一日中雨の日。
彼はは目的地に向かって、黙々と先を急いで歩いていた。
私のことなんて忘れたみたいに、あまり喋らずに。
たぶん、頭の中が目的地に集中しているのかもな、とは思った、
以前の私だったら、こういうとき
「機嫌悪いのかな?」
「私といて楽しくないのかな?」
「なんで喋ってくれないんだろう?」
「なんで気づいてくれないんだろう?」
と頭の中でいろいろ考え始めていたと思う。
でも「なんか機嫌悪そうー」
笑いながらそのまま伝えた。
すると彼は黙々と歩いている理由を答えた。
そして帰る時間になると「どうする?」って聞いてくる。
以前なら、この「どうする?」にも、私はいろいろな意味を感じ取ろうとしていたかもしれない。
でも今日は、おちゃらけて「GOする?」
なんて言ってみたりして🤣
電車移動のデートの日は私の路線まで来てくれる。
密着した時間を持てないのは寂しくて少し不機嫌になってしまっていた。
でも「今日はノーベタベタで終わり?」
とも聞いた。
彼は困ったような感じで、はっきりした答えはなかった。
でも、不思議と嫌な気持ちにはならなかった。
言ったから、気が済んだ。
それだけだった。
一日中雨だったから、傘をさしていて手も繋げない。
「雨だから手が繋げなくてつまんない」
と言った。
彼は「晴れ男」だといつも言っているから
「手も繋げない。」
「晴れ男パワー出してよ笑」
なんて言いながら私はずっと笑っていた。
でも今日はそれを二人で笑えることに変えられた。
この日の私は、ちゃんと自分の気持ちを言えていた。
でも、責めていない。
深刻にもしていない。
相手の反応をコントロールしようともしていない。
ただ「私はこうしたい」と言っている。
「寂しい」
「手を繋ぎたい」
「ベタベタしたい」
「つまんない」
そんな小さな気持ちを、その場で軽く出していく。
だから、モヤモヤが溜まらなかった。
今までの私は、小さな不満を飲み込んでしまうことが多かった。
言えない。
我慢する。
気にしないようにする。
でも、本当は気にしている。
そうやって少しずつ溜まっていって、最後には大きな不満になってしまう。
そして爆発する。
そんなパターンを、私は何度も繰り返してきた。
今日、そのパターンを一つ塗り替えた。
モヤモヤしたら、小さいうちに言う。
でも、責めない。
「あなたが悪い」ではなく
「私はこうしたい」
と伝える。
そして言ったあとは、相手の反応を追いかけない。
今日の私は、それができた。
そして実際、言いたいことを言ったのに、空気は悪くならなかった。
これが一番大きかった。
「言ったら関係が悪くなる」
という怖さが、少し薄くなった。
たぶん、そこにはもう一つ理由がある。
私は今、彼も私を好きなんだと少し信じられるようになった。
だから
「こんなことを言ったら嫌われるかな」
という怖さが以前ほどない。
好きでいてもらうために、自分を調整する必要がなくなってきた。
深刻にしない。
責めない。
我慢して溜めない。
小さなうちに、軽く言う。
そして笑う。
私の恋愛の仕方が少し変わった日。
いつものパターンを、自分で一つ塗り替えた日。
今日は、そんな転換の日だった。