愛佳と付き合ってから、一週間が経った。



私の学校の文化祭も終わり、今日は振替で休みの私は、学校終わりの愛佳を迎えに行く。

私の学校に来た愛佳は、「ねると同じ学校に通いたかったなぁ」なんて、理佐を羨ましがっていた。



愛佳と同じ学校だったら…
って、私も思うけど、もし同じ学校だったら どんな出会い方をしていたんだろう。



仲良くなっていたのかな?

付き合っていたのかな?



バスでの出会いが 今の私たちを創ったと思うと、学校が違くて 良かったかも。なんて思う。





学校が違くても、愛佳に出会えたこと。

付き合えたこと。


その事実が、私は 幸せに思える。








愛「ねるお待たせー!」


ね「あ、お疲れ様っ!」




笑顔でこちらに手を振って、小走りしている愛佳の姿が愛おしくて、今すぐにでも抱きしめたくなる。


だけど、学校の目の前だし…。

なんて思う私の気持ちは全く意味のないもので、愛佳はそのまま私に抱きついてきた。




愛「会いたかったぁ。帰ろっ!」


周りの目なんて気にせず、私の手を握って歩き出す。





一度しか学校に来たことのない私にでも分かるよ?

愛佳がモテるってこと…。



だけど、愛佳の態度で、私のことを好きでいてくれてるのが分かるから、私も周りなんて 気にしない。



ギュッと強く握られた手を握り返して、一緒にバスに乗って帰る。




愛「私さ、こうやって外の景色眺めるの好きでさ。」



私の手を握ったまま、バスの中から外を眺める愛佳。



愛佳に話しかける前、いつも外を眺めている姿を見ていたけど、眺めるのが好きなんだね。



愛「でもね、ねると一緒に朝登校するようになってから、ねると話してる時間が楽しくて、ねるのいない帰り道、1人で景色眺めてても 物足りないなぁ。って。ねるが居ないと寂しいなぁって、思ってた。」


ね「うん、嬉しい。そんな風に思ってもらえてたんだね」


愛「学校は違うしさ、こうやって一緒に帰れることもほとんどないけど、たくさんねるとの時間を過ごして、同じ景色を一緒に見たいんだ。」



そう言って、愛佳は私の目を見て 目を細めて笑った。




この笑顔に、私の心は弾む。


それに……。






ね「私も同じ気持ち。愛佳の見てる景色を、一緒に見ていたい。」


愛「…なんか恥ずかしい(笑)後ろの方誰も居なくてよかった…」


ね「ははっ!確かに(笑)」






愛佳と話しながら帰るバスの中は、時間があっという間に感じて、いつもより早く バス停に着いたような気持ちになった。




愛「私の家、来る?」


ね「うん!行く!」





手を繋いで、愛佳と同じ道を歩く。





私達は "恋人" としての時間が始まったばかり。



これから、もしかしたら 喧嘩をする時もくるかもしれない。

すれ違う日がくるかもしれない。




だけど、愛佳となら 乗り越えていける気がする。




これから、一緒に たくさん笑って、たくさん時間を過ごして、二人だけの思い出を作っていきたい。


同じ景色を眺めて、愛佳の隣で 笑っていたい。









愛「ねる、大好きだよ。」


ね「私も大好き。」




愛佳の部屋に、小さなリップ音が響いた…。






--終--