大学病院形成外科と美容外科クリニックで週7勤務している形成美容外科医のやまもとです。

大学病院ではほとんど毎週、保険適応での骨切り手術や顔の骨折の手術を行っております。

 

保険・美容のどちらの骨切り手術においても問題になりうる

骨切り手術後のたるみ、について考えていきます。

 

①弛みの原因

骨切り手術の後に顔が弛むというお話を聞かれたことがあると思います。

特に下顎前突の下顎をセットバックした場合には輪郭や首下にかけて、

Lefort1つまり上顎骨切りでも頬が下がる場合があります。

頬骨縮小の場合にも同様に頬が下がります。

 

・顔面骨が小さくなる

特に美容外科での骨切り手術では顔面骨を小さくすることが殆どです。

顎変形症の手術でも、顎後退の場合以外は顔面骨が小さくなる場合が多いです。

目黒げんクリニックの市原佑紀先生が仰るところの

「体が痩せて服はそのままなら、服は余る」状態です。

皮膚軟部組織は元々の骨の大きさにあったサイズになっているので

中身の骨だけ小さくなってもサイズがついてこないのです。

 

時間が経つと皮膚軟部組織のサイズがフィットしてくるものですが、程度があります。

個人差がありますが、30代頃からだんだんフィットしにくくなると言われています。

 

経過を見ていると皮膚軟部組織に厚みがある、硬い感じがある方もフィットしにくい傾向があるように思えます。

 

エイジング治療にも共通している点として

弛み治療においては

①必要な部分のボリュームを足す

②余分な脂肪を減らす

③小さくなった骨に皮膚軟部組織をフィットさせる

ことが必要になってくるのです。

 

 

たるみ治療としては皮膚そのものにアプローチする治療や

糸リフトなどもありますが

骨切り術後のたるみ治療としてはターゲットが違うと思われます。

 

・オトガイ形成

保険の骨切りで特に起こりうることですが、咬合やある程度の見た目を考慮した手術を行った結果として、概ね全体のバランスはよいが、下顎だけが物足りない感じになることがあります。本来はオトガイ形成を行って顎を少し出したほうが良いとわかっている場合でも、保険診療の適応ではないと判断されると、その部分については本人の希望に応じて後日自費での手術となります。

ある程度はヒアルロン酸などでも修正できますが、永続的なものではありません。

・ヒアルロン酸

・脂肪注入

上顎骨切りや頬骨形成において、皮膚軟部組織が骨に戻る過程で下に下がってしまったり、先述の通りボリュームが減ることでたるみの原因になることがあります。

これらはヒアルロン酸や脂肪注入によってある程度修正が可能です。

もともと皮下脂肪が多い場合には

骨切り手術で骨が小さくなることによって更にだぶついて見えることがあります。

皮膚のたるみも重要ですが、特に輪郭周りや首下に関しては、可能であれば脂肪を減らした方がフェイスラインははっきりします。

脂肪を減らす方法としては色々ありますが、実際に期待値が高いのは脂肪吸引です。

また、皮下に直接デバイスを挿入して皮下脂肪内で高周波で脂肪細胞を融解する方法(Facetite)もあり、個人的に注目しています。

 

※脂肪が大幅に減った場合には、また先述の服だけ余る問題が生じるので

皮膚のタイトニング治療が更に重要になってきます。

 

 

骨切り手術後のたるみ治療としては最も重要な要素と考えています。

一般に骨切り手術の対象となる年齢層の場合

フェイスリフトが必要なケースは限られると思います。

また肌の質感そのものが手術によって変化するわけではないので

皮膚の浅い層にアプローチするよりも

皮下組織・皮膚深層にアプローチする方法が重要と思われます。

この分野に関しても、先述のFacetiteが骨切り後については良いのではないかと考えています。

 

 

高周波を照射する針を皮下に挿入し、

皮下脂肪の融解と、皮下繊維組織の立体的な引き締めを行う機械です

骨切り手術後のたるみに良さそうと考えています。

 

後日このデバイスについても書く予定です。

 

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平日は大学病院で骨切り手術や瞼の手術、再建手術を中心に、
休日は恵比寿や銀座のクリニックで美容外科手術を行っています。
瞼、鼻、骨切り、フェイスリフトなど顔の手術について紹介しています。
保険診療:東海大学形成外科
美容治療:【金】加藤クリニック麻布 0120-112-096

       【日】銀座よしえクリニック 0120-398-885
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