毎度おなじみ、
先週も御一緒したばかりのトンネルクラブの皆さんと、さくらんぼがりツーリングにやって来た。
今年に入ってから既に11回程御一緒しているので、平均すると2週間毎位になるのだが、会わない時はまったく会わない(冬季や、岐阜~魔女間等)事を考慮すると、会う時には毎週のように顔を会わせている事になる。
ハウス(?)内部にて。いちご同様、おいしいのだが、すぐに飽きてくるのが難点だ。
初めていちご食べ放題に行った時や、爆盛りチャーハンを食った時や、王将の餃子を5人前位食った時のように
「もう〇〇は一生食わなくていいや!」
とならないようにかなり控え目にしておいた。やはり「もうちょっと食いたいな~」と思う位が丁度良い。元はまったくとれないが…
さくらんぼ農園前の広場にて。これもボクがよくやるポーズなのだが、肩パットが邪魔で腕が垂直にあげられない。
本日は8台中3台のバイクに無線機が搭載されていた。皆設備は持っているのにろくすっぽ出た事のないヒト達ばかりだ(N村さん、Tさま様、ボク)。
集合場所の高坂SAで試験を行った時には良好だったものの、高速道路上を走り始めると、皆びっくりする位何を喋っているのか判らなかった。そんな中でもボクの声はなかなか良く通っていたらしい(流石は専用機!?)。
赤城ICで降りた後は少しはマシになったが、それでもはやりまだ過変調気味だ。二人共いいマイクを使っているので、レベルさえ落とせば良いだけなのだが、いかんせん二人共古い無線機(FT-728、C460)を使っている。セットモードで、ヒョイヒョイとマイク感度を変えるというような芸当は出来そうにない。
さくらんぼの後は、こんな駅へとやってきた。
いかにも第三セクターの路線にありそうな駅名だ。国鉄時代は「武尊」といった堅苦しい名前がついていそう(←っていうか読めないよ~)だが、駅すぱーとで検索をかけても出てこない。
そんな謎の駅に入ってみると…
ホームの片隅に「デゴイチ」こと、国鉄D51形蒸気機関車が鎮座していた。
早速運転席によじ登ってみると…奇跡的にも原型を留めていた。
公園等に展示されたSLは皆、部品を盗まれたり、部位の種別なく塗料で塗り固められたり、理由もなく破壊されたり、挙句の果ては解体されたりといった悲惨な末路を辿るものだ(ウチの近所にあったC57 129も最初は綺麗だったが…)。幸いにもココは私有地内なのでこういった被害には遭わなかったようだが、しかしそれにしても30年というあまりに長い年月を実感せずにはいられないような状況だ。
ところが運転席の様子は一転する。
ピカピカに磨き込まれた逆転機に単弁自弁。写真には写っていないが加減弁も。このヘンが、公園SLだと、塗料でコテコテに塗り固められてしまうのだ。
また画面左上の速度計はまず真っ先に盗まれるか破壊されるかで、つい最近まで本物を見たことがなかった。
椅子下の排出弁とバイパス弁も健在。
メガパスカル表記のブレーキ圧力計、張りなおされたシート等、まるでここだけは生きているようだ。
そこに機関士さんのコスプレ(?)をしたヒトが座る。
まるで今にも動き出しそうな気配だ。
本当に動いてるよ~。
これは夢か幻か!
GIF提供、N村さん
MVI_1047.AVI
何とこのSL、圧縮空気で動いているのだ。ボイラーを空気タンクに見立て、テンダー上に搭載された2基の大型コンプレッサーが2気圧の圧縮空気を作り出している。本来15気圧の蒸気を使用を使用し、1時間定格で1280馬力を叩き出すのに比べると、わずか2気圧の空気で何が出来るのかとも思う所だが、150m程度の行路を無負荷で往復するには必要十分なのだ。
汽笛を高らかに鳴らし(こちらは8.5気圧の空気を別途使用)、ドラフト音とロッドの音を豪快に轟かせ、僅かしかない線路上を爆進する。結構な勢いで、ちょっと心配になってくる程だ。
撮影した動画を分析した所、発車から14秒経過した時点で動輪が1回転するのに0.7秒かかっていた。動輪径は1.4m、D51の空車重量は90tである事から、
V=1.4*3.14/0.7=6.28[m/s]=22.6[km/h]
a=v/t=6.28/14=0.449[m/ss]
F=ma=90E3*0.449=40391[N]=4122[kmf]
何と4[t]もの推進力があるのだ。
これはD51のシリンダー直径を55cmとすると
S=27.5*27.5*3.14=2376[cm2]
P=F/S=4122/23761.73[kg/cm2]
となり、使用されている2気圧という値とほぼ一致する。
この時の走行距離は
S=1/2*a*t*t=1/2*0.449*14*14=44[m]
線路の半分位の所で絶気しているようだ。
またこの時の出力は
P=F*S/t=40391*44/14=126943[w]=172[ps]
となる。
圧縮空気とはいえあなどれない。
(1000ccのSSと同じという見方もあるが…)
そんな動くデゴイチの運転席に同乗出来るという夢のような機会に恵まれ、ボクは終始無言だった。ただただ感動しまくりで、言葉も出ない程だったのだ。
車籍を持ち全検を通り、石炭を焚き、蒸気の力で客車を引いて営業運転する本物の動態保存機には勿論かなう筈もないが、ちゃんとドラフト音がするという点では、いつぞやの
C1266には完全に勝っている。
そしてこんな写真が気軽に撮れるのもここのSLの魅力だ。
「前面の蓋を開けると中には何が入っているの?」
という何気ない問いに対して、わざわざ煙室扉を開けて、丁寧な解説もいただいた…やや(かなり)マニアックで、皆さんどこまでついていけたか疑問だが…
煙室内はがらんどうで、正面には大小煙管、下からは吐出管が生えている。中をのぞくと排気膨張室が見える。日本のSLがチキチキした音でなく、キレの悪いず太い音がするのはこの為だ。上を見上げると煙突が直結している為、大きな穴が開いている。雨が降ったら煙室内は水浸しとなるだろう。
ここまでは多少SLの知識があるヒトなら知っている事だが、機関士さんはしきりに過熱管についての解説をしておられた。「過熱蒸機」という言葉は知っていても、過熱管の存在はすっかり忘れていた。現物を見るのは勿論初めてだ。
ピカピカに磨き込まれたロッド類。公園SLではこちらも塗料でコテコテに固められている事が多い。
機関士さんを交えて駅前で一緒に記念撮影。バイクをずらりと並べて撮った後な為、何だか中途半端な構図になってしまった。せっかくのバイクもほとんど見えないし…orz
片品にある食堂へと移動する。
SL見学にかなり熱が入ってしまったので、到着は13:30となってしまった。
(みっちり2時間も見ていたようだ)
唐揚げが有名だというのに、一人だけソバを注文するボク。
片品から奈良俣経由で水上へ抜ける途中で遂に雨に打たれ、時間も時間な事から土合駅や湯テルメ谷川はキャンセルとなり、道の駅「水上町水紀行館」でまったりする。なぜこんな所にバイクを停めているのか?
足湯につかる。かなり熱いのだが、足だけなら随分耐えられるものだ。というより出たくない位気持がいい。
今は降っていないものの、これから進む南の空は真っ黒である。なかなか憂鬱ではあるが、しかし先日の岐阜での辛い帰路の事を考えるとまったくもって楽勝である。岐阜ツーでは精神面が随分と鍛えられた。
最後にこんな所で記念写真。
上越トンネル用にEF15を改造したEF16だ。昭和58年頃まではこんなのがまだ走っていたらしい…というかボクもEF15なら見た事がある。
今日もなんだかボクの趣味満載なツーリングとなった。
皆様お疲れ様でした。
川場村D51 561運行日誌←こんな所に我々載りました!
えぬむらさん
たーさま様