「なるほど」というのは魔法の言葉だと私は思っている。
肯定と納得の意を端的に示していて、それに実際声に出して発してみると語気も強い。
言外に「参りました」の含みも漂わせている。
まあ多分に言い方の問題にもよるが私は好きだ。
言うのも言われるのも好きだ。
ただこれに余分な語が付き、「なるほどですね」となると腹が立つ。
それは取りも直さず「なるほど」と心底は思っていないからこそ出てくる言葉なのだと思う。
単語と単語の妙ちきりんな組み合わせで奇っ怪な言葉を作り出すのは止めてほしい。
造語の全てを否定するものではない。変わることにより日本語も発展する。
しかし遣う側も精査する必要がある。そうして淘汰されてゆくべきものだ。
なんでもかんでも、考えなしに、巷でよく耳にするようになった言葉を右から左に垂れ流すようではいけない。
この素晴らしい言語が衰退することのないよう扱いたいものだ。