生きづらさ、うつ改善カウンセラーの原 つよしです。

 

前回のブログでご紹介しましたが、私がカウンセリングで主に活用しているのは、

1.認知行動療法

2.対人関係療法

3.ACT

4.弁証法的行動療法

5.ブリーフセラピー(短期療法)です。

 

勿論、相談者さんの相談内容や性格などを考えながら、それぞれの療法を組み合わせたり、私なりに工夫したり、5つ以外の療法や理論なども取り入れたりしています。

 

まずは、そもそも「心理療法とは?」を簡単に。

 

 心理療法とは、こころの問題や生きづらさ、ストレス、うつ、不安、人間関係の悩みなどを、カウンセラーとの対話を通して改善・解決していく方法です。
 

「話すこと」「気づくこと」「考え方や行動を見直すこと」などを通じて、こころの回復を目指します。

 

というわけで、今日はうつ病に効果のあると言われている心理療法で最も代表的な認知行動療法」についてです。

 

一言で説明すると【認知行動療法】は、「思考(認知)」と「行動パターン」を修正していきます。

 

たとえば、「職場でのパワハラでうつ病になり、休職した人の場合」のカウンセリングの流れです。

 

1.まず、出来事を書き出します。

 

・上司が他の社員の前で「仕事が遅い、やる気がない」と大声で叱責。

・これが何度も続き、ついに休職を決断した。

 

2.次にそのときの感情と数値化(0~100)を書きます。

 

恥ずかしさ 90,怒り 80, 悲しさ 85,不安 70。

   
3.そのときに、頭に浮かんだ考えを書きます。
  • 「自分はダメな人間だ」

  • 「上司に嫌われている。誰も味方はいない」

  • 「どこに行っても通用しない」

4.その根拠(裏付け)を書きます。

  • 上司から何度も「やる気がない」と言われていた

  • 叱責中、同僚が何も言わず目を伏せていた

  • 過去に業務の納期に遅れたことが数回あった

5.その反証を書きます。

  • 納期遅れは人員不足と突発業務が原因で、私だけの責任ではなかった

  • 他の同僚から「あなたの資料は分かりやすい」と評価されたことがある

  • パワハラは上司の言動パターンで、他の同僚も被害にあっていた

6.代わりの考え(バランスのとれた思考)を考えます。

  • 「私は一部の業務で遅れが出たが、能力がないわけではない」

  • 「上司の叱責は職場の構造的な問題であり、私だけが標的ではない」

  • 「私には評価してくれる同僚や、支えてくれる産業医がいる」

  • 「職場を変えることで、安心して働ける環境を選ぶことができる」

7.代わりの考え方をしたときの気分の変化を書きます。
恥ずかしさ 50、怒り 40、悲しさ 45、不安 35
「少なくとも“自分が全て悪い”わけではない」と実感し、気分が軽くなった。
 
8.今後のプランを考える。
  • 自己ケア:毎日の睡眠・散歩・気分記録を続ける

  • サポート活用:産業医・労働相談窓口・カウンセリングを継続

  • 復職・転職準備

    • 自分の得意業務・評価された仕事を棚卸し

    • 安全な職場環境の条件をリストアップ

  • アサーション練習:小さな範囲で「自分の意見を伝える」練習をする

すぐに効果があるわけではありませんが、思考の癖に気づき、柔軟で前向きな視点を育てることを目指します。

 

 

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