岩波とEテレ | Aprikos blogg

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色々ありますが、それでも前を向いて生きようとしているMtFな私の天然ブログです。

こんばんは(^ ^)

少し前の記事について、ちょっとだけ。


今回発生した大量殺人事件について、日が経つにつれて、その狂気と捻じ曲がった正義・信念の全貌が明らかになって来ています。

その中で、毎日新聞の記事中に、今回の犯人となる人物に、「君の思想はナチスの思想と同じ」だと諭したと書かれていました。

ナチスがユダヤ人に対して大量虐殺を行なった事は、よく知られていますが、実はその前に、その予行練習として、障がい者の大量虐殺が行われた事は、あまり知られていません。

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優生学、またはその思想は、このダーウィンの著書「種の起源」を曲解して捉えた考えから派生しているのはご存知でしょうか?

恐らく、学校の理科の授業でも、メンデルの遺伝学から進化論という流れで学習されたと思います。

その中で、「生命は環境に適したものが生き残る」と習ったと思いますが、これ、とても誤解を招きやすい言葉なのですよね。

聞きようによっては、「強い者だけが生き残る」と、捉れてしまわれがちで、この曲解こそが優生学の基本となっているのですよね。(´・ω・`)

写真の本の番組、Eテレの「100分で名著」の中でも、この問題は指摘されていて、本来、進化は偶発的なものであり、たまたま今の種が生き残ったにすぎない。生物は多様化する事で、命を繋ぎ、お互い生き残ろうとこの世界で精一杯、共生している。

ダーウィンが本当に行き着いた進化の答えは、「多様性」であって、優秀なものだけが生き残るデスマッチではないのですよね。

しかし、読者はそう捉えず、結局優生学へと…これが後のナチスドイツの思想の根幹を成していき、様々な大量虐殺が行われていくとは…

話を戻して、障がい者への大量虐殺について。
この虐殺の理由が実は今回の犯人の思想と全く同じなのには、衝撃でした。

以前、これもEテレなのですが、「ハートネットTV」という番組で特集された事があり、その悍ましさ、残虐さに恐怖を覚えました。
そして、この様な事は2度とあってはならないと思っていた矢先に…それも日本で…


今回の事件で、ある方が述べられていた「他我理論(哲学の考え方で、自分と違う「他者」に、意識はあるのかという難しい問題)」の曲解について指摘されていました。

この様な思想は、ちょっと難しいのですが、「存在と時間」という著書の中で、実存主義を唱えたハイデガーとか、その前の、フッサールの現象学とか、本当に難しい学問になるのですが、その辺りから来ている様です。

ただ、ハイデガーなど、当時の哲学者達は、ユダヤ人差別などには反対していたそうですので、彼らの著書の曲解は許しがたいものと感じていたはずです。

しかし、未だに彼等がナチスの思想に加担したと誤解されているのもなんだか…

今回紹介しました、ダーウィンやハイデガーの著書は、岩波文庫や光文社学習文庫などで今も読む事が出来ます。ちょっと難しい本ばかりですが、今こそ読んで色んな人達と議論されるべき本なのではと思い、この様な記事に致しました。

それと、ハートネットTVで放送されたあの特集番組と、100分で名著の再放送、NHKさん、是非お願い致します。m(_ _ )m

もう二度と、この様な悲劇が繰り返されませんように。


ヒマワリあぷりこっと