独身貴族吾輩はいま独身貴族である。なぜなら細君と娘は細君の里に帰っているからである。「実家に帰らせていただきます!」的な修羅場があった訳ではない。休暇が取れたので息抜きしているのである。この際、独り身を謳歌しようと思うのである。さあ、何をしよう。………………………。なんにも思い付かないのである。一心不乱に働くだけである。娘のいない部屋は火が消えたようである。つまらない。早く帰って来ないかなあ。