PSYCHO村上の全然新しくなゐ話

PSYCHO村上の全然新しくなゐ話

発売より時間が経過したアルバム、シングル、DVD、楽曲等にスポットを当て、当時のアーティストを取り巻く環境や、時代背景、今だから見えてくる当時の様子などを交え、作品を再検証。

ハロウィン  東京ガーデンシアター 2026.5.9

・・・続き。

 

キスクと入れ替わる形で、アンディが登場。次に演奏する曲について「俺のフェイヴァリット・ソングだ!」と言い、作曲した人物として「マーカス・グロスコフ!」と紹介。マーカスに照明が当たり、拍手が送られる。

 

タイトル・コールから始まったのは「ヘル・ワズ・メイド・イン・ヘヴン」である。実は2005年から2006年にかけた「守護神伝-新章-」ツアーでも、アンディは同様の曲紹介を行っているので、思い入れの強い1曲なのだろう。

 

イントロでダニが叩く怒涛のフレーズは、視覚聴覚ともに圧巻。曲の構成自体に変更は無いものの、カイを含むトリプル・ギター編成で演奏する分、ギター・パートに幾つかのアレンジが施されている。

 

まずは、イントロ部分。サシャとヴァイキーがスタジオ盤と同様のリフを弾く中、カイが低音弦を中心としたメロディを被せている。また、間奏においてサシャのギター・ソロがあり、次のヴァイキーのソロに入るまでの間、パワー・コードでリズムが刻まれるが、本ツアーでは同パートでカイのギター・ソロがある。

 

更に細かい部分を追求すると「守護神伝-新章-」ツアーでは、ツイン・ギターのパートで最後の数小節のみサシャがバッキングに廻り、メロディを弾くのはヴァイキーの音1本のみになっていたが、今回はカイがバッキングを弾く分、ツイン・ギターのパートは最後までキッチリとハーモニーがあった。

 

以上のように、バンドの「今」を強く反映したヴァージョンでありつつ、アップテンポ且つメタリックな楽曲に、場内は大いに盛り上がった。

 

曲が終わると、舞台中央のドラム台にスポット・ライトが当たり、ダニが派手なフレーズを叩く。ここからはドラム・ソロのコーナーだ。手数の多い技巧派のプレイから、観客に声出しを促すための判りやすいフレーズまで、幅広いプレイを聴かせた。

 

バスドラが4個というセッティングもインパクト大である。実際、どのように使い分けるのか詳細が判らなくとも、とにかく凄そうだ!という効果を生み出している。

 

ダニは随所で「トーキョー!」と叫びながらドラムを叩く。恐らくダニ用のヴォーカル・マイクは無いはずなので、8000人を収容するホールに響き渡るダニの生声は相当な声量と言える。

 

カウントから「アイ・ウォント・アウト」を開始し、フロントにメンバー全員が再登場。古くからの人気曲であるため、イントロで大きな歓声が上がっている。スクリーンには、同曲のシングル盤のジャケットに登場するカボチャを筆頭に、様々なカボチャが映し出され、ステージを華やかに彩った。

 

ここ数回のツアーでは、間奏後に観客が「I Want Out!」と叫ぶ、コール&レスポンスのコーナーが設けられていたが、今ツアーではスタジオ盤と同じく、ギター・ソロの後はサビに戻る。ある意味、シンプルな印象を与えるアレンジでエンディングへ。

 

暗転した場内。暗い中、スタッフが花道前方に椅子をセットする様子が見えた。その後、アンディとキスクが登場。ここからは2人によるアコースティック・コーナーである。キスクが「アンディ・デリス!」と紹介。それに対し、キスクは「マイケル・プレスリー!」と紹介され、場内から笑いと拍手があった。

 

アコースティック・ギターを持ったキスクが、弾きながら歌い始めた。曲はビートルズの「レット・イット・ビー」だ。ただし、これはノリというか、お遊びでプレイした曲と思われる。尚、翌10日のライヴでは「ピンク・バブルズ・ゴー・エイプ」をプレイ。

 

すぐさま、キスクが「ハートビート」のアルペジオを爪弾く。場内はスマートフォンのライトが灯り、美しく幻想的な空間が生まれた。キスクの伴奏をバックに、アンディが歌う。サビでは観客に歌うように促していた。

 

アンディらしいメロディと曲調の本曲を、キスクの演奏で歌う。ハロウィンの歴史を統括した、現編成だからこそ見られる光景であるのは間違いない。アンディが切々と歌い上げ、大きな拍手と共に終了。

 

キスクが弾いていたアコギをアンディが受け取り、今度はアンディの演奏でキスクが歌う。物哀しいマイナー・コードが場内に響く。始まったのは「テイル・ザット・ウォズン

ト・ライト」である。「スマートフォンのライトを照らしてくれ」とキスクが言い、場内は光が揺らめく幻想的な空間となった。

 

以前のツアーでも取り上げられている本曲であるが、本ツアーではアコースティック・アレンジでワン・コーラス歌った後、バンド演奏が入り、エレクトリック・ヴァージョンに繋がる構成に。1番のサビを歌い終える頃、ステージにはヴァイキーが登場。キスクが「マイケル・ヴァイカート!」と紹介し、泣きのギター・ソロに突入する段取りである。

 

演奏を終えると、アンディとキスクは花道からメイン・ステージに戻る。アンディが話している間に、スタッフがアコースティック・セットを撤収。

 

アンディが「次が今夜最後の曲だ」と言い、客席からは惜しむ声が上がる。その後「新作から演奏する最後の曲だ!」と続け、客席からは拍手と笑いが。タイトル・コールからスタートしたのが「ア・リトル・イズ・ア・リトル・トゥ・マッチ」である。

 

後方のスクリーンには、アルバム「ジャイアンツ&モンスターズ」のジャケットが全面に映し出され、今のハロウィンの存分に感じる演目となった。アンディとキスクが向かい合って、それぞれのパートを歌う。サシャのギター・ソロも素晴らしかった。

 

暗転した場内に、ダニが踏むバスドラのリズムが響く。観客は手拍子を打ち、ステージ中央に立つカイが観客を煽った。カイがメロディを歌い、観客が続けて同じメロディを歌う。

 

カイが「ダニ!」と合図を送った後、ダニが怒涛のタム回しを披露。これは「ヘヴィ・メタル(イズ・ザ・ロウ)」の冒頭部分である。疾走リズムを叩き、カイとヴァイキーがリフを刻む。少し遅れてサシャも登場した。

 

初期ハロウィンを象徴するように、パワーとスピードで攻め立てる本曲。客席では多くのファンが拳を突き上げ、凄まじい盛り上がりとなっている。間奏では、カイとヴァイキーが花道まで歩み出て、ツイン・ギターを披露している。

 

ソロの後は、マーカスのベースをバックに、カイが「Heavy Metal!」と叫び、観客も同じく「Heavy Metal!」と叫ぶ。正にヘヴィ・メタル、鋼鉄の如き硬さと鋭さ、シャープさを持ちながら曲は終了した。

 

続く・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

ハロウィン  東京ガーデンシアター 2026.5.9

・・・続き。

 

ここからの選曲が凄い。「ディス・イズ・トーキョー」が終わると、場内に奇妙な口笛の事が響き、コミカルなメロディが流れた。アルバム「タイム・オブ・ジ・オウス」(1996年)の冒頭部分だ。

 

始まった曲は、もちろん「ウィ・バーン」である。これが日本で演奏されるのは10年ぶりであろう。2016年9月に行われた「マイ・ゴッド・イヴン・ライト」日本ツアーの最終日、新木場スタジオコーストのライヴのみ、1曲目として「ウィ・バーン」がプレイされている。それ以来だ。

 

キスクは一旦退席し、本曲はアンディが歌う。特筆すべきはサビで、「We Burn!」という歌唱に合わせて、ステージ後方から無数の火柱が何度も上がった。歌詞の如く、本当に燃えているのだ。凄まじい炎であり、アリーナ席は火が上がる度に熱を感じるほど。

 

ヴァイキーがギター・ソロを弾き、後半はサシャが担当。フラッシーなギター・ソロを披露した。カイはバッキングに徹している。エンディングのサビの繰り返しでは、何度も火柱が上がり、本当の意味で熱い盛り上がりを見せた。

 

今度はアンディが退席し、キスクと入れ替わる。キスクが次に演奏すると曲について話し始めた。タイトル・コールから「トワイライト・オブ・ザ・ゴッズ」を開始。ダニが疾走リズムを叩き、カイが印象的なメロディを弾く。

 

スタジオ盤では、歌い出しに「Insania 20 14」というフレーズがあるが、その音声は入っておらず、キスクはヴォーカル・パートから歌い始めた。ハイ・トーンを多用するメロディを、完璧に歌い上げて行くキスクの力量を再認識する場面が何度もあった。

 

マーカス・グロスコフ(b)は、ステージを走り回りながらアグレッシヴなパフォーマンスを見せる。ステージ向かって左寄りがマーカスの定位置であるものの、コーラスでマイクスタンドの前に立つ以外は、常に動き回っているのが印象的だ。

 

サビではオーディエンスの大合唱を誘う。キスクが歌い、カイがコーラスを担当する本曲は、間違いなく「守護神伝-第一章-」(1987年)の時代の色合いが蘇る。間奏では、ヴァイキーとカイがツイン・ギターのハーモニーを奏で、サシャはバッキングに徹する。

 

本曲では、スクリーンにゲーム・センターを連想する映像が流れ、曲がエンディングを迎えると「GAME OVER」と表示され終了。場内が暗転し、再びスクリーンに守護神が現れた。語りを行った後、次の曲のタイトルを告げると大きな歓声があった。「ライド・ザ・スカイ」だ。

 

ステージ中央に立つカイがメタリックなリフを弾き、ダニがシンバルでアクセントを付ける。リズムが疾走すると、カイがお馴染みのシャウトを聴かせた。スクリーンには、アルバム「ウォールズ・オブ・ジェリコ」(1986年)のジャケットに描かれた怪物が登場。演奏中は、ずっと怪物の顔が揺らめいている。

 

ストロングなメタル・サウンドに、客席では拳を突き上げヘッドバンギングするファンの姿が多く見られた。サビでは「Ride The Sky!」の大合唱だ。この名曲でツイン・ギターを弾くカイとヴァイキーの姿を見ると、メタルの歴史を作った偉大なギタリストである事実を再認識する。

 

怒涛の「ライド・ザ・スカイ」が終わると、キスクがしっとりと歌いながらステージに再登場。最新作「ジャイアンツ&モンスターズ」からのバラード「イントゥ・ザ・サン」である。続いて、アンディも登場。

 

ステージの床にはスモークが流れ込み、それをオレンジのライトが照らす。何とも幻想的な光景だ。ピアノ伴奏のパートはサンプリングを使用しており、サビからバンドの生演奏が重なる。スクリーンには巨大な太陽がイメージ映像として写された。

 

先ほどの「ライド・ザ・スカイ」で全力を出し切ったカイは、本曲ではお休み。残る6人のプレイヤーで演奏されている。

 

サシャによる泣きのギター・ソロ、それにハーモニーを付けるのはヴァイキー。エモーショナルな空気が充満する中、アンディとキスクが締めのパートを歌いエンディングを迎えている。

 

アンディがステージに残り「1998年の「ベター・ザン・ロウ」からの曲だ!」と言う。シンフォニックなメロディが流れ、サシャが重厚なギター・リフを重ねる。始まったのは「ヘイ・ロード!」であった。

 

これが演奏されるのも久々。少なくとも日本では「ラビット・ドント・カム・イージー」発表後に行われた、2004年2月の日本公演以来と思う。スクリーンに映し出されたのは、籠に入れられたカボチャ、釜で煮られるカボチャのアニメーション。アルバム「ベター・ザン・ロウ」のジャケット・デザインをイメージしているはず。

 

ハロウィンの中でもアンディ節が炸裂する本曲。サビでは「Hey Lord!Hey Lord!」の大合唱が沸き起こった。間奏後には、コール&レスポンス的なパートが設けられ、アンディが先導して観客がサビを歌う。

 

尚、「ヘイ・ロード!」からカイが戻り、再びギターは3人体制で演奏されている事を付け加えておきたい。サシャとヴァイキーが花道で演奏する中、本曲に関しては後方でバッキングに徹していたカイであった。

 

演奏を終えるとアンディが退席し、次はキスクのヴォーカルをフィーチュアした楽曲へ。サシャがアルペジオを弾き、キスクが歌いながら登場。披露されたのは、最新作に収録された「ユニヴァース(グラヴィティ・フォー・ハーツ)」だ。

 

ダニがファストなリズムを叩き、ギタリスト3人もメタリックなリフを高速で弾く。ファンは新作を聴き込んでいるようで、キスクがサビでマイクを向けると、観客は一緒に歌っている。

 

新作からの曲という事もあってか、スクリーンには宇宙の映像と共に、歌詞が表示されていた。サンプリングも重要な役割を果たしており、中盤のセリフはスタジオ音源で聴けるものが、そのまま流され、再現されている。

 

起伏に富んだ展開を経て演奏は進み、最後は再びサシャが弾く歪んだアルペジオで締めくくられた。最後の1音を弾き下ろすと、客席からは大きな拍手と歓声が上がっている。

 

続く・・・。

 

 

 

 

 

 

 

シン忍者クライシス  渋谷チェルシーホテル 2026.5.15

フレッシュな空気の中に、明確な個性と未来に向けられたエネルギーが突き抜けるデビュー・ライヴであった。この「シン忍者クライシ」なるグループが、今後、アイドル・シーンの中で、どのような立ち位置を築き、どのようにシーンを切り開いて行くのか興味深い。

 

2026年5月15日、渋谷チェルシーホテルのステージでデビューを飾ったシン忍者クライシスは、結水りお氏、真嶋あや氏、花里彩凪氏、新城愛華氏、新木ひな氏、新木美衣氏で構成された6人編成のグループ。皆、今回のデビューが最初のアイドル活動になるらしい。

 

SNSを駆使した告知はもちろん、メンバーが街頭でチラシを配布するという地道な広報活動を経て、本ステージに辿り着いたようだ。この記念すべきデビュー・ライヴは、何と入場無料(ドリンク代のみ必要)。

 

ライヴハウスを借りている点を踏まえると、大盤振る舞いの大サーヴィスと言える。当日のスタンディング・フロアは、結構な人数で賑わっていた。19時のスタートを前に、プロデューサーの高田メタル氏が登場し、観客に挨拶と盛り上げる煽りを行った。

 

定刻になり暗転。SEとして流れたのは少年隊の「仮面舞踏会」だった。これをバックにメンバーが順に舞台上に姿を見せた。アーティスト写真でも見られる、忍者をモチーフにした衣装である。

 

1曲目は、先代・忍者クライシスの楽曲「疾きこと風の如し」。アップテンポな曲調に、フロアは大いに盛り上がる。単刀直入に言うと、初々しいパフォーマンスだった。これまでリハーサルを積み重ね、仕上げて来たものをキッチリと再現したと表現すべきか。

 

しかしながら、ライヴを全力で楽しみ、この瞬間にすべてを懸けるメンバーの意気込みを感じるパフォーマンスだったのは間違いない。間奏では、メンバーが素早くシャンプし、忍者を想起させる機敏な動きを見せる。

 

歌い終えると、メンバーが「初めまして!」と観客に挨拶。花里氏、新城氏、新木美衣氏、結水氏、真嶋氏、新木ひな氏の順で自己紹介を行った。次の楽曲についてMAYKIDZのカヴァーであると紹介。

 

「Stars」のタイトル・コールを行うも、メンバーは挨拶を行った横一列並びの立ち位置から移動するタイミングを掴めず(?)、「さあ、移動しましょう」といった感じにフォーメーション・チェンジを行い、フロアからは微笑ましい反応があった。これもデビュー・ライヴだからこその場面と言える。

 

始まった「Stars」は、ギターのコード・ストロークが軸となるパンキッシュ且つアップテンポな楽曲。サビではメンバーが腕を頭上に掲げ、フロアの観客も同じ動きを行う。技巧派のダンスを見せる以上に、本曲はライヴという空間のノリを大切にしており、ステージとフロアの一体感が素晴らしい。

 

次に披露する曲は、シン忍者クライシスのために作られた楽曲。メンバーが「次が最後の曲です」と述べると、フロアからはそれを惜しむ声が上がった。披露されたのは「TRUE BLUE」という曲。

 

冒頭はシンセ・ピアノの伴奏をバックにメンバーが歌い、そこからバンド・サウンドに展開する1曲。ロック・テイストでありながら、壮大であり、どこかエモーショナルな色合いもある。今後のライヴ活動を通して、更にエモーショナルな要素が加わりそうな予感に満ちている。

 

歌い終えたメンバーはステージを去る。アンコールを求める声に、再び高田氏がステージに登場。メンバーをひとりずつ呼び込んで、トークを行う形式で進行した。何と、新木ひな氏と新木美衣氏は姉妹らしい。

 

新城氏は「セリフが何度も飛んだ」と言いつつも、「ようやくスタートに立てた」「目指すはZEPP HANEDA」と明確な目標を提示。アイドルのデビュー・ライヴは数あれど、ここまで明確な目標を述べる方は、なかなかいない。これは凄い事である。

 

力強いヴィジョンを述べるメンバー、感極まって泣くメンバーと、個性豊かな顔ぶれが集まっていると判る。その後、渋谷スターラウンジでワンマン・ライヴが決定した事を発表された。また、客席を背景に記念撮影を行っている。

 

アンコールに応え、再度「Stars」を披露。この時のみ、フロアの観客は動画撮影OKだった。これにて記念すべきデビュー・ライヴは幕を下ろした。

 

ビギニング・・・本当の意味で「起源」となる重要なライヴであった。また、メンバーの純粋な想いが渦巻くフレッシュな空間だった。フロアで見られる振りコピや、曲中のコールは本公演でほとんどなく、まだ確立されていないのだと感じる。この辺りも、今後のライヴを通して確立し、定着するに違いない。シン忍者クライシスのデビュー、本公演に集まったファンは原点の目撃者となったのだ。

 

セット・リスト

 

SE

①疾きこと風の如し

②STARS

③TRUE BLUE

 

アンコール

・STARS

ハロウィン  東京ガーデンシアター 2026.5.9

40周年を迎えたハロウィン。今ツアーのオープニング映像には、デビューEP「ハロウィン」(1985年)から、最新作「ジャイアンツ&モンスターズ」(2025年)まで、バンドが発表した歴代アルバムのジャケットが順に映し出される。

 

ハロウィンの歴史は、同時にファンそれぞれの人生を写し出す鏡とも言える。会場に集まったファンの数だけ、バンドと共に駆け抜けた人々の人生が存在する。スクリーンに登場する歴代作品のジャケットを見ながら、発表当時の自分、時代の色合いなどを思い出しながら、この歴史的なライヴに立ち会ったのではなかろうか。

 

40周年と言ってもハロウィンの場合、活動の休止も解散もなく、シーンの第一線で活動を続けて40周年を迎えている。つまり、正真正銘の40周年なのだ。これは賞賛に値する。

 

さて、今回の来日公演は、当初5月7日の大阪、10日の東京が発表されていたが、チケットの完売につき、急遽、追加公演が決まった。それが9日の東京ガーデンシアター公演である。結果として、同会場で2日間のライヴが開催される事となった。

 

9日は、開場17時、開演18時。客席に入ると、ステージはバンドのロゴを模った幕で覆われ、まだ中が見えないセッティングに。場内BGMにメタル系アーティストの様々な楽曲が流れているのだが、ピンク・クリーム69の「トーク・トゥ・ザ・ムーン」があったのが興味深い。アンディ・デリスがハロウィンの加入する前に在籍していたバンドである。歌っているのは、もちろんアンディだ。

 

18時10分を過ぎた頃、場内BGMの音量が上がり、開演を告げる楽曲へと切り替わる。客席のヴォルテージが一気に上がり、大勢が座席から立ち上がって待つ。暗転し、時計の音が場内に響く。これは40年という時に流れだろう。

 

赤のレーザー・ビームが放射され、ステージ上部から幕を切り取るような動きを見せると幕が落ち、ステージ・セットとスクリーンが現れた。アルバム「守護神伝-第二章-」(1988年)の世界観を連想する平原に、バンドが発表した歴代アルバムのジャケットが順に映し出される。

 

やがて、高台にメンバーが登場し、大きな歓声を持って迎えられた。SEの終盤でダニ・ルブレ(ds)がカウントを打ち、疾走リズムを叩き始める。オープニング・ナンバーは「マーチ・オブ・タイム」。冒頭部分は省かれ、疾走するパートからの演奏だ。サシャ・ゲルストナー(g)がイントロでテクニカルなギター・ソロを弾き、メタリックなリフをカイ・ハンセン(g.Vo)が引き継いで弾く。

 

歌パート直前に、左右からアンディ・デリス(Vo)とマイケル・キスク(Vo)が登場し、再び歓声が上がった。舞台中央からアリーナ席に向けて花道があり、アンディとキスクは時折、前に歩み出てヴォーカルを披露。

 

カイとマイケル・ヴァイカート(g)も、花道で間奏のギター・ソロを弾いた。サビでは観客の大合唱が沸き起こり、溜まっていたマグマのエネルギーが一気に吹き上がったような熱量だった。

 

ステージ後方のスクリーンは、演奏曲に合わせたイメージ映像が放映され、ステージの進行に重要な役割を果たしている。1曲目の演奏を終えると、スクリーンに守護神が現れ、客席に向けて語り始めた。

 

「Welcome Dear Pumpkin Heads JAPAN!」という語りに歓声が上がる。ツアーを通して、国名は公演地によって変更されており、JAPANの部分は日本ツアー仕様である。語り終えると、サシャにライトが当たり、クリーン・トーンのアルペジオを奏で始めた。

 

久々にプレイされる「キング・フォー・ア・1000イヤーズ」だ。2005年~2006年のワールド・ツアーにおいては、スタンドにセットされたアコースティック・ギターで冒頭パートを弾いていたサシャであるが、今ツアーではエレクトリック・ギターで弾いている。

 

しかしながら、エフェクター類による音作りかアコギのような音色で、本曲のオリジナルのサウンドをきっちりと再現していた。そのアルペジオをバックに、アンディが歌い出し、続いてキスクが歌う。アンディ時代に制作された楽曲であるため、キスクの声で聴けるのは新鮮だ。

 

リズム・インすると、ステージが明るく照らされた、スクリーンには城やステンドグラス風の模様が映し出される。正にキングをイメージした世界観だろう。13分を超える大作なので、完奏すると時間を要するとの判断か、後半の一部がカットされコンパクトなアレンジになっている。

 

本来はヴァイキーとサシャのツイン・ギターのパートがあるが、そこはカットされ、中盤からサビの繰り返しに繋げ、エンディングを迎えるアレンジとなった。見方によっては、観客の集中力を持続させるために効果的なアレンジと言えるかも知れない。

 

2曲の演奏を終え、アンディとキスクが観客に挨拶。そして「カイ・ハンセン!」と紹介し、お馴染みのピンク色のフライングVを持ったカイが、花道でロックなギターを弾き観客を煽る。「ホール・オブ・ザ・マウンテン・キング」のメロディを流用したフレーズとなり、拍手と歓声があった。

 

この展開。繋がるのは、もちろん「フューチャー・ワールド」だ。カイはイントロでスポット・ライトを浴びつつ、よく見るとメインのギター・リフはサシャが密かに弾いていた。

 

冒頭をカイが歌い、以降はキスクとアンディが引き継ぐ。客席にマイクを向けると、サビではオーディエンスの大合唱となった。ツイン・ギターはカイとヴァイキーが弾き、サシャはバッキングを担当。

 

古くからの名曲に続いては、今を生きるバンドとしての最新ナンバー。オリエンタルなメロディが流れ、アンディが「君たちの曲だ!」と言う。始まったのは「ディス・イズ・トーキョー」だ。

 

ツアーを通して世界各国で演奏されているものの、最も似合う場所はここ東京だろう。そういった意味で、東京でプレイされた「ディス・イズ・トーキョー」は特別なヴァージョン、特別な体験と言える。

 

スクリーンには日本的な風景・・・厳密に言うと、海外の方が思い描く日本のイメージを切り取ったであろう映像が流れる。中でも看板の文字「おでん 七十円」はインパクトがあり、終演後に多くの人が話題にしていた。

 

もちろん、映像のインパクトだけでなく演奏も素晴らしい。アンディが先導して歌うイントロのメロディ、「トキオ!」というサビなど、観客は最新アルバムを聴き込んでいるようで、一緒に歌う観客の姿が多くあった。

 

続く・・・。

 

 

 

 

 

 

 

Sparkly Mints  代官山SPACE ODD 2026.5.5

ゴールデンウィーク、都内では数々のアイドル・イヴェントが開催されている。日本全国に視野を広げると、それこそ星の数ほどのイヴェントが開催されているであろう。

 

しかしながら、今回、Sparkly Mintsが出演した代官山SPACE ODDのイヴェントは、何とも個性的で斬新、更にはユニークであり奇妙とも言えるコンセプトで公演が組み立てられている。キーワードは「トレイ」である。

 

まず、ライヴハウスの受付にて、光る「うん〇」が配布され、スタンディング・フロアに入ると、ステージ上に便器が置かれているのが目に入る。そのステージ上で、各グループがパフォーマンスを行うのだ。しかも転換時間のBGMは、トイレにおける一連の流れを再現した音が流されている。

 

当初、この演出について、昭和の時代からある「アイドルはトイレに行かない」という、都市伝説的な言い伝えを皮肉ったコンセプトかと思ったが、よくよく考えると5月5日は子どもの日。ある意味、悪ノリ的な遊び心が投影されているのかも知れない。

 

いずれにしても、便器があるステージで、アイドルが歌い踊るのは何とも奇妙な光景であった。後に、晴川こころ氏にお話を伺うと、アイドルとしてのキャリア7年の晴川氏も、こういった趣旨のイヴェントは初らしい。

 

イヴェントは進行し、Sparkly Mintsの出演は14時55分から。トイレ内の音を再現したBGMを経て、Sparkly Mintsのライヴ開演を告げるSEに切り替わる。メンバーが順番にステージに登場し、フロアではメンバーの名前をコール。

 

「Sparkly Mints 始めます!」の言葉から、「咲き誇れる華になろう」がスタートした。御承知のように、Sparkly Mintsは3月末から4人編成として再出発を切った。よって各楽曲の歌割り、ダンスのフォーメーションは4人用に再構成されている。

 

4月のライヴ活動を通して、4人編成としてのパフォーマンスが徐々に確立。本公演で見たライヴ・パフォーマンスでも、それを証明する形となった。それは2曲目に披露された「君へ贈る」も同様と言える。

 

ステージ中央に便器が置かれている斬新な光景であるものの、ライヴ・パフォーマンスは通常通り、繰り広げられた。2曲歌って挨拶MC。夢夜るい氏、芽咲メイ氏、晴川氏、福本あゆ氏の順番で自己紹介を。

 

晴川氏がトークしている間、他のメンバーが順にステージ袖に行く。これは水分補給ではない。戻って来たメンバーは手に光るアレを持ち、頭にはアレの飾りを着けている。フロアからは笑いがあった。ただし、Sparkly Mintsは清純派アイドルなので、頭に着けているのはホイップ・クリームとの事。

 

そのヴィジュアルのまま「パステルリボン」に突入。歌とパフォーマンスは真剣であるが、このアンバランスな光景にメンバーは笑っている。最後の楽曲「ポラリス」では、面白いハプニングがあった。

 

芽咲氏が中央で歌う際、便器に手が当たって蓋が閉じてしまったのだ。慌てて蓋を開けながら歌い続ける芽咲氏、その横で目を見開く福本氏の姿にフロアからは笑いがあった。ライヴらしいハプニングと言え、踏み込んで言うなら、このイヴェントだからこそのハプニングと言えそうだ。

 

すべての演目を終え、メンバーが観客に挨拶。ライヴは幕を下ろした。ミントのような爽快感を放つSparkly Mintsと、便器の存在が奇妙なコントラストを描き出すライヴだった。

 

イヴェントは1日中行われ、様々なアイドル・グループが出演したが、コンセプトをどのように生かし、ステージをどのように使ってパフォーマンスするのか、各グループのセンスが試されたイヴェントだったとの見方もできる。珍しいイヴェント体験となった。

 

セット・リスト

 

SE

①咲き誇れる華になろう

②君へ贈る

③パステルリボン

④ポラリス