昨日父が旅立った。


オレは何の為に今まで頑張ってやって来たのか。
ただ呆然と立ち尽くした。

そもそも、なぜ不動産をやろうと思ったのか。

交通事故に遭ってからというもの、
自分には何一つ誇れるものがない気がして、いつも不安の中にいました。

アパレル企業で働いていても将来は安定しているとは思えず、
びまん性軸索損傷という後遺症を抱え、
人より劣っているんじゃないかというコンプレックスばかり。

突然てんかんを起こす可能性だってゼロじゃない。
周りの人のように残業をして、上司に頭を下げて出世していく未来も、正直想像できませんでした。

そして何より、親が心配していた。

「このままじゃダメだ」
何かを変えなきゃいけない。

そう思いながら模索していた矢先、
加藤先生、ラガさん、サウザーさんに出会い、不動産の門を叩きました。

気がつけば、法人6期目。
戸建9棟、アパート1棟、無借金で経営を続けながら、サラリーマンも続けています。

不動産で結果を出せたら――
父をハワイに連れて行こう。
あそこにも連れて行ってあげたい。
家族みんなで旅行したことがないから、休日を合わせて集まろう。
これを買ってプレゼントしよう。

そんな妄想を膨らませながら、ここまで頑張ってきました。

でも現実は残酷でした。ステロイド、モルヒネ、抗がん剤も何をしても効かない。

「もう手の施しようがありません。
あともって2、3日です」

主治医からそう告げられた時、
頭の中が真っ白になりました。

あの時決断していれば。
あの時もっと行動していれば。
なんでもっと一緒にいてあげられなかったんだろう。

先月まで元気だった69歳の父見て、
「まだまだ長生きする」なんて、どこかで余裕を持っていた自分に腹が立ちました。

どれだけ悔やんでも、どれだけ泣いても、
もう生きている父には会えません。

亡くなったあと、病院の安置所でも、
自宅に戻ってからも、
ずっと父の冷たい手を握っていました。

こんな思いをするなら、
もっとたくさん会いに来ればよかった。

今までの努力の先には、
「父を喜ばせる未来」がありました。

でも、そのゴールは突然消えてしまった。

過ぎた時間は取り戻せない。
胸の中がぽっかり空いています。

これからは、父のために頑張るのではなく、
――父が生きた証を、守りながら生きていこうと思います。