磯野波平の声の主、声優で俳優の永井一郎さんが先日亡くなられた。
45年間波平の声を担当していらして亡くなられたのは82歳ということだから、最初に波平を演ったのは37とか8ということになる。
ここで1つの疑念が湧くのだが、波平とはいったい幾つなのか?
かつお・わかめの年から考えてもせいぜい行って50前後だと思われるが、それにしても老けている。
どこかのテレビが「45年もの間、日本の“お父さん”を演じ続けてきた」と言っていたが本当にそうか?本当にそう思っているのか?
あの「お父さん」はみんなの理想の「お父さん」なのか?
その割りにはあんな「お父さん」1人もいない。
「1人も」というのは語弊があるかもしれない。日本全国探せば何人かはいるだろう。
にしても、多数派ではないはずだ。少なくとも私の父は違ったし、父となった私も波平とは掛け離れている。
日曜日の夜6時。昭和40年代の日本の生活を描いたアニメーションが2本続く。
なぜか?
我々は何を求めてこんな小昔の風景を見て「昔は良かった」的な感慨に耽るのであろうか?
それを今を生きる子供に見せてどうしたいのか?どうなって欲しいのか?
今の世の中、何かが足りないのか?その足りないモノを子供に感じ取って欲しいのか?ならば何が足りないと我々は感じているのか?
それを2本のアニメーションに、波平に見るのか?
スマホ、パソコン、インターネット、ファクシミリ、コンビーニエンス、電子マネー、電子書籍、CD、DVD、ファミコン、プレステ、エビアン、ティラミス、いちご大福。
もうあの時代には戻れない。手に入れたものを手に入れていないことにはできない。
ならばどうするのか?そこまでの考えがあっての放映なのか?日曜夜6時なのか?
よ~く、よ~く考えて、都民のみなさん、選挙に行きましょう。