新型コロナウイルス・ワクチン接種2回目 | pseudocolorのブログ by ハカセ

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本ブログは、当管理人が在米中の2004年に開設して長年続けたホームページ運営から引き揚げつつ、もっと手軽な書物記事をやろう、という安易な発想で始めたものです。読まれた方が少しでもクスッとしていただき、記事に対して「いいね」してくださればそれで満足です、ハイ。

昨日(5月18日)、いわゆるファイザー製ワクチンの2回目を接種した。

 

一日経って、やはり腕が痛い

1回目接種時よりも痛みが若干強いように思える。

 

 

この核酸ワクチンと呼ばれるワクチンの本質はDNAやRNAなどの核酸分子の断片で、

ファイザー製のワクチンの根本はmRNA、つまり

『めせんじゃー・あーる・えぬ・えー』

である。高校の生物で「伝令RNA」とも習っているはずだ。また、mRNA以外にもRNAにはいくつか分類があること(tRNA:転移RNAなど)も習っているはず。

 

で、このRNA。非常に壊れやすい。というか、RNAを壊す酵素(RNase)が体内の至る所にあり、また、身体から分泌され、いろんな器具に付着して残存している。そういうRNaseで『汚染』されたものに触れると、RNAはいとも簡単に壊れてしまう。

 

DNAを壊す酵素(DNase)も同様だが、両酵素の特徴には極めて大きな違いがあり、その点がRNAを扱う上で非常に苦慮する点だ。それは・・・DNaseは熱に弱く、煮沸でもしようものなら簡単にぶっ壊れてしまう一方で、RNaseは、DNaseと比較して非常に丈夫で熱にも強いということだ。したがって、我々研究者がRNAを扱う時に最も気に掛けるのが、このRNaseの処置だ。RNaseを分解する物質などを使ってあらかじめRNAが触れる可能性のある器具のRNaseを壊しておいたり、あるいはもとから「きれいな(DNaseやRNaseが付着していない)」ディスポーザブル(使い捨て)の器具を用いるのが基本だ。また、実験・研究での話だが、RNAを含んだ液にはRNaseインヒビター、つまりRNaseの作用を阻害する物質を共存させておいたりする。

 

ここで、もうひとつ余談を語ると、いま日本では、PCR検査が以前より盛んに行われるようになったため、通称『チップ』と呼ばれる小さなディスポーザブルの物品が品薄状態になっていて、核酸を扱う研究者としては、非常に困った事態に陥っている。核酸を含んだ液体を吸い取る器具の先端に付けるのがチップ(ほかにも全く別の核酸用チップがあるが、これはまったくの別物)なのだが、RNasefreeつまりRNaseの付着していないきれいなチップが入手しづらくなっていて、核酸を扱う研究者にとっては非常に由々しき問題なのだよ!!

 

ま、それはさておき、

この脆弱なRNAをヒトの筋肉の細胞の中まで届けて筋肉の細胞に抗体をつくらせるわけだが、そのために、mRNAを細胞の中に送り込む(トランスフェクション:導入)薬物がリポフェクタミン(一応登録商標と呼ばれる脂質の物質で、私も20年ほど前からこの類の薬物を実験で使用していたが、ともかくもう滅茶滅茶高価な薬物だった。今はその種類も増え価格も下落したが、それでも1mL(1cc)あたり80,000~100,000万円ほどする。自分の場合、実際に一回の実験で使用する量は0.01~0.1 mL程度ではあるが、それでも高い。

 

このリポフェクタミンmRNAのセットをRNaseによって分解されることなく無事に細胞の直前まで届ける為に、当該ワクチンではポリエチレングリコール(PEG)が使われている。このPEGがワクチン接種による副反応の原因物資である可能性が最も高いだろうと思う。リポフェクタミンも細胞毒性がないこともないが、その毒性は実験レベルで使われている他の遺伝子導入薬と比較してもかなり低い。というのも、私自身もリポフェクタミンも含めて5種類ほどの遺伝子導入薬を数種類の細胞に負荷し、遺伝子導入率や細胞毒性を確かめている。したがってこの主張は、ヤフコメ民などと揶揄される人々がヤフーコメントなる掲示板でよくやる「確たる根拠の無い自分の主張にとって都合のいい情報・・・これだけを集めた伝聞による主張」ではない点に注意してほしい。そこんとこよろしく。

さらに、mRNAもそれ自体何の毒性もない。むしろ「外から入れたmRNAが細胞の中でうまく働いてくれる方が難しい」くらいだ。

こういった点を勘案すれば、副反応の主因は、この壊れやすいmRNAを保護するためのPGEによるのはまず間違いないといえる。

 

ちなみに、余談だけど、

医学や分子生物学、生化学、あるいは農学もそうだけど、mRNAを扱う、あるいは学んだ人は、mRNAと書かれていたら「めっせんじゃー・あーる・えぬ・えー」と躊躇なく発語する。

「えむ・あーる・えぬ・えー」

とは、普通は言わない。

 

もうかなり以前だけど、私が米国でポスドクやっていた時代は、まわりの英語ネイティブの研究者らは

 

「えむ・あーる・えぬ・えー」

というか

「えまあーれねえー」

などと言った発語をしていた。

私もそれに倣って、4年間の研究留学を終えて日本に帰国してからは、わざとらしく気取って

ま、あれだな。えまあーれねーがさぁ、・・・

などと、如何にも

「あ!私、米国帰りですので・・・ついついその言い方がでてしまいまして」

などと口には出さないが、アホな虚勢を張ったりもしてた(若かったなぁ・・・遠い目)。というか、最近じゃ学会発表とか言いていると「えむあーるえぬえー」の発語も結構おおくなっているきもするが。。。考えてみれば、学者の世界では長短の違いはあれど、ほとんどの研究者に海外のラボの留学経験がある。別に「凄いこと」でも何でもない。どんどん上に上がっていく(教授やPI:そのラボの責任研究者などになる)ためには必要不可欠なことだ(つーか、中学・高校あたりでもそういう言い方も教えてるのか?それはわからないけど)。

 

逆に言うと、海外経験があっても、出世できない研究者はごまんといる。え?アーシですか?

はい!アーシは出世できない研究者の代表みたいなものです!

・・・落ち着きます。

 

ま、ともかく、コロナワクチンによる副反応はPEGによるものでしょうし、副反応の発現を抑えるためには、今後、PGEに代わる物質を保護剤として入れるのがいいでしょう。