オルフェウスの鍵~ワイト島の想い出 | 時空を超えて SCOTT WALKER の世界へ

時空を超えて SCOTT WALKER の世界へ

スコット・ウォーカーの持つ不思議な魅力は、今も変わらない宝物です。
彼の音楽、生き方に心躍らせる毎日です。
そんなスコットの世界を私なりに描いてみたいです。

美酒に酔いしれて


夜の天使の傍らで


微笑を浮かべる オルフェウス


今宵は 私が与えた心の鍵を


何処へ置いて来たのだ


いつも お前の胸元のチェーンで輝き


お前の ベルトのバックルで揺れながら


お前を見つめて来たのだ


想い出すがよい


もう一度 その鍵で心の扉を開けるのだ


私の元へ 帰って来るがよい


ワイト島の礼拝堂で 灯をともし


私は待っている


時空を超えて SCOTT WALKER の世界へ

1966年23歳のスコットは、イギリスのトップ・アイドルでした。

人気絶頂の彼にとって、平穏な日常は皆無でした。

精神的にも不安定になったスコットは、アルコール量も増えて自身の身体さえも傷つけてしまいました。

そんな苦い経験を伴いながら、喧騒から逃れるように、イングランド南部に浮かぶワイト島の修道院を訪れました。

宗教音楽を学ぶ為に、狂気的な日常から自分自身を取り戻す為に・・・。

そして、何よりも孤独な心を苦痛から開放する為に、必要な静寂の時間だったのです。

しかし・・・。

ファンの女の子達や、マスコミに追われる様に、修道院から去る事を余儀無くされてしまいました。

一週間の短い休息でした。

その帰り際に、修道士から贈られた修道院の扉の鍵は、スコットの大切なお守りになりました。

「また、いつでもおいでなさい」


ある時はチェーンに吊るし首から下げ、ある時はベルトのバックルに吊るして、肌身離さず持ち歩きました。

挫けそうになつた心を勇気付け、足元を照らし続けたのです。

そんな大切な心の鍵は、今、何処で眠っているのでしょうか・・・。


もしかしたら・・・。


ワイト島の修道院の奥で眠っているのかも知れません・・・。



時空を超えて SCOTT WALKER の世界へ




時空を超えて SCOTT WALKER の世界へ


~THE PLAGUE(ザ・プレイグ)~ 1967年SCOTT2


ラ ラ ラ ラ ラ

ラ ラ ラ ラ ラ

ラ ラ ラ ラ ラ ラ ラ


ラ ラ ラ ラ ラ

ラ ラ ラ ラ ラ

ラ ラ ラ ラ ラ ラ ラ


窓から夜明けの光が降りてきて

天井のすき間から差し込んでくるまで

多くの夜を俺はこうして仰向けに寝て過ごした

そして俺は手にオモチャを握りしめ自由に駆け

喜びを見つけられる子供を羨んだ

闇の中にじっとして

「なぜ」と言う疑問にさいなまされながら


なぜ風天どもは口づけと別れの言葉の後の

朝の女の顔に浮かぶあのいまわしい風情に

有頂天になり 虜にされるのか


どうすることも出来ないと知りながら

それでも夜の半分をこうして目覚めて過ごし

毎日俺の心を襲うペストと闘うのだ


さあ 俺の言うことを聞いてくれ


ラ ラ ラ ラ ラ  オー・ヤア

ラ ラ ラ ラ ラ  ペスト

ラ ラ ラ ラ ラ ラ ラ をつかまえろ


苦しみが俺を魚のようにつかまえて

赤裸々に俺をさらしている間じゅう

どうしてこんな時間を過ごしていけるものか

それが我慢出来ないとして それでもなお

俺は特に残るあの味を思い出そうとする

そしてお前が俺から去った時よりもいっそう

やり切れぬ憂鬱と氷と炎

悲哀と満悦を思い出そうとする


夜の河の中 震える光のように

俺に向かって落ちて来るひとつの顔を見る

しかしそれは自ら燃え尽きる流星のように

燃えては消えてしまうのだ


死がそれを包む金切り声を必要とするように

俺の声は素早い音で泣き始める

しかしペスト以外に

その俺の声を聞く者はいない


カモン・ベイビー


ラ ラ ラ ラ ラ  オー、オー、ヤア

ラ ラ ラ ラ ラ  ペストをつかまえろ

ラ ラ ラ ラ ラ ラ ラ


ラ ラ ラ ラ ラ  オー、オー、オー

ラ ラ ラ ラ ラ  聞こえないかい

ラ ラ ラ ラ ラ ラ ラ  ペストをつかまえろ


疲労は見えにくく 俺の後をつきまとう


俺はドアを拳で叩き続ける

あんたがペストと出くわしても

それはおぼろげにしか見えぬものだ

俺はどんどん悪くなるばかり


ラ ラ ラ ラ ラ

ラ ラ ラ ラ ラ

ラ ラ ラ ラ ラ ラ ラ




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