わたし熱が出ました。


生きる屍と化しています。

インフルかもしれないし
単なる風邪かもしれない。


なんせ熱の全く出ない体だったわたし。


只今冷静に分析しています。


44歳、独り身。
一昔前は未亡人とやら。


近い将来、息子も娘も家から出ていき
この6人で住むには狭かった
ひとりで住むには有り余る家で
悠々自適のひとり暮らしが待っている。


齢を重ねて
初のひとり暮らし。



ふと、熱で動けなくなって考える。



いつ来るかわからない天災に備えるのも必要だが、
それ以上に風邪で動けなくなることに備えた方がいいと
気がついた44歳冬。

ひとつ大人になりました。


でも、
ゆっくり風邪をひけるからだ。
ありがたい。



熱に火照るからだや
フラフラする頭
小鹿のような足を見ながら
死ぬ間際の病院のベッドの上の
管にたくさん繋がれた夫を思う。


生きていた
生かされていた
最期まで生きたいと言ってくれた言葉を
信じるしかないが
あれは
どれだけの苦痛だったのだろう。