気になるひと女性(ひと)がいます。。。 | pseudocolorのブログ by ハカセ

pseudocolorのブログ by ハカセ

本ブログは、当管理人が在米中の2004年に開設して長年続けたホームページ運営から引き揚げつつ、もっと手軽な書物記事をやろう、という安易な発想で始めたものです。読まれた方が少しでもクスッとしていただき、記事に対して「いいね」してくださればそれで満足です、ハイ。


早朝5時半。

乗っていたJRの電車が都内の某駅に着く。
「眠い・・でも降りなければ・・・」
気合いを注入するように両頬を手でたたき、
私は無理に自分を奮い立たせる。
電車から地下ホームに降りた乗客がエスカレーターに一気になだれ込む。
そう、「一気に」という感じだ。

この時間でも、この駅には降りる客が多勢いる。
自分が乗ったばかりはガラ空きだった電車も
駅に着く頃はシートの空きもほんの僅かになるくらいに混んでくる。
それでもラッシュに比べればとても空いている状態だ。

自分が朝の、このバカっ早い時間に出勤するのは、
別に誰かから奨められたり
強要されたりしたわけではない。
あくまで、自分の判断と勝手気ままな決めごとだ。
そう、自己満足の範疇。

早朝出勤ということは、
その分、夕刻は17時前には職場を後にする・・・けど、
なんだかんだで夕刻以降に仕事が入ってしまう場合は帰れないけど。
帰れなくとも、職場は当直スタッフの為の設備も完備しているので不便は無い。
週に何回かは、むしろ職場の自分の部屋に泊まる。
そうすれば、翌朝の出勤も自分が部署では1番にしやすい。

思えば、東日本大震災以降 このスタイルを貫いている。
当時、電車の間引きなど通勤ラッシュ時の激混みに辟易した。
震災前の4年間はラッシュとは縁遠い米国の某都市に住んでいて
通勤ラッシュなど考えられなかった。
震災前も少し早めの出勤を心がけてたほどである。
それだけに、朝の激混みは精神的に堪えた。
徐々に出勤時間を早め、結局は朝4時台の
この電車に乗る生活に落ち着いた。


それにしても、
やはり朝早いと気持ちが良い。
電車が空いている。
空気感も良い。
まだまだ続けるつもりだ。

・・・前置きが長くなった。

こ早朝の時間帯、乗客には、
清掃婦と思しき お婆ちゃま達が高い割合で含まれている。
彼女らは皆元気だ。

「あれ!いやだよう。あたし、ヨシモト(仮名です)さんの話、すっかり忘れてたわよぉ」

「きょう、クレバヤシさん、5号棟じゃなかったけねえ?」

「そりゃそうだよー。主任さんに言わんきゃダメだよぉ。あのひとはズルいモンさー」

「あそこ、特にトイレがさぁ、汚いんだよ~、いくら外面立派でもねえ」

「ぎゃ~、は、は、は、は、ウェッ、ゲホゲホゲホン!(咽せた咳)」

・・・別に聞いているわけではないのだが、彼女らのそんな会話が飛び込んでくる。
だから、彼女らの仕事に関しても、それとなく耳に入ってくるのだ。

古希を優に超えたであろう彼女らは実に生き生きとしている。
彼女たちの仕事は、「美化」というかたちで明らかになる。
すぐに結果が出る仕事だ。
それはそれで実にうらやましい限り。
第一に、必要不可欠な仕事だ。
誰もが意識せずともその恩恵に与っているのも事実だ。
感謝である。

4~5名からなるそんな賑やかな集団が複数ある中で、
たった一人でエスカレーターに乗る、つまりは単独行動の
小柄なお婆さんが目に留まってしまうのだ。
お歳は80才近いだろう。
小型のリュック式のバッグを背に
杖を突き、腰は若干曲がっている。
が、何よりも、顔がいつも何故か下を向いた状態なのが特徴的だ。
この人が顔を正面に向けたのを私は見た記憶が無い。
もちろんこの時間から電車に乗っていることからして
働きに出ているのは間違いないだろう。
掃除婦の方なのだろうか?

何故そんなに老体むち打って働くの?

可愛いお孫さんにお小遣いをあげたり何か買ってあげるため?

病床に伏す年老いたご主人のため?

それとも、自分が生きていくため?

身体は痛くないですか?

脚は大丈夫ですか?

どこか具合の悪いところはありませんか?

辛くはありませんか・・・?

・・・様々な問い掛け私の心の中で舞う。
この方は、今までどんな人生を歩んできたのだろう?
そして今、さらにこれから先、どんな生き方をしていくのだろうか?

とても気になる。

何故だろうか?

考えてもわからない。

いくら気にしたところで
このひとの人生と私の人生が交差することはないのだろう。
互いに乗客であるという共通点を除いては。

ただ、ただ、

気になるひと 

というだけの話でしかないのだけれど。。。