本来の心 その2長年を共にして来た老夫婦のどちらかが、心から過去の過ちを謝罪し、それまでの感謝の想いを述べたとき、2人の間の「積年の恨みという恨み」が一瞬にして消え去る。これもまた、人間の心が本来、「愛」と「赦し」でできているからなんだろう。過去から積み上げられたかのように見える「恨みの山」は、“愛”という真実在を前にすれば、斯くも儚き蜃気楼に過ぎない。そしてその“愛”は、過去でも未来でもなく、ただ“永遠の今”にのみ存する。