熊:「どうしよう。
最近は本当に何も思いつかなくなってしまった」
藤:「どんな状況でも
無理やり思いついてやるという意識が欠けているんだな」
熊:「そうかもしれない。
だから脳が怠けているんだろうな。
その一方で何か思いつかないだろうかと、
願掛けのように食べ物を食っているから、
前よりも多少太った気がする」
藤:「…駄目駄目だな」
熊:「何とかしたいんだけれどもなあ」
藤:「もう、家の中で目についたものを取り敢えず考えてみて、
その上でもう『これだ!!』というアイディアがなくても、
更新するしかないんじゃないか?」
熊:「そうかもしれない。
自分の中での新しいアイディアなんて
世間ではとっくに出ているかもしれないから、
的外れなアイディアでも数打てば
当たるくらいの気持ちでいいのかもしれない」
藤:「まず更新するわけじゃなくて、
ノートにどんなことを考えるのかを三十分考えてみて、
その後に一つのテーマを選んで、
その上で、さらに三十分くらい考えれば、
一つくらいはちゃんとしたネタに
なるかもしれないからやってみろよ」
熊:「わかった。やってみることにする」
藤:「で、今日のタイトルは何だ?」
熊:「立ち読みのビジネスは成り立つのか、だ」
藤:「成り立たたない気もするがな」
熊:「そうやって否定されると
成り立つものも成り立たない気もしてきたから、
お前は即座に否定するな」
藤:「…否定しなければどういう立ち回りをすりゃいいんだ?」
熊:「話を広げてくれればいいんだよ。
個人的に思うのは立ち読みで
きちんと料金が払ってもらえるのならば、
一つの漫画雑誌で何度も何度も
お金が貰える可能性があるというメリットがあると思うんだ」
藤:「まあ、そうかもな。
でも、どうやって料金を払うんだ?」
熊:「スマホで雑誌のバーコードをかざせばいいんじゃないの?」
藤:「そうしてお金を払うメリットは何?
メリットがないと誰も払わないぜ?」
熊:「例えば、その連載漫画を家でも読めるようにするとか。
後は、雑誌の一つの漫画だけ課金ができて、
その課金を何週も貯めるとオリジナルのグッズ、
例えば単行本のオリジナルカバーとか、
作者のサインとかが貰えるようになるとか」
藤:「じゃあ、別にグッズ目当てじゃなければ、
課金なんてしなくてもいいわけだな?」
熊:「…まあ、そうなってしまうけれどもな」
藤:「グッズかあ、それが転売とかも
できるようになっているのであれば、
もしかすると払うやつもいるかもしれないな」
熊:「そのサービスは国内限定にして、
それを海外に売ればいいんじゃないかという気もしてきた」
藤:「それはちょっとはありかもしれない」
熊:「少なくとも言えるのは、
雑誌を作ると赤字になるらしいから
少しでも赤字にならないようにと
購読無料のウェブ雑誌が増えているわけだけど、
購読無料にしちゃうとお金を払ってまで読みたいという人が
少なくなる気がするんだよな。
そこの問題をクリアできないと漫画界の先が見えない気がする」
藤:「と、そもそも自分の人生の先も見えない人間が
のたまっています」
熊:「…………」