藤:「よう久し振りだな。どうしたんだ?」

熊:「いや、漫画家になろうと思っていたんだけど、いざ仕事を辞めて漫画を描こうと思ったら、漫画を描くよりも面白いことが頭の中に浮かんだからそれをやるのはどうかと思ったんだ」

藤:「何を思い浮かんだんだ? また会社を作ろうって話か?」

熊:「その通りだよ。藤代君。

このまま普通に生活して行くのもありかなと思っていたけどれも、僕が今の現状で送れるのは底辺の毎日しかないから、そんなことだったら、最後の最後に暴れてやろうかなと思ったんだ」

藤:「暴れるのか。お前が暴れたところで大したことなんて起きないだろ?」

熊:「そんなことないかもしれないぞ。少なくともトランジスターは世に広まっていないし、僕はGoogleのビジネスモデルを破壊する新しいビジネスアイディアも持っている。それが広まるのかどうかを確かめてから死ぬなりしたいんだ」

藤:「どうせ無理だろ?」

熊:「やってみなくちゃわからないだろ?

少なくとも前回はやってみようという段階で精神科に無理やり強制入院させられた。

ただ、今回は前の担当の精神科医もいないし、薬もちゃんと飲んでいるから強制入院をさせられる道理はない。

ただ、お金はないから早めにこのアイディアが使えるのかどうかを確認する必要がある。

駄目な時は駄目でさっさと次の仕事を探す」

藤:「まあ、この際内容は置いておくとしてどれくらい実現可能だと思っているんだ?」

熊:「やる以上は100%を目指す。多分たくさん失敗すると思うけど、僕ならば必ず軌道修正できる。トライ&エラーの繰り返し。なんでもそうだ」

藤:「前回の目標はなんだっけ? 今回も同じか?」

熊:「今回も世界一の企業を目指す。世界一の企業を作ってタイムマシンのタイムパラドックスを止めるたった一人の人間になる」

藤:「なんでそんな無謀な目標を立ててるんだ?」

熊:「今までの経験上僕は多分サトラレだと思う。

だけど、以前頭の中で同じサトラレだと思う女の子の声を喧嘩して傷つけてしまった。

彼女に会うために僕はタイムマシンを守る会社を作ると言ってしまった。それで門前払いを食らったけど、僕はそれを本当にして彼女に会うんだ」

藤:「お前今年で38歳だろ? いい年した大人だ。彼女も確か同級生だったろ? もう結婚しているだろ。諦めな」

熊:「それを確かめるためにも僕はやるんだ。

僕は確かに他人に心を読まれていた。声はいまだに聴こえ続けている。これらの事実が単なる脳の病気によるものだとは到底思えないんだ。

それに、この世の中は僕からすれば僕以外の人間が本当にいるのかがわからない。僕しかいないようにも思える。だったら、ものすごい無茶なことでもきっと実現できると思うんだ」

藤「だったら、気の済むまで頑張れ。そして自分の考えの甘さを実感して来い」

熊:「言われなくてもそうするさ。

頑張るぞーー!!」