彼が仏式で葬られたのか、クリスチャンとして死んだのか、はたまた回教徒だったのかはもう忘れたし、そんなことはどうだっていい。
確かなのはあれから6年が経過したということだ。
一周忌は亡くなって1年後に執り行われるもので数字にブレはないのだが、七回忌はその人が「死んだその日が7回目」ということなのであろう、だから今年2015年の5月2日は“忌”野清志郎が亡くなって6年目ということになる。
彼が死んでからこの国では未曽有の大地震が東日本を襲い、世界でも有数の原子力発電所が津波により崩壊した。
それから彼はまるで予言者のようにこの国では扱われてしまった。
「地震の後には戦争がやってくる」と生前に語っていた彼のメッセージが多くの人々の不安な心に突き刺さった。
彼は本当に凄いのか?本当に神懸かりなアーティストだったのか?
ズルいよ、清志郎。だってもうあなたは死んじゃってるんだもん。
死んでからこういう扱いを受けるタイプの人だったっけ?「やっぱあいつはすげえや」で満足する人だったっけ?
どうしても信じられないけれど、知らないんですよね、あなたは。あの日を。その後の日本を。あなたはもういなかったのですよね?
あなたは生きていなくてはいけなかった。
生きて何かを叫んでいなくてはいけなかった。
生きてその声で歌うべき歌を歌っていてほしかった。
この国はどうですか?清志郎さん。
どこに行こうとしていますか?
そこから見えますか?