25%脂肪と75%無脂肪 | しんりの手 :psych NOTe

25%脂肪と75%無脂肪

fat-free-milk 同じ意味の言葉でも表現の仕方で人の受け止め方は大きく変わる。商品の宣伝では消費者により受け入れられる表現を使って、商品を良いイメージとして受け止められようとしている。これはそんなことに関わる論文。

この研究者は、ある食品を説明するのに同じことを意味する2つの表記の受け取られ方の違いを調べた。Aは25%脂肪と表記し、Bは75%無脂肪と表記した。両方とも同じ意味のはずなのだが、消費者(この場合は被験者)の感じ方は違った。Bの75%無脂肪の方がより健康的だと感じたのだ。この食べ物がどのくらい健康的かを48人の被験者に聞いたところ、Aの25%脂肪という表記の場合、感受健康指数(0から1.0の評価)はたったの0.36だった。Bの75%無脂肪ではぐんと上がって感受健康指数は0.64だった。

このことから脂肪などの否定的に受け止められやすいものに関しては「無い」という表現で打ち消す方が効果的なことが予想される。

同じことを5%脂肪と95%無脂肪で比べたが、同様の結果が出た。感受健康指数は5%脂肪の表記では0.89だったが、95%無脂肪では更に上がり0.97だった。この研究者はこの結果を裏付けるために別の方法で同じ内容を実験した:つまり健康を意味する言葉と不健康を意味する言葉とそれぞれの条件(25%脂肪、75%無脂肪など)がどのくらい関連しているかを反応時間の実験で調べた。こちらの実験でも同様の結果が出た。同じ内容を意味するものでも、脂肪と書かれている物は不健康な言葉との関連付けが速く、無脂肪とかかれているものは健康的な言葉との関連付けが速かった。

ふーん、面白い実験だな。でもこれって結局、消費者は欺かれるだけだよな、表記方法に。こんな実験がアメリカ人を肥満にさせていくんだろうか、なんてことをふと考えてしまったよ。

元の論文:Anthony J. Sanford, Nicolas Fay, Andrew Stewart, and Linda Moxey (University of Glasgow, Scotland) Perspective in statements of quantity, with implications for consumer psychology. Psychological Science. Vol. 13 (2). March 2002.