アメリカ人右利きは右の道を選ぶ | しんりの手 :psych NOTe

アメリカ人右利きは右の道を選ぶ

人は利き手の方向に曲がるのをより好むという結果が心理学の研究で発表された。この結果は応用範囲が広く、小売店の設計、美術館の設計、運動競技者の戦略などに使える。

この研究は古く遡り、70年前のある研究に事を発する:博物館の客は入り口に入ると75%が右に曲がったという。それを確かめるべく、今回の研究者はやはり建物などでT字路にあたり、右か左を選ばなくてはならない場合どちらに曲がるかを計測した。

これによると右利きの人は右の道を選びやすく、左利きの人は左の道を選びやすかった。効き目(右目優位か左眼優位か)も調べたが関係はなかった。しかし普段車で走る側の道は関係があり、アメリカ人(右側通行)の右利きはより右の道を選んだ(7割程度)ものの、イギリス人(左側通行)の右利きでは右の道を選ぶ確率は5割を下回った。アメリカでもイギリスでも左利きが右の道を選ぶ傾向は大きく離れてたったの3割程度だった。

この研究者によると利き手の側に進もう(回る、曲がる)とする傾向はボクシングや野球などのスポーツでも見られると言う。

冒頭の博物館の話に戻ると、75%が右に進むというのは今回の結果に似ている。世の中には右利きの方が多いので(少なくともアメリカでは)人はより右に曲がっていくのだろう。更に博物館などでは大多数が進む方向に押し流されて進みたいとする社会心理も働く。

ところで僕の友達が日本から僕を訪ねに来た時があった。そしてレンタカーを借りて運転してたんだけど、いざ細い道で対向車が来た時にその友達はとっさに左側にハンドルを切った、と同時に対向車も同じ方向に除けようとした。助手席にいた僕は臨死体験すれすれだったよ。この実験の結果と照らし合わせると、その時のお互いの行動は心理学的に見て理に適っているんだけど、僕にはすごい理不尽な体験だったな。その前に旅行者にアメリカで運転させてないで慣れている僕が運転しろよ、とも言えるけど。

写真はジェニー・フィンチ(Jennie Finch)。この研究が行われたアリゾナ州で最も有名な右利きと言えばこのコでしょう!2004年のオリンピック金メダリスト。

元の論文:
Scharine & McBeath (Arizona State University) (2002). Right handers and American s favor turning to the right. Human Factors v44(1). Spring 2002. 248-256.

検索キーワード: 心理 心理学 認知心理 建築 運動心理 右側通行 左側通行 eye dominance ヒューマン・ファクター 社会心理学