「応用認知のハンドブック」フランシス・ダルソ(1999年) | しんりの手 :psych NOTe

「応用認知のハンドブック」フランシス・ダルソ(1999年)

本の紹介。

Francis Thomas Durso, Raymond S. Nickerson, Roger W. Schvaneveldt, Susan T. Dumais, D. Stephen Lindsay, Michelene T. H. Chi (1999年。英語版のみ)
Handbook of Applied Cognition

タイトルの応用認知という言葉を聞いても今ひとつ内容がピンと来ないが、要は、脳がこなせる課題などを知ることが、ビジネスや実社会ではどう生かせるかの本だ。


前半が脳の機能についての説明。

 - 知識、注意、経験、記憶、意思決定、間違い、など


後半はその応用例。

 - 航空機の操縦、管制官が把握できる情報量、

 - 管理職にとっての人の認知能力

     リーダーシップ、やる気、訓練の効率化、能力の測り方、

 - 客商売での心理の働き

     広告、金額設定(この辺は意思決定だな)、

 - コンピューターを人の脳の能力に適合させて使いやすくする

 - 教育を脳の能力にあわせて学びやすくする

     理解しやすい説明、

 - 医療

 ー 法律


こうしてみると、心理学が実際に応用されてその研究が文献にされている分野ってのは狭いもんだな。応用できる潜在的な可能性はすごく高いはずなのに。例えば、数日前に書いた心理学のお化け屋敷への応用や映画への応用などもできるはずだけど、まだまだ未発達の分野だ。今の時点では、すぐに利益に繋がる産業でないと心理学的な見地を取り入れるのは難しいのが社会の現状なんだろうな。逆に言えば、競合相手がいないので心理学をよりビジネスに生かしやすい、おいしい時期ともいえるだろう。

正直言ってこの本はあまり面白くなかった。上っ面を勉強しているようで、概略を知るには良いだろうけれど、院生としては読み応えがなかったな。