こんばんは。(^^)
チューブに入っているケチャップ。
これを最後まで使い切るのはなかなか難しいですよね。(^^;;
どうしても底に残ったケチャップが出てくれず、さかさまにして落ちるのを待ったり、最悪そのまま捨ててしまったり。(--;;
どうにももったいないのでちょっと考えてみました。
ケチャップやマヨネーズは、流体科学的な状態でいえば、「擬塑性流体(ぎそせいりゅうたい)」と呼ばれるものになります。
この状態の物体は、力を加えないと、バターのように固体のような状態なのですが、ひとたび力を加えると、その力の強さに応じて流動性が増すという不思議な物体です。(^^)
バターの場合は、バターナイフで力を加えると、「降伏値」と呼ばれるところで一気にニュートン流体(水やコーヒーなど。力を加えても流動性が変化しないものを指します)の様な振る舞いを起こします(このような物質を、「ビンガム流体」と呼びます)が、ケチャップやマヨネーズにはこの降伏値がありませんので、緩やかに変化するのですね。(^^;;
因みに、力が加わると液体の様な振る舞いを始める現象として、「チクソトロピー」というものがあります。時々ニュースで聞きます「液状化現象」と呼ばれるものがそれにあたりますが、ケチャップは似ているようでそれとは違いますので、結構厄介です。(^^;;
さて、これである程度の結論が出たと思います。そうです、残ったケチャップに何らかの力を加えれば、出口まで誘導が可能なはずです。
で、外から振動するマッサージ器か、超音波発生器の様なもので振動を加えれば…私の予想では中のケチャップが動き出して、無事使い切れるはずです。が、かなり大掛かりになってしまいそうなのも。(^^;;
複数の物質と混ぜ合わせると、このような不思議な現象を示す流体を研究する学問が、「レオロジー」と呼ばれるジャンルになります。この分野は意外に新しく、20世紀初めになってから本格的な研究が始まったのだそうです。私も仕事柄、この分野の本を読んで勉強したことがあります。未だによく分かりませんが。(^^;;
因みに、力を加えると個体の様な振る舞いをする物質は、「ダイラタント流体」と呼ばれています。一般には、「ダイラタンシー」と呼ばれることが多いと思います。時々、テレビで理科の実験を披露する先生が、片栗粉を混ぜた液体の上を走り回ったりしていますよね。そう、アレのことです。(^^;;
科学は確かに計算とかがあったりしてとっつきにくいですが、物事の不思議を知って考えるという点ではとても面白い学問だと思います。せめて実験や観察だけでも好きになって欲しいです。(^^)
あぷりこっと