Simla Beat 70 & 71 再発 | サイケデリック漂流記

Simla Beat 70 & 71 再発

Simla Beat 70
Various Artists
Simla Beat 70

Simla Beat 71
Various Artists
Simla Beat 71

Simlaというのはインドのタバコのブランド。そのタバコ会社(India Tobacco Company)が主催したバンドコンテスト、All-India Simla Beat Contestで演奏されたベストチューンをスタジオで再録?したのが、このコンピレーションシリーズです。以前、1970~71年の"70"と"71"をカップリングした2枚組CDが独Shadoksからリリースされていましたが、今回はそれらを別々にしてオリジナルジャケを使用したリマスタ再発となっています(12月6日発売予定)。

いま、ひさびさにShadoks盤を聴きながらこれを書いてますが、このコンピ、どうも腑に落ちないというか、不思議な「違和感」を感じてしまいます。近年リリースが盛んな「辺境もの」とはまた微妙にちがう「ヘンテコリン」な感覚です。

まず、健全なリスナーが感じるであろう疑問が、「本当に1970~71年に録音されたの?」というもの。少し聴き進むと、CCRの"Born on the Bayou", "Sinister Purpose"、Tasteの"What's Going On"、GFRの"Nothing Is the Same ", "Aimless Lady"など、1969~70年に発表された曲のカバーが登場するので、その疑念は晴れるんですが、これらのカバーでさえ、5年前の1965~66年の録音みたいに聴こえます。Creamの"I'm So Glad"がサーフミュージック化?しているのも謎。

それから、いっぱいバンドが登場するんですが、「これみんな同じメンバーがやってるんじゃないの?」というくらい、なんだか似ている。演奏スタイル自体はちがっても、質感やテンションやズレた感覚がどこか共通している。そんなこんなで、「これはフェイクのコンピじゃないのか」という噂もあったようです。

上手いのかヘタなのか、やる気があるのかないのか、熱いのか醒めているのか、ホンモノなのかニセモノなのか判然としない。まるで欧米のロックを歪んだ鏡に映したような「異次元」さも、独特のサイケフィーリングを醸し出しています。(下のトラックリストのリンク先はYouTube動画。)

"Simla Beat 70"
1. Confusions - Voice From The Inner Soul
2. Dinsaurs - You Can't Beat It
3. X'Lents - Psychedelia
4. Innerlite - Zorba's Dance
5. Genuine Spares - Proper Stranger
6. Genuine Spares - What's Goin' On
7. Dinosaurs - Sinister Purpose
8. Great Bear - Mist
9. X'Lents - Born On The Bayou
10. Innerlite - Baby Baby Please

"Simla Beat 71"
1. Fentones - Simla Beat Theme
2. Nomads - Nothing Is The Same
3. Hipnotic Eye - Killing Floor
4. Mini Beats - Hey Gipsy Girl
5. Velvette Fogg - I Am So Glad
6. Black Beats - The Mod Trade
7. Eruptions - I Am Gonna Erupt
8. Fentones - Until The Dawn
9. Brood of Vipers - Psychedelic Web
10. Eruptions - You Can't Judge A Book
11. Hipnotic Eye - Aimless Lady