走ってみて想像以上に大変だったのが、“トイレ”。
ミゾレ交じりの雨のレースだったので、冷える冷える。
1週間前からのカフェイン断ち、4日前からのアルコール断ちで、備えてはいたものの寒さゆえの自然現象は抑えられない。
大会運営としては十分に仮設トイレを準備されていたと思うが、実際にはどのトイレも長蛇の列。聞くところによれば30分待ちも?!待ってる間も寒いだろうに・・・
そもそもタイツは脱ぎにくい上に、手が悴んでいる。しかもビニールを被っているなど、すぐに用を足せない。だから、一人ひとりのトイレが長い・・・

で、まず事前にトイレの場所は頭に入れておく。
事務局が事前に発表しているトイレ配置図を予め見ておくことも重要。
男性は男性専用トイレに並んだ方が早い。男女混合は避けたい。

コンビニのトイレは並んでいる間、暖かい。雨をしのげる。
ただ、沿道沿いは人気だし、お店には1つしかないので、意外と時間がかかりそうだ。
東京在住者は、一本道路裏のコンビニの場所を抑えておくべき。

東京マラソンでは東京メトロも都営地下鉄も駅のトイレを開放してくれている。雨の時には快適。男性は、仮設トイレのようにいちいち個室に入らなくて済むので意外と早い。
ただ、東京の地理が頭に入っていること&地下鉄入り口を降りたらすぐトイレがあるわけではない・・・後半は脚が疲れているので、階段の上り下りがきつい。

意外と穴は・・・日比谷~品川間、銀座~浅草間は、同じ道を往復する。
その復路を戻っている際、往路のトイレが空いている。
道路はまだ閉鎖されているので、中央分離帯が切れるところで反対側のコンビニや公園、仮設トイレに向かう。
まぁ、これは遅いランナーだけが得られる特権だ(笑)

それから、スタート時だが。号砲がなってから、スタートラインを過ぎる手前で、トイレに向かう人をたくさん見た。都庁にはかなりの数のトイレが用意されていたし、意外と早く戻ってきていたので、空いていたのだろう。ネットタイムでのロスタイムもなくなるし、気持ちよく走り出せる。妙案だと思う。

東京マラソンへの最初のエントリーは昨年の8月。
走り終わった後、このエントリーが重要だったと改めて感じた。
どのレースにもある“申告フィニッシュ・タイム”。
僕の申請は“まぁ、5時間くらいかな”と軽い気持ちで5時間を入力。。。今回のレースで最後まで苦しんだ理由は、この軽さ(笑)

スタートブロックは、後ろから2ブロック目の「J」だった。10キロも混合されているので、3万5千人中、3万番以降のスタート。
順位はどうでもいいけど、この辺りのブロックは、5時間~6時間を申請タイムとしたランナーの集合体。
先に書いたがスタートラインまで17分かかった。そして、スタート時は体力温存、ウォームアップのゆっくりのペースでいいかなぁ、と思っていたけど、想像以上に遅い。
途中、何度かギアを入れ替えるも、仲良く二人で並走している人や前方から落ちてきている人、元々ゆっくりのペースの人で、突っかかる・・・人の間を縫って走るのも体力を消耗するので・・・ということで、僕のような初心者にはなかなか難儀。
結局、前半は周りと同じようなペースで走ることになる。
ちょうど5時間のペースセッターを抜くか抜かぬかのペースだった(^^;

打ち上げの際、ブロック「E」から走った仲間に確認すると、スタートラインまで7~8分。で、周りと同じペースで走ったという・・・タイムは3時間48分。
ちなみにブロック「K」は、スタートまで18分だったそう。Kの人は5時間50分で完走。

申請タイムを誤魔化して、前のブロック(Aブロックは陸連登録者が多い)になったら、スタート時の周りのペースに飲み込まれて、後半失速や脚を痛める確率は高い。実際、あの天候もあり、かなりのランナーが落ちてきていた。

ということで、申請タイムは、軽い気持ちで入力せず熟考が必要。一度申請したら変更もできません。

ちなみにTシャツサイズも、ミスりました。8月当時はOサイズで申請。でも、その後の秋の走り込みや駅伝レースで余分な筋肉が落ちて細くなったので、Lサイズで十分に・・・

今週火曜日、雪とミゾレの空を見上げて、“今日より寒い日によく走ったなぁ”なんて・・・


ゴールした後、ランナー以外が立ち入れるビックサイトの東棟に行っておののいた。
いやはや、すごいひと。家族に電話しても、わからないくらい。ランナーの3倍くらいはいるのかもしれない。


ようやく妻と娘を見つけて・・・「あっ、俺、泣かなかった・・・」


「完走したら泣くな」って、ずっと思ってた。最近涙もろいし。
案の定、走りながら声を掛けられて、涙がこみ上げてきたことは何度か。「温かくていいな、走れて幸せ。」
でも、ゴールでは泣かなかった。たぶん、まだまだ走れる状態、限界に挑戦していなかった不完全燃焼だったのだと思う。
「悔しい、泣けなかった、来年は泣くほど頑張る!」と娘を抱き上げながら思った。


待ち合わせ場所には、ランニング仲間も待っていてくれた。
フルマラソン走ってきたとは思えないくらい元気に見えると言われた・・・やはり。
確かに脚は痛くないし、ピンピンしている。「ウルトラマラソンとか出るべきじゃない?!」とも。そんな、元気に見えるのか・・・まぁ、明日仕事だし・・・


打ち上げの韓国料理屋のビールは美味しかったけど、中途半端なタイムと身体の元気さがモヤモヤ感を抱かせる。


「くそー、もっとちゃんと走れば良かった!」

午前中の雨とみぞれが嘘のように、太陽が出てきて暖かくなった。
気温はそれほど上がらないが、すがすがしくて気持ちいい。
豊洲の大通りを右に曲がると、もうゴールは目の前。
ほどなく、「あと2キロ、がんばれ!」。
しばらく進むと、「ラスト2キロ!」・・・うん?さっきからずいぶん進んだはずだけど・・・
またまた「最期の力出して!あと2キロだ!」
いっこうに減らない2キロ。でも、すごいうれしかったし、最後の余韻を楽しんで、と聞こえた。

なんて、考えていたら、有明駅の下にある最後の橋が視界に入る。
ここで残り1キロ。
気分が乗ってるし、脚も軽いし、たぶんようやく訪れたランナーズ・ハイな状態。
「脚が痛いのは、気のせいだ!」という声掛けと共にギアが入れ替わる。
ここからは、今日一の速さ。
ゴールまでの1キロは誰にも抜かれなかった。そして、今日一番の沿道の声援に後押しされて、ビックサイトの駐車場に飛び込んで、ゴール!
「やったぁ!完走だ!」と両手を挙げたけど、ふと「あっ、終わっちゃった・・・」
余韻、楽しめば良かったと(笑)

その後、コースに御礼でもと振り返ったけど、どどどっと押し寄せるゴールに飛び込む人の波で
フィニッシャータオルやメダルをかけてもらうコーナーに流される。
バナナやソイジョイ、エアサロなどをいただき、スタートで預けた荷物を受け取る。
そうだそうだ、家族に電話しないと!
「えええっ、もうゴールしちゃったの?ゴールに応援に向かおうとして渋滞にはまっちゃってる」
フルマラソン3万2千人の応援に家族が出向いていたら、それは大変な人数だ・・・
東京ビックサイトのホールをぶち抜いた全面更衣室でようやく腰を下ろす。関節も痛んでないし、擦れや痛みもほとんどない・・・ことはなかった、手の指の爪があかぎれになっている。何本も。ナイロン手袋に水が溜まった影響か?!
軽くストレッチして、痛みを翌日に残さないようにエアサロをたっぷり塗って着替えた。
ゴール後の記念写真、足湯やマッサージが用意されていたけど、待っている人たちがいるので諦めた。出口でおにぎりをもらい、家族の元に向かった。

築地の交差点を曲がった時、まだ左手にバナナを持っていた。
脚は痛かったが、お腹は満たされていたのでどのタイミングで食べるか迷っていた。
と、前方でお茶と味噌汁のサービスが目に入った。
これは、うれしい!
まずお茶をいただく。手が震えてこぼしながらも一気にいただいた。
続けて味噌汁・・・身体に染み渡る暖かさが、芯から身体を目覚めさせてくれた。
「ありがとうございます!」と声を張り上げて、走り出した。
ここで、手に持っていたバナナを剥いて、一気に食べる。

気分の問題だとは思うが、力を入れて走れる感じがした。


佃大橋が見えた!
東京マラソン攻略の鍵と言われる上り坂が続く橋だ。歩かないで走れ!というアドバイスが頭をよぎるが、「なんだ、皇居の三宅坂より楽そうだ!行ける!」
ホームグランドの皇居周回を逆走すると、桜田門から半蔵門までの三宅坂が1キロの上り坂になる。この想定佃大橋は、なんども練習したし、3M前に視線を落として淡々と登れば問題ないと知っていた。

「おら、おら、おらっ」と脚を上げながら気合いを入れて上り坂に入る。タイミング良く耳元では「負けないで /ZARD」


残り7キロ40分に備えて作ったiPodのプレイリストに味噌汁をもらった時切り替えておいた。
この橋は車専用道路の部分があり、沿道の人はいない。寂しいが、集中した。一旦坂を上りきったところで、また沿道の人が見える。その中に「ロッキー」のテー
マを大音量で流してくれる人がいた。mixiのコミュニティに書いてあったが、今年もいてくれた。拳をかざして応えた。
決してスピードは上がっていないが、脚に力が入り、歩幅も広げて走ることができている。大丈夫なはず!
再び車専用道路、ふと見上げると脇のマンションのベランダから手を振ってくれている人がいる。
これにも手を振って応える・・・「俺、元気じゃん(笑)」


豊洲を過ぎた、「あと3キロ!がんばれ!」の声。「あっ、もう皇居一周分もない。行ける行ける!」
ちなみに、32キロ過ぎた地点でも「残り10キロ」と聞いて、「行ける!」と思った途端に腿が痙った。
でも、もうこの時点で不安は払拭されていた。
ふと時計を見た・・・仕方ないなぁ、ほんとはゴールしている時間なのに、あと20分弱かかるな。


負けないで /ZARD

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