浦島さんは、ついに決意をした。

 

朝5時半に海へもぐり竜宮城へ行くことを。

 

竜宮城にはあらしで取り残された、

 

3匹のカメさんがいて、自力では戻ってこれないと

 

助けを求めていたのでした。

 

浦島さんはおばあさんに金銀を用立ててもらい、

 

奥様に竜宮城行きの通行手形と、カメさん3匹と

 

浦島さんの通行手形を用意してもらいました。

 

最初カメさんたちは、ジェット気流に乗って帰って

 

くるつもりでしたが、北風さんが意地悪をして

 

帰れなくなりました。ジェット気流は、次の日に

 

もう一度流れる予定でしたが、北風さんが睨んで

 

いるうちは、とても帰れないと、奥様が先手を

 

打って、スピードは遅いが確実に買える事が出来る

 

船の通行手形を用意したのでした。

 

北風さんが吹き荒れる秋の田んぼは、ほんの少し

 

前さえ見えない程の悪天候。何とか船を出したものの

 

船は1時間も遅く竜宮城へ着きました。

 

竜宮城にある八重洲地区にカメさんたちを呼び、

 

お昼を過ぎた頃に船に乗ることにしました。

 

竜宮城はあらしの後の静けさで、晴天となって

 

居りますが、カメさんたちはあらしの衝撃で

 

パニック状態。まるで踊るかのように手足を

 

ばたつかせ、口から叫び声がもれます。

 

実はカメさんたちは、あらしの証拠をつかむため

 

あらしの姿を捉えた図を探して手に入れたようです。

 

そのために、宿屋で眠る時間は4時間と少なく、

 

やっとのことで、八重洲地区に集まったのです。

 

浦島さんは竜宮城まで5時間かかり、カメさんたちと

 

竜宮城で3時間弱過ごしたと、秋の田へ帰ることに

 

なります。竜宮城の隣には、空に届く木やネズミの

 

町が広がっているのに、一歩も出ることなく、

 

カメさんを連れて帰ることになっているのです。

 

カメさんたちは疲れていましたが、それでも

 

まだ余力があるようです。お昼過ぎの船に

 

乗るため、茶を煎じて飲み、桂木を食して

 

体を休めました。その後、弁糖を買って

 

船で食べられるように準備しました。

 

北風さんは千代辺りから凶暴化して、他の船を

 

なかなか通れないようにしたため、その辺りから

 

船は遅くなりました。北風さんのせいで結局

 

秋の田へは4時間半かかりましたが、無事につき、

 

カメさんのおうちの方が皆迎えに来てめでたしめでたし。

 

ちなみに、ジェット気流はやはり北風さんのせいで

 

すべて流れる事が出来ずに終わったとのこと。

 

浦島さんは行きと帰りで10時間船に乗ったために

 

腰と背中を痛めて真っ白になったとさ。