前回の日記で、無輸血治療に関する日本の多くの病院側の基本方針
について考えましたが、HLC(医療機関連絡委員会)の努力により、
外科や麻酔科の医師の中には、エホバの証人の手術を引き受けてくださる
先生が増えてきていると実感しています。
私の身近な仲間達も、骨折から癌摘出手術まで、様々な手術を
無輸血で受けることが出来ており、術後の経過も良好です。
もちろん、医師の皆さんの理解と努力があってこそ、
そして、HLC(医療機関連絡委員会)の地道な啓蒙活動の成果だと思います。
無輸血手術を引き受けてくださる医師の皆さんには豊富な知識があり、
熟達していて腕がいいのです。
そもそも、手術の際の出血量を非常に少なく抑える
ことがお出来になります。
医療サイトにこんな記事がありました。
かつて肝臓がんの手術は非常に危険で難しかったそうです。
それというのも、肝臓は細かい血管が密集している臓器なので、
小さな切除でも大出血をおこす危険性があり、
たとえば1980年代の手術では、1回の肝臓の手術における出血量は
5,000~1万mLにも及んだといいます。
体重50kgの人の体内にある血液の量は約4,000mL。
一般的には血液の半分を失うと命にかかわるとされていますが、
自分の血液の量を上回る量が、肝臓の手術で失われていたといいます。
自分の血液量を上回る出血とは?
輸血した量も含めて、という意味でしょうか!?
しかし、今日の日本大学医学部消化器外科による手術では、
手術の平均出血量は377mLと日本最少になっているそうです!
目覚ましい進歩ですね!
私の仲間たちが経験してきた癌摘出手術でも、「出血量は400mLだった」
と聞いてきました。無輸血治療を施してくださる先生方は腕がいいのです。
出血量を抑えるだけでなく、無輸血治療を成功させるための
様々な方法や器具が開発されています。
世界の無輸血治療に熟達してきた医師達は、無輸血治療は全ての患者にとって
簡便で安全で効果的な治療であると証言しておられます。
知識の一つに加えて頂ければと思います♪
参考ビデオ
「輸血の代替療法 ― 簡便,安全,効果的」(29分)
https://www.jw.org/ja/ライブラリー/ビデオ/#ja/mediaitems/VODOrgBloodlessMedicine/pub-ivae_x_VIDEO
(*JWは、どの治療を受け入れるか、または受け入れないかについて、
責任を持って個人的に決定します。)
▪️悪性リンパ腫だと判明してから
それまでの私の理解はこんな感じでしたので、簡単ではないとはいえ、
自分の病気にも、対応してくださる病院は見つかるに違いないと…
(どちらかと言うと、ちょっと甘く)そう考えていました。
5/18悪性リンパ腫だと判明した後、帰宅してすぐに会衆の長老に連絡し、
長老からの励ましの言葉を受け、長老は直ぐにHLC(医療機関連絡委員会)
に報告してくださいました。
HLCの兄弟から、悪性リンパ腫という結果を受けて、
「意外な結果に驚いています。」というメッセージと共に、
組織検査の結果が出次第、出来るだけ早くzoomで会合を開きたい
という旨の連絡を頂きました。
「聖書からの啓発や励ましを得るため、必要な情報を提供するために、
JWの家族も参加して欲しいので、出来るだけ早く、
皆さんの都合の良い日を知らせてください。」という連絡でした。
▪️5月31日、血液内科の先生から組織検査の結果を聞く
示された書面にこう書いてありました。
『病理診断
(英語)びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(非ホジキンリンパ腫)
初見
右副腎腫瘍針生検。
既存の副腎構造は大部分が失われ、核緑の歪な異形細胞がびまん性に
増殖しています。背景には小型リンパ球浸潤あり。
細胞破片の散在を認めます。
免疫染色では…(…意味不明の記号)
Ki-67 LI 80%以上です。
(※Ki-67 指数とは…この指数が大きいほど増殖のスピードが
速いことを意味するという。)
B細胞性悪性リンパ腫の像であり、DLBCLが示唆されます。
更に免疫染色を施行します。』
(なんか…よく分からないけど、恐ろしい感じのことが書いてある…)
正確な病名は『びまん性大細胞型B細胞リンパ腫 (DLBCL)』。
(月単位で病気が進行する中悪性度に分類されるという。)
悪性リンパ腫は100種類ほどあると言われているそうですが、
「DLBCL」は、日本人に最も多く見られる種類だといいます。
この初見ですと、病期(ステージ)で表すと、どの段階になるのだろう?
と気になります。
▪️癌のステージって何を表しているの?
癌と診断されると「あなたの癌はステージ◯期です」というように、
医師から言われるのを聞いたことがありますよね。
ステージは0期〜IV期まで5段階あるそうで、癌がどれくらい進行
しているのかという進行度合を意味していて、
ステージIVがもっとも進行している状態を意味します。
ステージIVと聞くと、「もうお終い」のようなイメージがあったりしますが、
しかし、よく調べてみると、
それは、癌の末期状態を意味しているのではありません。
進行の度合いを判定することは、治療方針を決定するために
重要なことだそうです。それで、病気の広がり(病期)を早急に
判定する必要があります。
悪性リンパ腫の場合、目安は次の通り…
I 期 ひとつのリンパ節領域のみのリンパ節がはれている。
II 期 上半身または下半身のみの2ヶ所以上のリンパ節領域がはれている。
III 期 上半身、下半身の両方のリンパ節領域が侵されている。
IV 期 臓器を侵していたり、骨髄や血液中に悪性細胞が拡がっている。
ブログ管理人の場合は、IV期に該当。
ステージ4?と聞くと、絶望的に思ったりしがちですが、
悪性リンパ腫の場合、通常の健康診断では発見しにくいこともあり、
発見された時にはステージIVだった!
という患者が少なくないというのが現実だそうです。
お仲間が多いだけでなく、回復しておられる方は少なくないようです。
(そうは聞いても、心穏やかになれるような響きではないですけどね…)
▪️日赤の血液内科の先生とのやり取り
「治療についてですが、やはり、輸血には絶対に同意できない
ということですか?」
「はい。そうです。」
「そうしますと、こちらでは治療をお受けしかねるのですが…」
「はい。承知しております。
お手数ですが、紹介状を書いて頂けますでしょうか。」
「分かりました。何処か決まった病院はありますか?」
「いいえ、これから探します。」
「これから、ですか?」
すると、先生は、
こんなふうに優しい気遣いの言葉をかけてくださったのです。
「治療をお受けできなくて、本当に申し訳ありません。
私の個人的な考えではないのですが、組織の方針なので。
本当に申し訳ないです。」
またもや、思ってもみなかった先生のご親切な言葉に、
心が温かくなりました。
紹介状を受け取った翌日、HLCの兄弟達が緊急会合を開いてくださいました。
Zoomの緊急会合に同席したのは、本人と本人のJWの家族(娘夫婦と息子夫婦)、
会衆から長老2名、HLCの兄弟2名でした。
つづく