間質性肺炎で肺移植をし、
その後肝硬変で肝移植をした夫の
闘病記です。
移植病院医師からは、初めての症例と言われた程、稀な病気の経過を辿りました。
苦しい闘病生活だけではなく
出来なくても
最期まで生きることと
楽しもむことを目標としていた夫と
同じ病気のかたの
参考になればと思っています
まだ夫が酸素無しで病院に通っていた頃、
担当医に毎回言われていたことがあります。
「今のうちに筋肉をつけなさい」
そのときには理由を聞かずあまりピンとこなかったのですが、
病状が進むにつれて
その言葉の意味がよく分かりました。
いつか動けなくなる為に
筋肉をつけておきなさい
という意味だったのだと。
ほぼ寝たきりの先に
移植があります。
脳死移植で呼び出されるときに
元気でいられる方は
残念ながらいないと思います。
移植は、体力がいります。
手術を乗り切る体力。
その後肺を動かす体力。
呼吸をする筋力、立つ筋力。
在宅酸素が始まるときには
動けなくなるし、動きたくなくなります。
夫はそうでした。
確実に動くと酸素が下がるので、
苦しさが分かるだけに躊躇するのだと言っていました。
それでも、
できるだけ
10リットルの酸素を吸いながら
シャワーをあびたり
7リットルでトイレに自分で行ったりして、
歩ける筋力を付けていました。
よく廊下でぶっ倒れて
呼吸を整えていたのも
この頃です。