患者さんによく聞かれることで、
「傷痕は残りますか?」
という問いがよくあります。
傷痕が残らないのは
お腹の中、胎内にいる、ある一定の期間のみで、
それ以降は体に傷が付くと、
創傷治癒といって、
傷を治す、欠損を埋めるよう機転が働きます。
その結果、傷痕として残ります。
しかしその傷痕を最低限にするために、
色々と工夫をするわけです(縫い方やアフターケアの仕方)
傷が出来る場所やその人の体質によって
傷痕具合は異なるので、
一概には言えません。
↑の通り、
傷痕は1ヶ月目が赤みのピークです。
2.3ヶ月は赤みと硬さがあって、
だいたい半年〜一年かけて
白くて柔らかい傷痕になります(成熟瘢痕と言います)。
上の写真の傷痕も、
時間や経過と共にもっと白く、目立たなくなりますが、
傷は引っ張られると幅広になりますので、
最初に縫合した時の縫合線よりも、
少し幅広になるのが常です。
目指すはScarless healingですが、
そんな創傷治癒について現在大学院で研究しています。
基礎研究の難しさを日々感じておりまして、
一つのfigure(論文の中の図のこと)を作るのにも、
どれほどの労力がかかることか…
昨今、基礎研究領域での捏造などがニュースになりましたが、
基礎研究って本当に、
地道なトンネルを独りで掘るような作業で、
捏造なんていくらでもできる環境にあります。
己を律して、
自分の倫理観と向上心、探究心が、
仄暗いトンネルの中の光、道筋になります
臨床とはまた異なる難しさがあり、ヒーヒー言いながらやっておりますが、
今やっていることが、未来の社会に還元できることを信じています
そしてこうやって研究できる環境にいられることがありがたいです。
ありがたや〜ありがたや〜
そして世界中の研究者を、
心から尊敬いたします。
さて、
本日も皆様がたくさんの素晴らしい経験をする日になることを宣言します