60代女性


10年ほど前に、左の眼瞼下垂が初発症状の脳下垂体腫瘍術後の患者さま。


ハードコンタクト歴あり。


術前のお写真は👇





もう一つ別の写真を見ますと…





顔全体は載せられないですが、

下垂の方特有のchin upもあり、それに伴い鼻腔もしっかり見えます。


一見、左の方が下垂があるように見えますが


実は瞼裂高はそんなに左右差はないような気がします。


診察すると、左も挙筋機能は残っています。


重瞼線がいくつもできています。


また右は右で眉毛挙上があり腱膜性の下垂症状があります。


左は眼位も少し下がっています。


その辺りは脳腫瘍の影響なのでしょう。


また上方視で右と比べて制限があります。


このような脳下垂体腫瘍後の下垂の方のオペは初めてでした。


少なくとも今よりは見え方が良くなることを期待して、挙筋前転術をトライしました。


デザインは瞼縁から8ミリのところに重瞼線を設定。

2ミリほど皮膚切除線もデザインしました。



局麻をした段階で、内出血が酷く出ました。


出血しやすい…🩸


11番メスで切開。


眼輪筋下を剥離するまもなくすぐにRoofと眼窩隔膜に到達。


眼窩隔膜を開窓して、


挙筋腱膜を同定。


長年のコンタクト歴のせいか、挙筋腱膜は白かったです看板持ち


まずはより重症な?左から固定。


左右とも、3点ずつ固定。

座位にて確認。


右はいいが、左がややアンダーでしたので、


少し前転させて再度固定。


もう一度開瞼を確認。


この時点で、右の内側がややアンダーな気がしたが、

このくらいでよいかと判断。


7-0両端針で吊り上げ法を施行。


7-0エチロンでアンカリングしながら表面縫合。


術前、術直後はこちら指差し


オペ時間は短くなっていますが、

結構腫れましたねえ


じわじわ眼輪筋から出血がありました。


やはり個人差があります。


経過を見ていきましょう。


7日目の抜糸の時には少し腫れと内出血は軽減。


右の内側をもう少しあげたかったなあ指差し


もっと綺麗なアーチを作るようになろう


意外と左も綺麗に上がったので


トライしてみてよかったと思います


が、経過でまた変わってくるでしょうから、


しっかり半年までは経過をみていきます。


追記

1ヶ月後はこちら💁‍♀️





いいのではないでしょうか。


患者さんも喜んでくれて、


嬉しい泣き笑い


欲を言うと、右の内側もう少し上げたいかなあと思いますが、


今後に活かしましょう。


患者さんから、掲載許可を頂きましたので、全体公開に変更しております。