その日…私はとある事情で帰宅できず、出かけていた某所から、夜、地下鉄にて職場に戻ったのであった。
理由は様々だが、帰宅せずに職場に泊まることは、私にとってよくあることだ。
時刻は22時過ぎ。
溜まりに溜まり、はち切れんばかりの我が膀胱内のエキ体をば、職場最寄りエキのトイレにて放出するという有エキな小時間を過ごすべく…
というか、実際は切羽詰まった状況で
「あー、漏れる漏れる漏れる漏れるぅ~!」
と、声には出さずに駅構内のトイレに駆け込んだのだった。
先客が一人いた。
30代前半と思しきサラリーマン風のその男は、私が入ってきた途端、驚いたような、急に背筋を伸ばすような、ともかくおかしな恰好をしたのがはっきり分かった。しかし、今の私にとってそのようなことなど取るに足らない。
私の眼に男子用便器が飛びこむと、たまらずにじり寄り、気が付くと私はズボンのチャックを開け、そして、、(以下自粛)。
「あーーーーーーーーー、き、きもつえええわああぁぁぁ…」
と、声に出たかどうかは定かでないが、私はこの世の至福の時を味わっていた。
ふと気が付くと、先ほどの男性(推定35歳、会社員)が私の右後方の個室が4つほど並んだところにが立ち、こちらを見ているのに気が付いた。私が言うのも何だが、最初から非常に挙動不審で、何やらオドオドしたような、それでいて、心に一物あるかのごとき只ならぬ様子であった。他に使用者はいない。その挙動不審の男と私しかその場にいなかったのだった。
私は、
《あ!こ、これはきっとボク、イタズラされちゃうぅ~》
と自分がその男に無理やり個室に連れ込まれて、恥ずかしい行いをされるという恐怖心に襲われ
《どうしよう?もしあんなことされたら、噛み切ってやろうかな?》とか
《もしこんなことされたら、ああやってこうやってやろうかな?》などと
そしたら。。。震える声で
「あ、忘れ物してますのでぇ。ええ、ええ、はい。はい」
という、なんだか一人芝居のような声で電話をしている(様に見えた)のだった。
私はようやく放尿完了となり、あとは尿道内に残存する尿を捻出するのみとなり、
「ん!ん!」
とばかりにピクピクと「ナニをなにしている段階」で、今、背後から襲われたら何ともと恥ずかしい間抜けな格好であったのだ。
しかし、
私の心配をよそに、その男はトイレを後にした。
だが、1つ不自然な点が・・・その不自然な点とは・・・つまりその男、なぜか同じようなビジネスバッグを2つ手に持っている。
(なんやねん、コイツ?)
と思いつつも、まあ襲われることなく無事用を足せたので、トイレを後にした(あ。手ぇ、ちゃんと洗ってるよ!)
ふと見ると、駅事務所のあたりで、あの男が何やら駅員に話しかけている。
聞くともなしに聞いていると!
なんと、彼はトイレで忘れ物のバッグを発見し、それを駅員に届けていたのだった。。。。
(エエ人やったんやん!あの人!)
おそらくは、忘れ物を着服しようとしていると疑われるのが怖くて、彼は挙動不審になってたのだろうな。
でも、そんなの誰もわからないと思うから、堂々としていればいいのにん(何とか大サーカスの人みたいな)。
あ、それとも、本当にそうしようと思っていて、人(私)が来たから慌てて行動し直したのかな?
って、疑っちゃあいけませんね(💦)
正直な人のことを!
いろんな意味で!
猛省