今売れているアーティストの初期の作品が

おいらのテーマソングとなっている。

誰でもそうかもしれないが、スターになる前の

葛藤を題材にした歌は、聴いていてぐっと来る。

売れるために全てを投げ捨てて、上京した

状況を想像できる歌詞は、違う分野を進んだ

おいらでも少なからず共感できるところが

あるから。


今のそのアーティストはビッグになりすぎて、

安定しているせいか、新曲には心が動かない。

ただ、人物としては面白話術だし、格好いいし

非の打ち所はない。

良い男でありながら下ネタも下品に聞こえず

笑いのテンポもいい。


昔のそのアーティストの曲には、とんがった

部分があり、先が見えない事に不安を感じながら

がむしゃらに生きていこうとする姿が感じられる。

今は、すごく角が削られ丸くなっているようで、

同じ年代としては理想の男性像だ。



おいらのテーマソングはたくさんあるが、先日の

徳永さんはまさに超理想的に年を経ている。

若い頃はかなり尖っていたらしいが、徳永英明という

アーティスト像を崩さないで、プライベートと仕事を

両立したすばらしい方だ。年を経て若い頃と違った

曲作りをしながら馴れ合いのない曲調と歌詞が良い。

病気をされて、復活するための挫折と葛藤を力にして

何度も聞きたくなる作品を出してくれる。


実際は結婚もされ子供も大きくなられたことだろう。

そういう、要らない情報は一切出さないで、徳永英明

という個人をどんな人物か想像させるところも良い。

対するもう一人のアーティストは、いまだ独身。

独身でなくなったおいらにとって、この方の生活感覚が

非現実的で、不思議なところだ。

もし、おいらが独身だったらこのアーティストの

今の作品にもっと感情移入できたのかなあと思う。


そして、永遠の女神になったZARDの坂井泉水さんは

おいらの20代の頃の理想的な女性像。

実際の生活は知らないけど、歌は男が理解するにはかなり

複雑な心境を歌っている。ミステリアスな雰囲気が最高。

病気で亡くなってしまったときはとても残念だったが、

アルバムは今でも聴いている。

今、詞の内容を考えるとかなりな内容であるが、あの頃は

曲の勢いで感動していた。

詞の内容は情熱的だが、ZARDとしての名曲であることに

違いはない。そして、好きなアーティストであることも

変わらない。亡くなってしまって、もう年を取ることは

ない分、おいらが年老いてもずっとキラキラした思い出で

心に残るだろう。