「発達障害のウソ」と同じ筆者が書いた最新作を読み終えました。
もう、何と言ったらいいかわかりません。納得と怒りと後悔と様々な
感情が読みながら出てきました。
読み終わった第一の感想が「もっと早くこの本に出会いたかった」
でした。もっとも、この本が出たのはつい1ヶ月前なので、それより
早く出会えることなどないのですが、受診を決めた当時の自分に
読ませてあげたいとつくづく思いました。
精神科受診を考えている人は絶対に読むべき本だと思います。
この本で書かれてあるとおり、行政もマスコミも精神科受診を勧め
ますが、誰もその受診先の質について責任を持ちません。そこに
責任を持てないのであれば、せめて警鐘を鳴らせよと言いたくなり
ますが、それすらもしません。いざ患者が患者が被害にあっても
誰も責任など取りません。
患者やその予備軍が知らなければならない情報が、なぜ医療者
側から、行政側から、マスコミ側から知らされないのだろうと不思議
でたまりません。
非常に価値がある本だと思いますが、それだけに現状のおかしさ
が際立ちます。この筆者は、本来行政やマスコミらがすべきことを
代わりにやっているとも言えます。
書かれていることは、「当たり前」のことかもしれません。行政機関は
犯罪捜査はできないとか、医療に踏み込んだ指導はできないとか、
知っている人には普通のことかもしれません。しかし、その「当たり前」
をちゃんと伝えてくれる人がいないのです。
行政が精神科医療機関の診療の中身まで保証もできないという
のは、理屈としてはわかります。でも、そんなこと知っている人って
どれくらいいるんですか?保証もできないのなら無責任に繋げる
なよと怒りが湧いてきます。
結局は知るか知らないかの違いです。自分の人生や命を守るには
ちゃんとした情報を得るしかないと実感させられました。