ナショナル・トレジャー
なぜか「アビエイター」ではなくて「ナショナル・トレジャー」を観てきました。
天才的歴史学者で冒険家の主人公が、父から子へと代々伝えられてきた「国家の秘宝」の謎を解き、その手がかりが合衆国独立宣言書に密かに書きしるされていることをつかむ・・・。というトレジャー・ハンター(宝探し)物のアドベンチャー。
主演ニコラス・ケイジ、製作ジェリー・ブラッカイマーといえば「ザ・ロック」「コン・エアー」と同じ顔ぶれで、ほとんど同じようなノリのアクション・スリラーです。それに加えて「インディー・ジョーンズ」と「ミッション:インポッシブル」と、あと「ダイハード3」のおいしいところを接ぎ合わせたみたいな感じ(ホント!)になってます。
音楽が「コン・エアー」でも担当してたトレヴァー・ラビン(ロック好きにはおなじみの元イエスの人)で、アクション部分は過剰なくらいに音楽で息つかせぬスリラー感を煽るあのノリなんですが、そういうカーアクションとかの「急」だけではなくて「緩」の部分も尺的にはわりとあって、笑いありの恋愛ありの家族ドラマありのと、非常に盛り合わせ感が高いです。しかし、その配分がいい塩梅で、全体的な印象は予想したより軽くてファッショナブルな感じ(悪くいえば薄っぺら)に仕上がってます。
キャストは、ヒロインに「トロイ」のヘレンのダイアン・クルーガー、敵役に「ロード・オブ・ザ・リング」のボロミアのショーン・ビーン、そして狂言回し的な脇役の天才ハッカー役に新人のジャスティン・バーサという旬どころを持ってくる一方、ニコラス・ケイジの父親役に「M:I」にも出てたジョン・ヴォイト、FBI捜査官にハーヴェイ・カイテル、最初にちょこっと出て来るお祖父さん役にクリストファー・プラマーと、渋いところと新鮮なところをうまく配しているのがニクい。
惜しむらくは「ザ・ロック」でコンビを組んだショーン・コネリーがお父さん役だったら、もっと大作感が出てたかもしれない。でも、それだと、まんま「インディー・ジョーンズ」になってしまうので(ほんとに、ラスト近くの洞窟での冒険の父子のやり取りなんてそっくり!)、これはジョン・ヴォイトで正解でしょう。ジョン・ヴォイト(*1)って昔の「真夜中のカーボーイ」とか見る限りでは息の長い役者になるとは思えない雰囲気なんだけど、いい感じに老けましたね。
まあ、けっこう宝探しの謎解きの部分とかで「そんなアホな」というツッコミどころも多いんですが、この手の映画でそれを指摘するのは野暮ってもんでしょう。ハッピーエンドでカタルシスを味わえて、良くも悪くもスッキリと後に引かない、家族で気軽に観れるようなディズニー映画らしい娯楽作品でした。
オフィシャル・サイト:
http://www.movies.co.jp/nationaltreasure/
*1
いまでは、「アンジェリーナ・ジョリーのお父さん」と言ったほうがわかりやすいのかな?