前回の記事の続きです。
(3回表) 相手の攻撃
わが校の投手&守備交代。6番打者の二塁手に代わり新たに投手が入る。それまでの投手(8番打者)がセカンドの守備につく。6番投手、8番二塁手となる。
⑥レフト前ヒットで出塁 無死一塁
⑦見事送りバントを成功させる 一死二塁
⑧セカンドフライを打ち上げる 二死二塁
⑨セーフティーバントを試みるもギリギリのタイミングでアウト! 3アウトチェンジ
(3回裏) 自軍の攻撃
①デッドボールで出塁 無死一塁
②センターフライに倒れる 一死一塁
一塁走者盗塁成功:一死二塁
③ライト前ヒットを放つ 一死一三塁
④ライト前タイムリーヒットで1点を返す! 2-3 一死一二塁
〈相手校の伝令(1回目)〉
⑤初球を打ってセカンドフライに倒れる 二死一二塁
⑥ライトフライに倒れ3アウト チェンジ
3回表の守備。
この回からわが校の投手が代わる。
2番手でマウンドに上がった投手は、左のサイドスローに近い変則派投手であった。
相手校の打順は下位に下がっていくが、先頭打者にヒットでの出塁を許してしまう。
ここでの失点は避けたいところだが、次の打者が走者を送った後、(一死二塁から)その次の打者を打ち取ったのが大きかった。
2アウトからその次の9番打者も無事打ち取り、この回を無失点でしのいだ。
3回裏の攻撃。
幸先よく出塁した先頭打者を何とか生かしたい。
先頭打者が出塁して無死一塁となったところで、相手投手のクイックタイムを計測すると1.57秒という数字が出てきた。
この投手は、走者がいない時には、左足を上げてから下ろす際にちょっと独特な動きを見せるのだが、クセのある投球動作が影響してか、クイックタイムはかなり遅めであった。
前回の記事にも書いたが、攻撃側からしたら絶対に盗塁を決めなければいけない数字である。
しかも出塁したのは1番打者。
「何してんだよ、早くスタート切れよ」と思って見ていたが、続く2番打者がフライを上げてしまい、一塁走者は動けない。
次の3番打者の時にようやく盗塁を決め、ひとまず安心といったところ。
なお、この時の投手のクイックタイムは1.64秒と、前よりも輪をかけて遅くなっていた。捕手の二塁送球タイムは2.05秒と(高校野球レベルとしては)悪くない(少なくともわが校の捕手よりもレベルが高いと言える)が、盗塁阻止に関しては捕手には気の毒としか言いようがない。
走者が盗塁した後、3番打者がヒットを打ったので1点獲得…と思いきや、本塁を突くには際どい当たりだったので、三塁コーチャーが二塁走者を三塁で止め、この段階ではまだ点が入らない。
この時点でまだ2点ビハインド(一気には同点に追いつけない)の状態であること、さらには二塁走者のスタートがあまり良くなかったことも考え合わせれば、決して間違った判断ではない。
ただ、それならせめて(一三塁となったところで)一塁走者には盗塁してほしいところだったが(相手投手のクイックタイムがわが校の走者にとって“ボーナスステージ”であったため)。
この一塁走者(3番打者)の脚力がどれほどのレベルなのか私は知らないが、極端な鈍足には見えなかったのでここは是非とも二三塁に持ち込むことを考えてほしかった(次の4番打者がタイムリーを放ったので余計にそう感じた。二三塁なら同点に追いつけた計算となるため。まあこれも結果論にすぎないのだが)。
(4回表) 相手の攻撃
①2球目を打ってセカンドフライに倒れる 1アウト
②センター前ヒットを放つ 一死一塁
③フルカウントからレフト前ヒットを放つ 一死一二塁
④ボテボテの打球がピッチャー前内野安打となる 一死満塁
⑤左中間を破るタイムリースリーベースで3点追加! 2-6 一死三塁
⑥フォアボールで出塁する 一死一三塁
わが校の投手&守備交代。6番打者の投手がライトの守備につく。5番打者の右翼手が下がり、代わった選手がセカンドの守備につく。8番打者の二塁手がショートの守備につく。2番打者の遊撃手がマウンドに立つ。2番投手、5番二塁手、6番右翼手、8番遊撃手となる。
一塁走者盗塁成功:一死二三塁
⑦フォアボールで出塁 一死満塁
⑧サードゴロ(二塁走者がアウトとなる)の間に三塁走者が生還し1点追加! 2-7 二死一三塁
⑨セーフティーバントを試みるもピッチャーゴロとなり3アウト チェンジ
(4回裏) 自軍の攻撃
⑦初球を打つもライトフライに倒れる 1アウト
⑧タイミングを崩され、泳がされるようなスイングで空振り三振を喫する 2アウト
⑨フォアボールで出塁する 二死一塁
①痛烈なライナーをピッチャーがキャッチして3アウト チェンジ
4回の攻防は両軍の明暗をはっきり分ける格好となった。
4回表の守備。
幸先よく先頭打者を抑えるも、その後3連打を浴び満塁のピンチを招く。
一気に3本のヒットを打たれても(この時点で)失点していないのはある意味ラッキーだが、この3本のヒットの中には、打ち取った当たりが内野安打になるなどの不運なものもあり、試合の流れが相手側に傾きかけていることを徐々にではあるが実感することになる。
一死満塁としたところで、次の打者の初球。
左中間を完璧に破る走者一掃のタイムリーで3点を失う。
3連打を浴びても全て単打だし失点してないから、流れはまだこちらにも残っている。
そんな望みを見事なまでに消し去るタイムリーとなった。
タイムリーを打たれた次の打者に四球を出したところで、2番手の投手は交代。
3人目にマウンドに上がったのは、右の上投げ投手(1人目とは違う人)であった。
変わった直後の先頭打者に四球を出すなど、この投手もピンチを広げたものの、何とか内野ゴロによる1点(2番手投手が出した走者)のみに抑え、ピンチをしのいだ。
なお、この内野ゴロの際、三塁ベース付近で捕球したサードがまず目の前の三塁ベースを踏んで1つめのアウトを取り、その後に一塁に送球したものの打者走者はセーフとなった。
その間に2人目の走者が本塁に生還しようとしたのだが、わが校の一塁手が本塁に送球しその走者が三本間で挟まれることに。
このプレーで(なかなかタッチできずに)少し時間がかかったのだが、これを読んでいる方は何かおかしな点に気付かないだろうか?
実はこの挟まれていた走者というのは、もともと二塁にいた走者である。
満塁の状況だったため、わが校の内野手が三塁ベースを踏んだ時点で二塁走者はアウトになっているはずである。
両軍の選手(二塁走者及び守っている野手)が一瞬そのことに気付かずに追いかけっこをしていたのである。
こうして文章にするとはっきりわかるのだが、現場で試合を見ている時には私も一瞬何があったのかわからなくなり(審判によるアナウンスがなされるような場面でもないので)、試合を見ていた現役部員(と思われる生徒)の中にも「今何があったんだ?」という表情をしている人が見受けられた。
4回裏の攻撃。
嫌な流れを引きずっているのか、思うような攻撃ができない。
2アウトからやっと1人走者を出すものの、後続の打者が放った打球は、そこそこいい打球ではあったもののピッチャーライナーとなり簡単に攻撃が終わってしまう(一塁走者が盗塁することもできなかった)。
チャンスを作ってはいるものの、いまいち攻めきれない。
一つ一つのプレーから運をつかみきれないわが校と、運も味方につけ差を広げる相手校。
こうした違いが表れているかのような攻防であった。
長くなったので、一旦ここで区切ります。
続きは後ほど。
(続く)