口腔ケア | みえリハPT、STのブログ

みえリハPT、STのブログ

みえリハビリテーション研究会PTSTメンバーのブログです。
毎日日替わりで担当者がブログをUPしていきます。

基本、くだらないことを真剣に考えているみえリハビリテーション研究会の番條です。



東京オリンピックは7年後ですね。



ある程度の期間を設定し、そのときにはどんな自分になっていたいかしっかりプランを立てていることも仕事に精を出す一つですね。



目標目指して日々精進ですね。



さて、今日は口腔ケアについて話したいと思います。



歯磨きだけでなく舌や口蓋、口腔粘膜、義歯の方は調整、修理、洗浄などの口腔に関するものを踏まえて『口の中のお手入れ』のことを口腔ケアと言います。



みえリハPT、STのブログ



高齢者にとって口腔ケアはとても重要視されています。




口腔ケアの目的としては、




誤嚥性肺炎の予防



口腔疾患の予防



そして、QOL(Quality of Daily Life=生活の質)の向上が挙げられます。








え?QOLの向上?





それについては最後にお話ししますね。





まず、口腔内は唾液によって菌の増殖を抑え、歯を守ってくれています。





絶えず、外界と通じていますので、菌の出入りが多い口周り。





唾液の働きを正常に保っておくことは病気にならないためにも重要ということですね。





唾液の作用は、消化作用保護作用抗菌作用などが挙げられます。





そんな唾液ですが、実は、寝ている状態では分泌が減り、口腔内の菌は増殖します。





歯磨きが不十分であると口腔内の菌の繁殖が増え続け、虫歯・歯周病の原因になりかねません。




そこで、就寝前の口腔ケアが重要になってきます。





就寝前の口腔ケアを怠ると早朝の唾液中の細菌数が約30倍に増えたという報告もあるみたいです。






恐ろしすぎますね。




みえリハPT、STのブログ




まずは、自分たちもしっかり寝る前の歯磨きを忘れずに行っていきましょう。





虫歯、歯周病も怖いですが、加齢に伴い義歯を装着している方が多く、そのような方には虫歯や歯周病よりも注意しなければいけないのが冒頭でも挙げた誤嚥性肺炎です。





高齢者の死因の第3位が肺炎によるものですが、その中の7割は実は、誤嚥性肺炎からきています。





それぐらい高齢者にとって身近な病気ということですね。





加齢に伴い、口腔内の唾液分泌量が減り、口腔内の菌が繁殖しやすくなります。





繁殖した菌が気管から肺に侵入することにより発熱や誤嚥性肺炎を引き起こす可能性があります。





また、唾液分泌量だけでなく加齢に伴い、色々な機能は低下してきます。





身体機能として咳嗽反射、咽頭反射も低下している事が多いです。





咳嗽(がいそう)とは、「むせる」ことです。




みえリハPT、STのブログ



実は、たまに認識が違う方がいるのでお話しますが、高齢者の方で食事中、ものすごくせき込んでいる人がいたとします。




むせていること自体は確かに気管に食塊が入り込んでいる可能性があるので誤嚥性肺炎のリスクはありますが、さらに気をつけてみていただきたいのが、『むせの程度』です。






強くむせている人は、むせにより誤嚥物を外に出せている可能性は大いにあります。






ところが、周りの方、特に家族様なんかは強くせき込んでいる身内を見て、すごく心配しています。






むしろ、注意してもらいたいのが、むせ方が弱い人誤嚥しているのにむせがない人です。





むせ方が弱い人は気管に入ったものを十分に出せていない可能性があります。




さらに怖いのが誤嚥しているのにむせのない不顕性誤嚥です。




そのような場合、食事中、徐々に湿性嗄声(ガラガラ声)や痰の貯留音が聴こえないか注意する必要があります。




ご家族様は、むせが強ければ強いほど問題があるように感じている人もいます。




実際は、むせなく食べられているからといって安心できないということですね。




この辺のご家族様の勘違いを取り除いてあげることも医療従事者の役目です。





口腔ケアの持続により、口腔内の細菌数の減少、発熱の回数・期間の減少、口腔内の炎症(歯肉炎・口腔粘膜の炎症の減少)、口臭の軽減および摂取量の増加などの効果が確認されています。





もう一度言います!



誤嚥性肺炎を予防する上でも口腔ケアはかなり重要視されているのが現状です。





ここで大切なことは、病院では専門家の方たちが絶えず注意して関わっているので問題はあまり起こらないと思いますが、患者様・ご家族様にとって本番は在宅です。





病院で過ごされている期間はあくまで在宅までの助走期間にすぎません。





ご自身で口腔ケアが十分に行えない人には、家族様への口腔ケアの指導や義歯の取り扱い方や注意点、さらには、精神的に口腔ケアに抵抗がある家族様への配慮は欠かせません。





口腔ケアがしっかりできていれば、その人の口腔内トラブルも減少、もしくは予防ができ、食べること、話すこと自体のサポートにつながります。





そこから、自分の口で「おいしく食べる」ということに喜びを覚え、食生活にリズムが生まれ、QOLの向上にもつながると考えています。





口腔ケアにも注目することは『人』を見る上でも必要不可欠ということです。





長々とお読みいただきありがとうございます。





よろしければクリックお願いします。

健康と医療 ブログランキングへ


【 ご意見・ご質問について 】
「 みえリハビリテーション研究会 」が配信するブログでは、みなさんからのご意見・ご質問を受け付けています。

メールアドレス miereha.2013@gmail.com
HPアドレス  http://posoutputs.wix.com/miereha

なお、どのメンバーへのご意見・ご質問かを添えて送信していただきますよう、よろしくお願いいたします。


【 ご案内 】
「 みえリハビリテーション研究会 」 では、『 みえリハPT、STのブログ 』 以外に『 みえリハOTのブログ 』 も配信しています。
http://s.ameblo.jp/ot-outputs/
ぜひご覧ください。