ニカラグア手話にみる言語が生まれる瞬間 | しんりの手 :psych NOTe

ニカラグア手話にみる言語が生まれる瞬間

nicaragua sign language

ニカラグア手話という研究が言語心理学にはある。新しい言語が自然発生した瞬間を観察できた珍しい機会だ。


中央アメリカの国ニカラグアでは手話が一般的ではなかったため聴覚障害者はコミュニケーションの術が限られ、かなり孤立していた。それが1980年代にある学校で数百人の聴覚障害者が在籍したために、彼らは新しいコミュニティーを作り上げ、彼ら独自の手話が自然発生的に生まれてしまった。


ただし全く一から言語を作り上げた訳ではなく、それ以前に特定の家族内などで使われていた手話などを複合し、それを基にニカラグア手話は他の言語と同等に複雑になるまで一気に発展し、たった10年未満の間にニカラグア手話はほぼ完成した。


ここで面白いのは、ニカラグア手話を複雑にし文法のルールなどを決めていったのは10歳以下の少年たちだった。第2言語の獲得に見られるように、言葉は年少時の方が獲得が圧倒的に速く、文法などにも若い方が強い。そのことから、彼ら若い連中が使い始めた文法が最もルールが整然とされており、それがスタンダードになっていった。このニカラグア手話が発生したときに15歳以上だった人たちは、その後も文法を完全にマスターできず、その後も間違いが散見された。


今日の記事に関しては学術的な資料が手元に無いのでかなりうろ覚え。ほとんどは昔取った言語心理学のクラスの先生からの受け売りです。間違いがあるとすれば、それは僕の記憶違い、英語の聞き間違いなどによるものだと思います。

僕はチョムスキーは信じていないんだけど、こういう研究を読むと、あまりにも簡単に言語が発生しているみたいなんで、チョムスキーが言うように人間の脳は動物とは違って、言葉をしゃべる能力が生まれつき備わっている、という考えが浮かんでくるのも理解はできるよ。僕は信じないけどね。しつこい?

この話題はriverplus さんのブログ「メーカ研究員の週報 」の「新しい単語はいかにして言語の一部となるか 」という記事で始まったネタですが、自分の記憶用に残しておきたかったんで、自分のブログの項目として紹介することにしました。


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一応、ウィキペディアのニカラグア手話 の項目(英語)。

僕はウィキペディアも信じていないだよー。大まかな案を掴むのには良いけれど、それが本当かどうかを確かめたかったら、その分野に精通している人の本を読まないと、文章の妥当性は分からないからね。ちなみにこの項目を書いた人はスティーヴン・ピンカー(Steven Pinker ,)を参照している。僕はこの科学者も信じていない。これはそのうちに紹介。あ~、すごいネガティブの記事になっていくー。疑心暗鬼なマッド・サイエンティストへの道第一歩だな。


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