を告げるナレーションが流れ、神飢狼が何者で、どのような使命を背負った集団なのか、そしてこれまでのストーリーをまとめた内容が語られた。

 

初めて見る方にも判り良い演出と言える。ナレーションが終わると開演時間の17時。キッチリと計算された段取りだ。魔族の方々がステージに登場してスタンバイ。本公演は、ヴァルナ氏とハルカ氏が魔国に帰っているため、5名での出演だ。

 

バンドがイントロダクションを奏でた後、音が止み、マティアス氏が「神飢狼、参上!」と言う。タイトル・コールから「Phantom Phoenix」の演奏がスタート。歌パート前になると春京氏(Vo)が登場した。

 

歌詞のストーリーと音楽に加え、神飢狼のステージではバンドが持ち込んだ幕が後方に設置され、舞台上に旗もある。視覚効果の面でも、その世界観を徹底的に作り込んでいる点を見逃せない。

 

「Phantom Phoenix」のエンディングから音が続き、マティアス氏がメタリックなギター・リフを弾く。始まったのは「リヴァイア」だ。フロアでは頭を振ったり、拳を突き上げる観客の姿が見られた。

 

サビではリズムに合わせて、マティアス氏がギターを、アンサズ氏がベースのネックを振り上げるアクションを見せた。観客とエネルギーをぶつけ合う「ライヴ感」に加え、キッチリと計算された見せ方が融合している。

 

2曲の演奏を終え、場内は暗転。物語の進行を司るナレーションが流れた。ナレーションの後、ステージに登場したリリー氏が続きを述べる。やがて「Wicked soul Eater」のタイトル・コールへ。

 

ギターのディストーション・サウンドと、それに対比するかのようなサンプリングの煌びやかなシンセ音が、闇と光のドラマ性を感じさせる。ドラムとベースの戦闘的なビートになると、春京氏が鬼気迫るヴォーカルを披露。見て聴くだけではない、体験する音楽がここにある。

 

ここで初めて、フリー・トークと呼べるMCが挟まれた。マティアス氏が観客に挨拶。するとリリー氏が「探索していると、これを見つけた」と言い、紙を出す。「2026年2月14日、立川バベル・・・」と読み上げる。

 

次回のクエストの告知だ。物語の進行の中に、次回の告知をサラリと挟む、絶妙なバランスである。リリー氏が「詳細はSNSをチェックしてください」と言い、フロアからは笑いの声が聴かれた。魔族の楽団だけに、SNSという人間的なワードに観客が反応したのだろう。

 

次がラストの曲。マティアス氏が「Fight for freedom」とタイトル・コール。春京氏のクリアなヴォーカルの合間に、アンサズ氏がデス・ヴォイスを発するパートが印象的だ。

 

炎を想起させる真っ赤なライティングの中、マティアス氏がテクニカルなギター・ソロを披露。叩きつけるようにストロングな、メタル・サウンドが立川の夜を熱く燃やし、神飢狼のクエストはエンディングを迎えた。

 

持ち時間の中で、キッチリと起承転結の流れを作り出す構成が、正に神飢狼らしい。クエストの数だけ物語があり、すべてを網羅する事によって、大河の如き魔族の壮大なストーリーを体験できる。次回は2026年2月14日である。

 

セット・リスト

 

SE

①Phantom Phoenix

②リヴァイア

③Wicked soul Eater

④Fight for freedom

 

ビーバイユー 五反田G+ 2025.12.14

・・・続き。

 

ビーバイユー

卒業公演を締め括るのは、綿谷氏が最後のアイドル人生を捧げたビーバイユーのステージ。気品溢れるピアノの音色がフロアに流れ、メンバー4人が順に登場。定位置でポーズを決める。

 

オープニング・ナンバー「僕の好きな季節に、たしかに君はいた」、続く「アナウメモンダイ」は、ビーバイユーの持つ楽曲と表現力の幅広さを感じさせる2曲だった。特に「アナウメモンダイ」は、綿谷氏が多くのヴォーカル・パートを担当しているため、この日は様々な想いが交差する1曲となったに違いない。

 

ロック・テイストな「探しものは見つかりましたか?」を歌い終え、挨拶MC。研修生の小町遥佳氏を筆頭に、綿谷氏、満月咲莉花氏、日向ゆまる氏の順で自己紹介を行った。対バン・ライヴと同じく、各人のキャッチ・フレーズと合わせて自己紹介を行うのは、王道であり基本に忠実な進行と言える。

 

既に告知されていたように、永久つむぎ氏は学業の都合で本公演はお休み。綿谷氏と永久氏が顔を合わせたのは、11日の渋谷DAIAがラスト・ライヴに。

 

MC終盤でメンバー3人が去り、綿谷氏のみがステージに残る。ここからは綿谷氏のソロ・コーナー。松田聖子氏の「SWEET MEMORIES」をカヴァーした。スタンディング・フロアであるが、観客は座って、じっくりと歌を聴き、綿谷氏の動きを見る。

 

次の「オレンジデイズ」では、綿谷氏がワン・コーラス歌った後、満月氏が登場。そこから諸星氏が合流。現在も活動する初期メンバー3人をフィーチュアして、歌が披露された。

 

諸星氏は紫のサイリュウムを持っており、永久氏もここにいるという粋な計らいが。間奏で、綿谷氏が両名に感謝の言葉を述べると、満月氏と諸星氏は涙で歌えなくなる場面も見られた。

 

曲が終わると、再び綿谷氏のみがステージに残る。アイドル活動を始めた頃から、現在までを振り返り、様々な想いを馳せる。中でも親孝行に関する話をしながら、涙する綿谷氏の姿がフロアの涙を誘う。

残るメンバーが再登場し「…ByMe」「初恋の8分音符」「ただ、青」を連続で披露。新たな道に進む綿谷氏、今後は更にビーバイユーの中心的存在になるであろう満月氏と永久氏、グループが変化する時期を見てきた日向氏、そして未来の鍵を握る小町氏と、ライヴが終盤になるに従い、ビーバイユーを構成するメンバーの今が明確になった気がする。

 

大盛況のうちに本編が終了するも、アンコールが沸き起こり演目再開。まずは「楽しみ方ダイバーシティ」を歌う、本当のラストは、誰にとっても思い出深い「きゅるるん☆と」。アイドル 綿谷湊氏の歩みは「きゅるるん☆と」に始まり「きゅるるん☆と」で幕を下ろした。

 

綿谷氏が6年間で築いて来たものを「今」という時間の中で披露する。懐かしさと新しさが交差する、情報量の多い演目だった。そして何より、ステージを降りる綿谷氏の姿は、アイドルとしての使命を全うしたからこその、特別な美しさがあった。

 

ステージを去ってもファンがいる限り、綿谷湊氏は存在し輝き続ける。また、いつの日か・・・。

 

セット・リスト

SE

①僕の好きな季節に、たしかに君はいた

②アナウメモンダイ

③探しものは見つかりましたか?

④SWEET MEMORIES

⑤オレンジデイズ

⑥…ByMe

⑦初恋の8分音符

⑧ただ、青

 

アンコール

・楽しみ方ダイバーシティ

・きゅるるん☆と

 

 

 

 

 

 

 

ビーバイユー 五反田G+ 2025.12.14

2023年7月2日、「ビーバイユーに最後のアイドル人生を捧げる」という言葉と共に、綿谷湊氏はデビュー・ライヴのステージに立った。

 

そこから2年5ヶ月、すべてのキャリアを含めると6年間、アイドルとして走り続けた綿谷湊氏が辿り着いた場所。そこは一面が光り輝くグリーンで染まった、美しい空間だった。

 

本公演の前日(13日)に表参道WALL&WALLで行われたライヴは、綿谷氏が在籍するビーバイユーとしては最後の対バン・イヴェントの出演となった。30分の持ち時間の中で披露された楽曲は、それぞれの時代の色合いを内包し、綿谷氏の歩んだ道、ビーバイユーのキャリアを改めて振り返る機会となったのは間違いない。

 

そして迎えた卒業当日。本公演は、ビーバイユーとしてのステージのみならず、綿谷氏のアイドル人生の集大成と言える演目を含めた、特別な構成で行われている。会場は、五反田G+。午前10時30分の開演という早い時間ながら、フロアは満員だった。

 

本公演は大きく分けると、2つのブロックで構成されている。前半は綿谷氏と縁の深いアイドルが出演し、ライヴ・パフォーマンスを通して綿谷氏の活動を統括するコーナー。後半は、ビーバイユーとしてのライヴである。まずは前半の模様から書きたい。

 

ミナトメア

最初の出演は、綿谷氏と諸星めあ氏のユニット ミナトメア。ご承知のように、現在の諸星氏はヒップバーンのメンバーであるが、ビーバイユー在籍時に派生ユニットとして活動していたのがミナトメアだ。

 

2人が登場し「Deep Red Destiney」でライヴがスタート。諸星氏は久々にビーバイユー時代の衣装を着ての出演だ。「Deep Red Destiney」は、ビーバイユーの初期の楽曲であり、中盤で向かい合って歌詞の世界観を表現する、綿谷氏と諸星氏の姿が印象的な楽曲。これを全編に渡って2人だけでパフォーマンスするのはレアだ。

 

次に歌った「RxxxY」は、ヒップバーンの曲。綿谷氏がヒップバーンの曲を歌い、パフォーマンスする姿は、これまたレアである。

 

2曲歌って挨拶MC。ビーバイユーが9人でデビューした頃、綿谷氏と諸星氏は別の派閥に属しており、「ここまで仲良く、信頼できる関係になるとは思ってもいなかった」と興味深い話も飛び出した。

 

お馴染みのカヴァー曲「夜明けBRAND NEW DAYS」で、ミナトメアのライヴは締め括られた。

 

セット・リスト

①Deep Red Destiney

②RxxxY

③夜明けBRAND NEW DAYS

 

綿谷湊×結城彩世×水野りお

コラボ・ステージの第一弾は、綿谷氏がアイドル人生をスタートさせたLoVEGReeN時代のメンバー 結城氏と水野氏とのパフォーマンス。

 

同じ楽曲のイントロが数回流れては消えるパプニングを経て、メンバーが登場。音響トラブルか、または出演者とPAエンジニアのタイミングが嚙み合わなかったのか。何れにしても、以降はスムーズに進行している。

 

アップテンポなナンバー「LOVE」によって始まり、フロアは一気に活気づいた。3人とも、ビーバイユーの初期衣装を着ての出演だ。歌い終え「元LoVEGReeNです」と挨拶して、自己紹介へ。

 

衣装についてはLoVEGReeN時代の担当カラーに近い衣装を選んだとの事。結城氏は赤に近い満月咲莉花氏のピンクの初期衣装、紫の水野氏は永久つむぎ氏の初期衣装、そして元オレンジ担当の綿谷氏は、かつて愛洲零氏が着ていた衣装を着用。

 

水野氏が「中学生の子が着ていた衣装なのでサイズが・・・」と言って、フロアの笑いを誘う。「Prayer」「わがまま白書」と、当時を知るファンにとっては涙モノであろう楽曲を披露し、大盛況のうちに元LoVEGReeNのライヴは終了した。

 

セット・リスト

①LOVE

②Prayer

③わがまま白書

 

綿谷湊×うりぼ×葉月美羽×晴川こころ

告知された時点で大きな話題を呼んだのが、この4人によるコラボ・ステージだ。この演目が始まる前に、受付から人がどんどん入場し、恐らく15人はフロアに増えたと見受けられた。

 

このコーナーで出演するのは、Sparkly Mintsの葉月氏と晴川氏、éclatciaのうりぼ氏、そして綿谷氏、現在はそれぞれのグループで活動している4人であるが、源流を遡れば、令名の和歌のオーディションが出会いらしい。

 

この4人が同じステージに立ってパフォーマンスを披露する事自体が貴重であるが、更に令名の和歌の衣装を着ての出演という、あらゆる点で情報量の多い演目となった。考えてみれば、転換時間を挟まずライヴが続いているので、バック・ステージの綿谷氏は衣装替えで忙しいに違いない。

 

1曲目から、観客に強烈なパンチを食らわせる「OIDEMASE!!~極楽~」を配置し、フロアは爆発するように凄まじい盛り上がりを見せた。

 

MCでは、4人が出会った経緯を振り返る。令名の和歌のオーディションの時代は、晴川氏が綿谷氏のダンス講師だったとは驚きの事実だ。ステージ上に4人が並んでおり、葉月氏と晴川氏は「令名の和歌になった2人」、うりぼ氏と綿谷氏は「令名の和歌になれなかった2人」という説明に、フロアから笑いがあった。

 

続くは、その令名の和歌の楽曲。数ある曲の中から何が選ばれるのか興味深いところであるが、タイトル・コールから始まったのは「航海日誌」であった。最初期の楽曲であるため、もしかすると うりぼ氏と綿谷氏もレッスンした1曲なのかも知れない。

 

間奏で うりぼ氏が「シャッター・チャンス!」と述べ、4人が右から中央、そして左へと移動しポーズを決める。フロアではカメラやスマートフォンと掲げて写真撮影するファンの姿が見られた。

 

ラストは、令名の和歌の中でも特別な楽曲「ヒカリノムコウ」。綿谷氏の卒業公演で歌われる事によって、歌詞が新たな意味合いを持つヴァージョンとなった。尚、綿谷氏は、かつて佐倉風夏氏が着ていた衣装でパフォーマンスしている。グリーンつながりであろう。

 

セット・リスト

①OIDEMASE!!~極楽~

②航海日誌

③ヒカリノムコウ

 

続く・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

聖飢魔Ⅱ 地球デビュー40周年記念 期間限定再集結大黒ミサツアー「THE END OF SEASON ONE」FINAL さいたまスーパーアリーナ 2025.11.30

・・・続き。

 

アナウンスに従い、客席ではスマートフォンのライトが点く。数万人を収容するアリーナで見る、この光景は幻想的で美しい。35++周年のファイナルでも同様の演出があり、その際は「WHAT’S HAPPENING?」が演奏されたが、今回はどのような展開になるのだろうか。

 

信者が固唾を飲んで見守る中、カミソリ・シュート氏が弾くピアノの伴奏が場内を包み込んだ。「BAD AGAIN~美しき反逆~」だ。デーモン閣下が花道の先端に登場し、歌を披露。広いアリーナとは言え、ピアノ伴奏だけをバックに歌うパートでは、花道に近い観客はデーモン閣下の生声が聴こえたに違いない。

 

本曲はツアーのレギュラー・メニューにも入っていたが、本編の中盤で演奏されており、アンコールの位置に移動したのはファイナルの大阪と埼玉の2公演のみ。また、曲の位置だけでなく、花道で歌うデーモン閣下、スマートフォンのライトが作り上げる幻想的な空間と、あらゆる意味で特別感のある「BAD AGAIN~美しき反逆~」となった。

 

間奏部分からバンドの音が入り、カミソリ・シュート氏がシンフォニックなメロディを弾く。ギター・ソロはオリジナル通り、ルーク参謀が担当した。ギター・ソロから最後のサビの繰り返し、そしてアウトロのピアノ演奏。すべてがドラマティックであった。

 

エンディングでステージ上のスクリーンに、火の鳥が大空に飛び立つイメージ映像が映し出された。歌詞から推測すると、これは火の鳥ではなく不死鳥かも知れない。最後の1音が終わると、大きな拍手が沸き起こった。

 

そのムードを一転させるように、吹きすさぶ風の音が聴こえる。妖しいアルペジオが鳴り、デーモン閣下が「悪魔の森の奥深く・・・」と語り始めた。曲は、もちろん「蠟人形の館」だ。

 

「少女の悲鳴にも似た叫び声が聴こえるとか」と言えば、客席の少女がキャ~ッ!と悲鳴を上げる。「団塊の世代以下の少女の叫び声が聴こえるとか・・・」と、いつものように笑いも交えながら進行。

 

放送枠を気にしているのか、このイニシエーションは割とテキパキ進行し「お前も蠟人形にしてやろうか!」の決め台詞から演奏がスタート。ルーク参謀がイントロのギター・リフを弾く。

 

デーモン閣下は「手足も口も動かぬままに」の歌詞で蠟人形のように固まり、「窓に映る殺人儀式」ではパントマイムを交えて歌う。伝統的なパフォーマンスがキッチリ再現されているのも見逃せない。ラララのパートは、過去最大規模の1万5000人の合唱が響き渡り、曲はエンディングを迎えた。

 

デーモン閣下が「もっと諸君の声が聴きたい」と言い、客席を半分に分けて別々のメロディを歌うコーナーに。ジェイル代官組とルーク参謀組に分かれ「悪魔組曲 作品666番変ニ短調」冒頭のメロディを歌い、最後にハーモニーとなった。

 

更に今回は、歌詞が「ア」ではなく「さいたま」と歌うように指示が。ツアー本編に参加された方はご存じと思うが、演奏されるのは「悪魔組曲」の冒頭のみで、そこから「EL.DORADO」に続くアレンジとなっている。

 

故に、デーモン閣下も「悪魔組曲」ではなく「聖飢魔Ⅱと歌おう変ニ短調」と言って演奏に入った。「さいたま いぇ~い!」と締め括り、そのまま「EL.DORADO」に突入。タイトル通りの黄金郷を想起させる、黄色の照明がステージを照らす。古くから、本曲の入りの部分は、この照明と決まっている。

 

今期「EL.DORADO」で、リード・ギターを担うのがRENO氏。間奏のギター・ソロの他、ラストのサビの繰り返しのバックで聴ける速弾フレーズも、信者が思い描く通りの形で再現した。やはり「EL.DORADO」は、聖飢魔Ⅱの歴史の中でも重要な節目に登場する事が多いので、厳粛な空気が構築されていると感じた。

 

デーモン閣下が「諸君にとって嫌な時間がやって来る」というコメントを。いよいよ構成員の地獄への帰還が迫っているという意味だろう。「40周年は終わり、ツアーも終わるが・・・」という話から「解散しない!」と宣言し、予想外の展開に場内から割れんばかりの拍手と歓声が上がった。

 

「諸君も知っているように我々の身体はボロボロだ。5年も待っていられない!」「200曲を目指したい」と、今後の活動に関する前向きなコメントが多数飛び出した。ただし活動期間は決まっておらず「取り敢えず1年ぐらい」らしい。

 

ラストは「WINNER!」。信者が歓喜の拳を突き上げながら盛り上がる。「ショーケースの中で踊らされたマリオネット」の歌詞の後、デーモン閣下とルーク参謀が横並びで足を蹴り上げる動きを見せる。ギター・ソロを弾くのは、オリジナル通りのルーク参謀。最後にバンドの音が拡張され、デーモン閣下が花道まで歩み出る。ステージと客席が照らされ、見える一体感が美しい。

 

「GO AHEAD!」のシンフォニック・ヴァージョンが流れ、構成員が観客に手を振る。30周年のファイナル「地獄の再審請求 上告」にて、構成員が去る際に流れていた音楽だ。

 

デーモン閣下が口に含んだ水を、客席に向かって噴き出すが、ステージから客席まで結構な距離があり、舞台前の照明設置スペースまで歩み出て水を噴いていた。これもアリーナ級の会場だからこその距離の遠さである。

 

本公演は、驚くべきエンディングが用意されていた。シンフォニック・アレンジの「GO AHEAD!」が流れ、構成員が花道で手を振っている間、メイン・ステージでは大勢のスタッフが現れ、忙しくセット・チェンジを行っていた。

 

やがてBGMが「Season Ⅱのテーマ」に切り替わると、マーチング・バンドがメイン・ステージに登場。最初はスタジオ音源が流されていた「Season Ⅱのテーマ」が、生演奏に切り替わった。この音圧と迫力が凄まじい。

 

ミサ開始時に構成員が登場したステージ中央に、眩い光りとスモークが立ち込める。花道でデーモン閣下が「Season Ⅱのテーマ」に合わせ、「フレー、フレー、和尚」「フレー、フレー、代官」といった感じに歌い、構成員が1名ずつ光の中に消えて行った。

 

最後にデーモン閣下が礼をして、煙の中に去る。構成員が去った後「Season Ⅱのテーマ」を演奏しながら、マーチング・バンドは行進してステージを去り、曲を締め括った。

 

後のエンドロールで判るが、今回登場したのは早稲田大学のマーチング・バンドらしい。聖飢魔Ⅱと早稲田大学。40年以上経っても続く縁が素晴らしい。

 

全演目が終わり、場内が暗転。左右の大型スクリーンにエンドロールが映し出され、最後に「Season Ⅱでまた会おう!」という文字が映し出され「THE END OF SEASON ONE」は幕を下ろした。

 

セット・リスト

 

SE(映画「三大怪獣 地球最大の決戦」メイン・テーマ)

①創世紀

②LOVE LETTER FROM A DEAD END

③MASQUERADE

④アダムの林檎

⑤STANLESS NIGHT

⑥メドレー(満月の夜→真昼の月~MOON AT MID DAY~→空の雫→闘う日本人→世界一のくちづけを)

⑦Kiss U Dead Or Alive

⑧有害ロック

⑨老害ロック

⑩NEXT IS THE BEST!

⑪BRAND NEW SONG

⑫FIRE AFTER FIRE

 

アンコール

・BAD AGAIN~美しき反逆~

・蠟人形の館

・悪魔組曲より序曲

・EL.DORADO

・WINNER!

Outro(Season Ⅱのテーマ)

 

 

 

 

 

 

 

聖飢魔Ⅱ 地球デビュー40周年記念 期間限定再集結大黒ミサツアー「THE END OF SEASON ONE」FINAL さいたまスーパーアリーナ 2025.11.30

・・・続き。

 

「有害ロック」のエンディングからギターのフィードバックが続き、カウントから「老害ロック」に突入。重量級のヘヴィなギター・リフが響き渡る。見方によっては、ハードロック/ヘヴィ・メタルにおける1990年と2025年の音作りの違いが判って面白い。

 

客席では有害アレイを仕舞い、銀色の老害アレイに持ち替える信者の姿が多くあった。デーモン閣下は歌いながらジェイル代官と向き合い、部分的にギターの弦を触ったり、ネックをつついてノイズを発する段取りに。これはツアーを通して行われている。

 

音作りはヘヴィでありながら、曲は軽快な3連符。観客はサビで拳や老害アレイを突き上げながら盛り上がっていた。最後にデーモン閣下が花道の先端まで移動し「かつての聖飢魔Ⅱはアイドルだった」という話を始める。

 

暫く経過した頃「お~い!そこの老害!話が長い」との声。この声はカミソリ・シュート氏だ。場内から笑い声が聴こえる。カミソリ・シュート氏の声をきっかけに、デーモン閣下が「老害ロック」最後のフレーズを歌い、演奏が終了。

 

次のトーク・コーナーでは、デーモン閣下によって今後を示唆するコメントがあった。「聖飢魔Ⅱのオリジナル曲は190曲。それを200に・・・」と言うと、場内から歓声があった。しかしながら、この時はそれ以上のコメントはなく、「ツアーが楽しかった」という話に移行した。

 

準備が整いラスト・スパートへ。「NEXT IS THE BEST!」冒頭部分のサンプリングが流れ、デーモン閣下が強力なシャウトを披露。

 

生演奏に突入すると、フロントの3名は激しく動き回りながら歌と演奏を繰り広げる。ジェイル代官のギター・ソロから、ルーク参謀のギター・ソロ、そこからツイン・ギターのハーモニーに流れ込む展開がスリリングだ。

 

尚「NEXT IS THE BEST!」は、8月に横浜のKアリーナで開催されたBABYMETALとの対バン公演「悪魔が来たりてベビメタる」で初演奏されており、「THE END OF SEASON ONE」ツアー本編のメニューには含まれていなかった。ゆえに「THE END OF SEASON ONE」内で演奏されたのは、大阪城ホールと さいたまスーパーアリーナのみという事になる。

 

暗転した場内に、美しいアルペジオの音色が響き渡り、ルーク参謀にライトが当たる。曲は「BRAND NEW SONG」である。これまではルーク参謀がクリーン・トーンでアルペジオを弾き、そこからディストーションをかけたフレーズを弾いていたが、今期はそのフレーズを弾くのはRENO氏。ルーク参謀は、アルペジオを弾き続ける割り振りに。

 

ライデン殿下が疾走リズムを叩き始めると、場内は熱い盛り上がりを見せる。ギター・ソロを担当するのはRENO氏。ルーク参謀のフレーズを完コピしつつも、ピッキングのニュアンスやタイム感はRENO氏のカラーが添加されている。これが40周年の今を感じさせる。

 

また、いつの時代も「BRAND NEW SONG」は、サビにおける観客の手の振りと、その一体感が美しい。今回もラストのサビの繰り返しでは、客席が明るく照らされ、1万5000人の一体感がそこにあった。

 

本編最後は名曲「FIRE AFTER FIRE」。レッドの照明が当たる中、ジェイル代官がお馴染みの解放弦を多用したギター・リフを弾く。レッドの照明に加え、スクリーンにも炎が映り、歌詞の世界観を立体的に感じさせる空間がそこに存在していた。

 

ジェイル代官が間奏のソロを弾く中、デーモン閣下とルーク参謀がアクションを決める。腕を振り回すと負担がかかるのか、さすがに昔のような振り回しは見られなかったものの、両名が揃って腕を高く突き上げていた。

 

本編が終了し、構成員は楽器を下ろしてステージを去る。場内は一旦、暗転した。以降はアンコールであるが、インターヴァルの間も観客を楽しませる・・・と言うか、かなセル映像が用意されていた。

 

ステージ向かって左右のスクリーンに、今回の40周年ツアーの各公演を追った映像が放映された。先日の大阪城ホールでの映像もあったので、これは 埼玉用、即ちファイナル用に編集された映像に違いない。

 

VTR放映時に流れる音楽が、「永遠の詩-A Song Of The Deceased-」のシンフォニック・アレンジ・ヴァージョン。これは35++周年の国立競技場第一体育館でのミサで、構成員が去って行くラスト・シーンで流れていた曲だ。それも加わって、信者の涙を誘う。

 

 

放映が終わると、ここからの演目に関する告知が。次の1曲のみ、携帯電話のライトを店頭する曲を許可しますとの内容だった。子どもの声、女性の声、そしてテープの回転数を落とした時のような声と、様々な声色で告知された。これはすべて機械の声だろうか。

 

続く・・・。