免疫の話:

和歌山県立工業技術センターでの講演から:(5

免疫細胞とパン酵母ベータグルカン


東京はかなり冷え込み、11月上旬の気温でした。こんな時、疲れていると、免疫細胞の働き、簡単に言えば、ウイルスや感染菌を食べる 力が弱っていますから、風邪をひき易くなります。


そんな時に最も大切なことは、免疫細胞が正しく活発に働くこと、ウイルスや感染菌を食べる力を強化することです。


免疫細胞の働きを活性化して強化するパン酵母ベータグルカンの摂取の大切さが分かります。


病気になった時だけでなく、日常のちょっと疲れ気味の時の利用は、病気の予防にも大きな役割を果たします。


前回もお話ししましたが、免疫細胞のレセプター(受容体)と完璧に組んで働き、免疫細胞を活性化する唯一の成分パン酵母ベータグルカンであることが、免疫学の研究で明らかにされています。


1981年のことです。パン酵母ベータグルカンに関する研究は、1950年代から、一説にはそれ以前から、始まりましたが、欧米各国の様々な実証・確認も、長い道のりでした。


前回は化学式から、アガリクスや花びら茸などとの違いなど、その理由を簡単に説明しましたが、今日は、具体的にパン酵母ベータグルカンについて、改めてお話ししましょう。


何度かお話しましたが、パン酵母の細胞壁から抽出されて精製されたパン酵母ベータグルカンは、3~5ミクロンの、ミクロの単位(1ミクロンは1ミリの1000分の1)の袋状の粒子で、針ねずみの針、あるいは、栗のイガのように、おびただしい突起が着いています。


その突起が、免疫細胞を目指すアンテナの役割を果たすことが解明されています。アンテナを持ったパン酵母ベータグルカンは、胃で消化吸収されることなく、小腸を目指し、さらに、小腸の白血球内部に点在する免疫細胞:マクロファージに直行して、待ち受けていた免疫細胞のレセプター(受容体)にガチリと完璧に組み、パン酵母ベータグルカンを得た免疫細胞は、その働きを活性化します。


パン酵母ベータグルカンの免疫活性に作用する働きは、摂取後72時間有効であることも、検証・確認されています。


しかし、おびただしい突起を持つパン酵母ベータグルカンは、その突起がひとつ欠けただけでも、アンテナとしての役割を果たすことができない、ゆえに、免疫細胞に行き着くこともできない、非常に繊細な成分です。


電子顕微鏡で見るミクロの世界で、突起がひとつも欠けることない、完璧な形で抽出する技術が確立されるまでに、1981年の解明から、さらに、10年の歳月がかかりました。


突起がすべて揃った完璧な形の、免疫細胞に直行できるパン酵母ベータグルカンの抽出技術が確立されるまで、そしてまた、1981年の解明以前から、突起が欠けた状態のパン酵母ベータグルカンは、栄養成分としての効用から、欧米各国でも日本でも、家畜や魚類の飼料として利用されてきました。


それが、パン酵母ベータグルカンの安全性の立証にもなりました。


免疫細胞に直行できるパン酵母ベータグルカンが製品として利用できることになったことは、電子顕微鏡で見るミクロの世界の技術の恩恵で、それを享受できる幸運に、研究者として感謝の想いでいっぱいになります。


近年はさらにパン酵母ベータグルカンの研究が進み、免疫活性だけでなく、癌のNK細胞に対する効用など、動物・人・試験の新しい症例も多数報告されています。


次回は、米国の医学雑誌でも報告されている具体的な効用などをお話ししましょう。


明日も冷え込みそうです。暖かくしてお過ごしください。コメントやお問い合わせ、大歓迎です。