真空地帯
劇団 「前回の記事は『教師』ということで
コメント欄でのやりとりの内容から、
CSさんがFXを始めて1年目くらいの時に
相場がわかったつもりになって
口座に入れた50万円を
ハイレバレッジ(高リスクトレード)で
一気に数百万円に増やそうと
甘い考えでトレードしたら
一瞬で口座に入れていた50万円が
吹っ飛んだという話だったんですよね。」
CS 「ハイ、そうです。」
劇団 「記事の最後の方では
このまま円安が進んで
1ドル=200円になった時に
物価が130%上がる。
という予測もありましたね。」
CS 「劇団さんは値上げの話題には
敏感ですね。」
劇団 「前回記事のアクエリアス画像の横に
コカ・コーラのペットボトルがありましたが、
コーラもコロナの前くらいまでは
100円とか120円で売っていた
記憶があります。」
「ボクが勤めている会社はボーナスが
ちょっと上がったくらいで
基本給は変わらないし、
このままインフレが進んだらキツイです。」
CS 「コカ・コーラは原料代が2円、ペットボトル20円で
製造や輸送にかかるコストで原価率50%前後と
聞いたことがあります。」
「輸送費と人件費が上がったという事でしょうか。」
劇団 「ボクもマクドナルドで一番利益率が高いのは
コーラだって聞いたことがあります。」
「でも、1ドル=200円ってあり得るんですか?」
CS 「可能性としてはあり得るんですよね。」
「前回の記事でも話しましたが、
円安以外にも異常気象や世界的紛争の激化で
徐々に食料が入らなくなってきています。」
CS 「わたしは外出して用事を済ませる日を
週一日で決まった曜日に
集中するようにしていて、
近所のスーパーで週イチまとめ買い
するのですが
その曜日がたまたまポイント10倍DAYに
重なりやすいんです。」
「ポイント10倍の日に重なると
普段見かけない70~80代の老人たちが
ブワーッと集まって激混みになります。」
「見ていると
このおばあちゃん
このままインフレが進んだら
ちゃんと食べていけるのかな?
と心配になったりします。」
劇団 「年金生活者とかキツイですよね。」
CS 「うまくインフレが収まって
くれればいいですが。」
劇団 「円安インフレについては
前回ボクが
『でも1ドル=200円って
CSさんから見たら
ありそうなんですか?』
と訊いたら、
CSさんは
その可能性は十分あります。
次回はトレーダーの立場から説明してみます。
と言っていましたね。」
CS 「これについては波動云々ではなくて
チャート分析によるテクニカルトレーダーとしての
立場からの分析になります。」
「下はドル円の月足チャートです。」
※ローソク足1本が1ヶ月の値動きを表す。
下のチャート図1枚で1980年~2024年の
44年分のドル円の値動き。
CS 「約40年前、米国は
GDP2位の日本企業に競争力で負け
貿易赤字に苦しみ、
レーガン政権時代に日本の弱体化を狙い
1985年のブラザ合意により
国際協調による強制的な円高介入を行い
その結果、3年間でドル円は
1ドル=250円から120円台まで
130円分下落したわけです。(円高方向)」
劇団 「現在GDP2位の中国を米国が制裁している
ようなものですね。」
CS 「中国は独自の核兵器を持っていますから
対抗していますが、
日本は米軍基地と核の傘で守られている
原子爆弾を2発落とされた敗戦国ですから
米国に従うしか無いわけです。」
劇団 「でも、その頃FXでドル円をショートで売っていたら
億り人どころか、自由億(=10億円)に
なっていたんじゃないですか?」
CS 「いえ、一般人がFX(外国為替証拠金取引)を
始められるようになったのは
1988年の外国為替法改正(外為取引の自由化)に
よって解禁された後なのでそれは無理でした。」
「当時の日銀は
極端な円高による不況対策として
金利引下げ政策(=公定歩合引き下げ)を行い、
その結果、株価上昇・土地価格高騰により
日本はバブル経済に突入して
溢れるバブルマネーの投資先として
米国のエンパイアステートビルを買収したりと
逆転現象が起きました。」
CS 「衰退した日本しか知らない若い人に話しても
イメージできないようですが。」
劇団 「米国が日本を潰そうとしたら
逆に日本を元気にして
自分が買収されちゃったんですね。」
CS 「そのせいで1990年代のクリントン政権時代に
米国は日本の半導体産業を徹底的に潰し、
TOYOTA、東芝など日本企業に訴訟を起こす
日本叩きを始め、
替わりに中国への技術転移など優遇政策を始めて
日本の没落と中国の台頭を招いたわけです。」
「最近は米国も最先端分野で中国に負け始めて
ヤバくなってきたので、日本に半導体工場を
作ったりテコ入れするようになりましたが。」
劇団 「米国はずいぶん身勝手な気もしますが、
そう考えるとドル円の価格は
日本と米国の関係を表しているんですね。」
CS 「そう、チャート分析は面白いんですよ。」
「うまく行けば資金も増えるし。(ヘタすると無くなりますが)」
CS 「ここでFXに話が戻りますが
相場の値動きというのは
買い勢力 vs 売り勢力
という争いがあり、
上がると思って買いを入れた勢力が
価格が予想とは逆に下がってきて
損失を抑えるために
売って手放す(=損切り)が
起きることによって
価格が大きく動きます。」
「損切りが起きると相場では
売り方向↓から買い方向↑
買い方向↑から売り方向↓
と方向転換が起るわけです。」
(以下は過去記事からの抜粋部分です)
(抜粋部分終了)
劇団 「過去記事でこんな説明がありましたね。」
CS 「逆に言えば、
買い勢力 vs 売り勢力
の争いがないと、
値動きの方向転換が起きません。」
劇団 「邪魔するものがいないから
1つの方向に進むしか無いという事ですね。」
CS 「その観点から先ほどの月足の
ドル円チャートの値動きを見ると
175円から下部分と
200円から上部分には
買い勢力と売り勢力の争いがあるのですが、
その中間部分にはなにもありません。」
「要するに
買いと売りの争いが無い
175円~200円の価格帯は
真空地帯
になっているわけです。」
CS 「トレーダーの世界ではこの真空地帯を
ギャップ空きと呼びます。」
劇団 「真空地帯(=ギャップ空き)ということは、
価格の方向転換が起きずに
円安の方向にしか進まない。」
「だから
1ドル=175円を越えると
1ドル=200円まで一気に円安が進んで
物価が130%上昇する
激インフレ時代になってしまうんですね。」
CS 「その確率が高いです。」
劇団 「現在は1ドル=160円前後ですが、
CSさんの分析ではいつ頃に
1ドル=175円になると思いますか?」
CS 「わたしがドル円の月足チャートを下にした
テクニカル分析では
2025年前後に
1ドル=175円前後に
なるのではないか?
という結論になりました。」
劇団 「今すぐ200円になるわけじゃないんですね。」
「それ聞いて、ちょっと安心しました。」
CS 「ただ、これはブラザ合意のような
大きい変化がなかった場合です。」
「希望的観測かもしれません。」
「これから何が起きるかわかりませんからね・・・。」
※次回の記事更新日は7月20日になります。
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