影がなくなったら困る? ブログネタ:影がなくなったら困る? 参加中
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 私は幾つもの自分の影に追われている夢を見た。
 私の形をした影は私になろうとして、何度も私の存在を奪い取ろうと躍起になっていた。
「あんたになんか、ここで生きていく価値なんてないんだから、私と変わりなさいよ」
「違うわ!あんたなんかより、よっぽど私の方がこの世界に生きていく価値がある!!」
「何を言っているの?貴方たちより、私の方が相応(ふさわ)しいにきまっているじゃないの」
 影達がお互いを罵り合いをしている間、私は光が差し込まない暗闇の空間へ逃げ込むと、その場に座り込み、先程の恐怖を忘れようとゆっくりと空気を吐き出した。
 気分もだいぶ落ち着いてきたので、私は瞼を開けて改めてその空間を見渡した。
 漆黒の闇が辺り一面を覆いつくし、無機質な感じが一層私の心を恐怖に陥れた。
「生きている心地がしない………」
 私は両手で自分を抱きかかえ、無機質な空間の中に何かないか確かめる為に歩き出した。
「一体何処まで続くんだろう?」
 あてもなくこの空間を彷徨いながら、ここから出る事ができなければとどうなるのだろうと縁起でもない事を考えながら、私は歩き続けた。
 暫く歩いていると地面に違和感を覚え、私はその場に立ち尽くし地面を見張った。
 真っ黒い地面が崩れ落ちる様にひび割れ、徐々に白い面積が広がっていった。
「何、これ……!?」
 やがて白い面積は私の幻影となって現れ、目の前にたちはだかった。
「何を怖がっているの?アンタが影(わたし)から逃げたって無理なのよ。アンタと私は表裏一体だから」
 幻影である私が私の首に手をかけ絞めだした。
「や……て………」
 私は自分の首を絞めている幻影の手を解こうと必死になってもがいた。
「やめない。私を受け入れるまで、この首を絞める」
 幻影(かのじょ)の力が増すと共に、私の意識は徐々に闇へと堕ちていくのであった………。



 目覚めると、私はベッドの中にいた。
「……・・・ここは?」
 霞がかった意識をはっきりさせようと私は目頭を押さえながら身体を起こすと、そこには一体の黒い影は写っていた。
影は一瞬私の事を確かめるか様に揺らめき、私と同じ形になった。
何故、私はあんな夢を見たのだろう?
思えは、私の中にある負の感情が走り出したのかもしれない………。


                                                 fin