生きづらさ、うつ改善カウンセラーの原 つよしです。

 

今日は、「ACT」という療法についてです。

下記のような悩みを抱えている人に効果的です。

  • 「ネガティブな感情を消したい」「考えないようにしたい」と感情回避を繰り返している

  • 不安や恐れが強く、やりたいことを先延ばししてしまう

  • 「こうあるべき」に縛られて、自分の価値観が見えにくい

  • 症状を完全に無くす治療よりも、自分らしく生きたいという願いがある

ACTとは、(アクセプタンス&コミットメントセラピー)の略語です。

 

これは簡単にいえば「思考や感情を変えようとせず、受け入れる。そして、自分の価値に沿った行動をする」という療法です。

 

言い換えると「避けることよりも受け入れ、価値に基づいて生きること」とか「感情と戦うのではなく、抱えながら前に進む」ということです。

 

ACTは、以下のような人に適しているといわれています。

  • うつ、不安、PTSD、慢性疼痛、依存症などの心理的問題を抱えている人

  • 過去のトラウマや喪失を抱え、前に進めない人

  • 感情のコントロールが難しく、人生の目的を見失っている人

  • 過去の後悔や未来の不安にとらわれがちな人

ACTの基本的な考え方は、「心理的柔軟性(Psychological Flexibility)」を高めること です。

 

これは、苦痛な感情や思考を抱えたままでも、自分にとって大切なことを実行できる能力(柔軟性)のことを指します。

 

【セルフカウンセリング】

ACTは、以下の6つのプロセスを通じて心理的柔軟性を高めます。

 

  1. 認知的脱フュージョン(Cognitive Defusion)

    • 思考を「絶対的な真実」として捉えず、「ただの考え」として距離を置く方法。

    • 例:「私はダメな人間だ」と思ったときに、「私はダメな人間だと思っている」とラベリングする。

  2. アクセプタンス(Acceptance)

    • 不快な感情や思考を排除しようとせず、そのまま受け入れる。

    • 例:悲しみや怒りを「悪いもの」として抑え込まず、「そう感じている自分」を認める。

  3. 現在の瞬間(マインドフルネス)(Present Moment)

    • 過去や未来の思考に囚われず、「今」に意識を向ける。

    • 例:過去の後悔にとらわれるのではなく、「今、自分ができること」に集中する。

  4. 自己としての文脈(Self-as-Context)

    • 「思考や感情を持つ自分」と「本来の自分」を分けて考える。

    • 例:「私は苦しんでいるが、それが私のすべてではない」と認識する。

  5. 価値(Values)

    • 自分にとって本当に大切なものを明確にする。

    • 例:「家族との関係を大切にしたい」「人を助ける仕事をしたい」など。

  6. コミットされた行動(Committed Action)

    • 大切な価値に基づいて行動する。

    • 例:「人とのつながりを大切にする」という価値に沿って、新しい出会いを大事にする。

まとめると

「無理に気持ちを変えようとしない」

「過去を否定せず、今と未来に意識を向ける」

「自分にとって本当に大切なことを見つけ、それに沿った行動をとる」

ことで、前向きな人生を取り戻していくことができます。

 

「苦痛をなくす」ことではなく、「苦痛と上手に付き合いながら、自分にとって価値のある人生を生きること」を目指す療法です。

 

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