だだっ広い真っ白の部屋。
さみしいから、花やペンキ、
大きな木だって描く。
あたかも今ここにあるように。

本当はなにもないんだけど
手にしている自分を必死で想像するの。
余命は1年足らず。
自由に動こうとしている腕には点滴の管がたくさん。


なんとかこれで生きている。
余命を待たずに
この管を切ってしまえば
きっと終わりを恐れず
これから起こりうる苦労を恐れず
誰かの傷や
自分に負う傷
人間の汚さ
なんかも見なくてすむ。
今、途中で終わることもできる。
そうして考えている間にも
どんどん管は増えていく。

今まで終わりからの逆算なんかで生きていなかった。
手に入れたら、また違うものを探して
常に持ち切れないものを持って
そしてまた両手を広げて
欲しいものを手にして
いつもないものねだりで
常に探していた。
もがけばもがくほど
走れば走るほど
点滴の数は増えていく。
また命がのばされていく。
生かされていく。
平等に与えられた
24時間 と
終わり を
どうもがくのかはあなた次第、あたし次第。
静かに終わりを待つのも
静かに終わらせるのも
静かに心を燃やすのも
あなた次第、あたし次第。
終わりはどうしても避けられないなら
この点滴で生かされているのなら
あたしは1年足らずの余命を言われたのなら
とことん生きてやる。
生かされているまで、
終わりが来るまで
とことん生きる。
傷なんてこわくない、恐れはあっても
それ以上にいつかくる終わりのときに
今のままなんてそっちの方が恐ろしい。
強くなった瞬間に終わってもいい。
今この瞬間より強くなってんだったら、断然いい。
逃げなかった、向かい合った
その1年はきっとかけがえのないものになるはず。
そして
きっとまた、点滴の管はふえてく。
かっこいい栄養いれてよね。
絶対かっこよくなるからさ。
腕には管のあとが残るはず。

それでいい。