New Wave, CollageがCD再発 | サイケデリック漂流記

New Wave, CollageがCD再発

New Wave
New Wave
New Wave

シンコーのディスクガイド「ソフトロック」で、「まさに、至高のソフト・ロックとでも言える傑作」と絶賛されていたものの、いまだにCD化されていなかったNew Waveの唯一作がGear FabからCD再発されます(3月15日発売予定)。

New WaveはTommy AndreとReid Kingのふたりによる西海岸のデュオ。本作は、Yellow Balloonのレコードを出していたことで知られるCanterburyレーベルから1967年にリリースされています。

フランス語で歌われる「シェルブールの雨傘」のカバー("Autrefois")以外は全曲ふたりによるオリジナルで、メロウ&メランコリックな、どこか浮世離れした楽曲群はソフト~メロウサイケファンにもアピールすると思います。ガットギターによるボッサ的な伴奏に、バロックポップのような端正な室内楽のバッキング。クラシックの名曲のフレーズがメロディに取り入れられたり、ジャズ的な要素があったり、なかなか個性的で忘れがたい印象を残す好盤です。

ちなみに、短命に終わったCanterburyレーベルはYellow Balloonのほか、先ごろSundazedからCD再発されたLisa Millerの"Within Myself"と、このNew Waveの3枚しかアルバムをリリースしていません。




The Collage
Collage
The Collage

CollageはFuzz, Acid & Flowersで、「ジャケは素敵にサイケなのに、中身はまったくガッカリなポップ・カルテット」と、つれなくあしらわれていたコネティカット出身の男女混声グループ。本作は1968年にSmashレーベルからリリースされた唯一のアルバムです(Now Soundsからボーナス8曲入りで2月28日再発予定)。

彼らは当時のママス&パパスやフィフスディメンション人気にあやかった男性二人・女性二人の四人組で、いかにもな60sポップ的「ありがち」感が充満しています。作り自体はちゃんとしたもので、フィル・スペクター門下のSteve Douglasのプロデュースのもと、Hal Blaine, Joe Osborn, Larry Knechtel, Mike DeasyらWrecking Crewのメンバーがバッキングをつとめている(らしい)。60sファンなら「安心して聴ける」たぐいのサウンドです。

Roger Nicholsの"Can I Go"やCurt Boettcher(Sagittarius)の"Would You Like to Go"をカバーしてたりしますが、ママス&パパスなどと比べてもロック的な要素は少なく、ソフトロックというよりメインストリームのポップスに近いプロダクションといえるでしょう。"Would You Like to Go"なんかは、見事なまでに凡庸なポップチューンに仕立て上げられていて、60sポップスのコレクター的な見地からすると、逆にそのへんが面白かったりするかもしれません。

ところで、Collage(コラージュ)というグループはほかにもいくつかあって、ソフトロックのガイド本で紹介されているCreamレーベルのユニットや、1971年にGolden Crestレーベルからセルフタイトル作を出しているテキサスの男女混声ユニットは、このCollageとはまた別のグループです。

THE ORIGINAL ALBUM ("The Collage")
1. LOOKIN' AT A BABY
2. DRIFTIN'
3. RAINY BLUE MEMORY DAY
4. ANY DAY'S A SUNDAY AFTERNOON
5. MY MIND'S AT EASE
6. VIRGINIA DAY'S RAGTIME MEMORIES
7. CAN I GO
8. SHES JUST LAUGHIN' AT ME
9. RAGGED CLOWN
10. WOULD YOU LIKE TO GO
BONUS TRACKS
11. HARD DAYS (Non-LP)
12. LEAVE BEHIND A DREAM (Non-LP)
13. STORY OF ROCK N ROLL (Alt. Version)
14. SOMEDAY MAN (Track Only)
15. DRIFTIN' (45 Version)
16. VIRGINIA DAY'S RAGTIME MEMORIES (45 Version)
17. LOOKIN' AT A BABY (45 Version)
18. ANY DAY'S A SUNDAY AFTERNOON (45 Version)


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