★~続 モンタギュー・テラスの青い影~★ 最終章(18の1) | 時空を超えて SCOTT WALKER の世界へ

時空を超えて SCOTT WALKER の世界へ

スコット・ウォーカーの持つ不思議な魅力は、今も変わらない宝物です。
彼の音楽、生き方に心躍らせる毎日です。
そんなスコットの世界を私なりに描いてみたいです。

~約束の場所で~














悪夢の様な日々から解放されたスコットは、少し伸びていた美しい金髪を短くカットして、新しいスーツに身を包み、化粧室の大きな鏡でネクタイを整えました。

いつも、チャーリーが専属の理容師でした。


「お似合いですよ!」


久しぶりに、スコットの笑顔が鏡の中で輝いて見えました。


「チャーリー・・・。

今夜は、飛びっきりのシャンペンを頼んだよ!」


「はい!

お任せ下さい」



チャーリーの瞳の中で、はにかんだ様なスコットの笑顔が、輝きながらいつまでも揺れていました。






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あともう少しでマチルダが帰って来る。

今にも・・・。

モンタギューの森を駆け抜ける、マチルダのバイクの音が聞こえてきそうでした。

春らしい淡い青い色のスーツとスコットの青い瞳が、喜びに溢れ躍りながら軽い足取りで階段を駆け下りました。



「ママ!

マチルダがもう直ぐ帰って来る!」


居間のテーブルに花を飾り付けていたエリザベスが、振り返りながら優しく微笑みました。


「アァ~・・。 スコット・・・」


スコットはエリザベスを抱き締めて、柔らかなピンク色の頬にキスをしました。


「幸せになってね。

ママは、静かにあなた達を見守るだけだわ」


「ありがとう ママ!

きっとママも幸せになれる!」



エリザベスの上品な緑色のドレスと、胸のシンプルなパールのネックレスは、温もりと優しさを感じる美しい母の装いでした。

きっと、これからも若い恋人たちを、優しい眼差しで見つめてくれるはずです。






スコットの心は喜びで打ち震え、高まる胸の鼓動が全身を駆け巡り始めました。





ハートよ

そんなに喜ばないでくれ

マチルダに悟られないように

静かにしていて欲しいんだ



生意気な瞳が 二度と

妖しく輝かないように


あの甘い唇で 再び

僕を打ちのめさないように



マチルダの優しい愛が

真っ直ぐに僕に届くように




お願いだから


ジッと静かにしていてくれ







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マチルダと初めて出会ったモンタギューの池までの道のりを、高まる心臓の音を聞きながら歩きました。


約束の場所は、二人の神聖な誓いを見守るように深い緑で覆われていました。

スコットが大きな水しぶきと共に落っこちた池も、今は静かにその水面を輝かせて、二人の門出を祝福しているようでした。


スコットは前と同じように倒木に腰掛けて、手に持った真新しいスケッチブックを開きました。





風に乗って・・・


その音は、とっても静かに近づいて来ました。


荒々しくけたたましい音ではなく、小鳥達は何事も無い様に歌い戯れていました。




スコットは胸の鼓動を抑える為に、祈るように両手を胸に押し当てました。











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