オカルトでも新興宗教でもない。

 

おいらはよく正夢を見る。

 

中学生時代はよくわからないが

 

左右に分かれた道を左に行くと

 

大きな衝撃に襲われるという感じを

 

夢に見たが、そんな道を行ったこともなくて

 

信じていなかったが、ある用事で行ったことのない

 

場所へ行く機会があって出かけたがやっぱり

 

引き返そうと振り向いた道がまさにその道だった。

 

流石にそんなわけないと、どうしても左の方へ

 

行きたくて行ったら自転車に乗っている時

 

タクシーにぶつけられた。

 

左足のすねに剥離骨折を負った。

 

 

専門学校を卒業して横浜で就職した頃、

 

夢を見た。

 

見たこともないガラス貼りの玄関に祭壇が

 

飾られ、花がいっぱい供えられた中央に

 

顔がよく見えない写真が飾られていた。

 

その場所が何処かわからなかったが、

 

何か胸騒ぎがして実家に電話してみる。

 

親戚で誰か何かあったって連絡はあったかどうか。

 

何も聞いていないという事で一旦安心したが

 

数日後、親戚のおばさんが亡くなったと

 

連絡があった。秋田からよりすぐにお通夜に

 

駆け付けられるのでおいらが代理で出かけた。

 

着いた親せきの家で、普段お店をやっているのだが

 

その店の前面を夢で見た祭壇が設置されていた。

 

中央の写真はおばさんの写真だった。

 

 

そんな風に何となくおいらに関係があることは

 

正夢で結構事前に感知できるはずだったが、

 

今回は一ヶ月も遅れて知ることになる。

 

おいらのいとこにあたる人だが、お袋さんと

 

いとこのお父さんは10歳も年が離れていたため

 

おいらといとこは20歳も年が離れている。

 

昔からいとこは秋田に千葉から自転車で遊びに来たり

 

何度も親父殿とお袋さんのところに遊びに来ていたので

 

おいらのことをすごく面倒を見てくれた。

 

そのいとこが、数日前に夢に出てきた。

 

笑うと目がなくなるような表情なので、いつも目が

 

無いとかからかっていた。夢の中で本当に目が点のような

 

表情の写真を見て皆でワイワイしていたら本人が出てきて

 

目がキリッとしていたのを見て、目が違うと笑っていた

 

というもの。

 

何だろう、いつも夢にたまに登場するいとこだが、今回は

 

何か気になっていた。

 

今日になっていとこの家からその奥さんが電話をくれた。

 

お中元届いたのでありがとうと。

 

だが、なんかそっけないような愛想がないようないつもと違う

 

雰囲気を感じ、皆さんお元気ですか?と聞いてみた。

 

そしたら奥さんは実はと話し出した。

 

先月に救急車を呼んでそのまま亡くなったと。

 

コロナもあるし、この暑さの中来てもらうのも悪いと

 

家族葬で済ませたと。

 

何てことだ。この数年電話だけのやり取りとは言え、元気だと

 

言っていたのにそんなに悪かったのかと。

 

よく親戚の葬式などで動けない親の代わりにおいらが

 

出席していたのだ。葬式中に絶対に笑えない状況で

 

わざと笑わせようとするいとこのいたずらで、周りには

 

泣くのを我慢しているようなそぶりで笑いをこらえている

 

姿を何度もしている。いたずらっ子のようないとこが

 

おいらが知らないうちにこの世を去っているとは。

 

夢にまで出て笑わせるとは流石だ。

 

お袋さんの実家で唯一連絡を取っていた親戚なので

 

今後さらに親戚関係は遠くなるなあと思いつつ、

 

早くお線香をあげに行かないとと思っている。